グシャグシャ

グシャグシャ

2007/04/07
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カテゴリ: レビュー(書籍)
対立する二つの地区がある町に住む主人公が、町のリゾート計画や家族の犯罪をきっかけに苦難の道を歩む物語。

物語の長さといい、重さといい、主人公(世間に翻弄される男とクレバーな女)といい、東野氏の「白夜行」に似た感じの物語に思えるが、この「疾走」の方が人物の心情をより深く描いていたり、様々な事象について改めて考えなおさせられる事があり、実際には似て非なる作品。

物語は本来の主人公である第三者から淡々と語られる。差別、いじめ、放火、DV、地上げ、借金、ホームレス、賭博など
その中で作者は「誰でも間違いを犯す。最大の問題は間違いを犯した人間自身ではなく、その人間の周囲の人間がその人間に対して間違いを犯す事だ」と伝えたかったように感じた。

「今日が死刑執行日でした」、「親と子は離れて住んでいても憎しみあっていても永遠に離れられないんだよ」、「誰か一緒に生きてください」、「死ぬのは嫌だから殺してよ」という台詞が印象的。

おすすめする方 :闇にのみこまれない方
おすすめしない方:長編や暗い物語が苦手な方

5段階評価:★★★★★






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Last updated  2007/04/07 11:43:28 PM
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Re:「疾走」 重松 清(04/07)  
pear_picture  さん
既読本をオススメしちゃって、大変失礼しましたm(_"_)m
ちょっとおこがましかったなー、と反省中。

「疾走」はいつも穏やかに切々と訴えかけてくる重松さんの作品の中では、珍しく重松さんの激しい「怒り」みたいなものが伝わってくる作品だと思います。

ちなみにこれの映画化作品を観ましたが、オススメしませんf^^; (2007/04/08 02:23:16 AM)

Re[1]:「疾走」 重松 清(04/07)  
なみへい500  さん
pear_pictureさん
おこがましいなんてとんでもないです。実は人から本を貰うのって好きなんです・・・自分では普段読まないような本でも、人から貰って読んでみると結構 面白いってのもよくあります。たまたま「疾走」は既読でしたが、どんどんおすすめ教えてくださいね。

天童さんの「永遠の仔」は図書館で何度か手にとったのですが、次回 図書館へ行った時はあったら借りてきます。それ以外のも探してみますね。 (2007/04/08 03:31:30 PM)

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