こいつでパンを買うな!いいか!パンを買うな!ダイナマイトを買え!

こいつでパンを買うな!いいか!パンを買うな!ダイナマイトを買え!

映画評2003


渡辺謙演じる勝元が格好良い。真田広之の身体能力は相変わらず高く、
殺陣が綺麗。しかしカット割り過ぎで折角の真田と謙さんの殺陣も
台なしだと思う。あと福本清三が格好良い。
トムクルーズの日本語はどうにかして欲しい。
勝元の一団は何故鉄道を襲ったのか?それによって完全に政府の敵に
なっているはずなのに、元老院に呼び出されるのは何故か?
日本には16世紀に鉄砲が伝来していて、戦では大活躍していたはず。
なのに勝元軍は刀と弓しか持たない。。。
桜が散り、跪かれると笑ってしまった。(新宿ミラノ座)

●『赤目四十八瀧心中未遂』(荒戸源次郎監督)
う~ん。苦手かな。主人公に臓物を届ける津軽弁の青年に新井浩文。
(ポレポレ東中野)

●『フォーンブース』(ジョエル・シュマッカー監督)
82分の上映時間が一番評価出来る。タイトで無駄がない。
面白い映画だ。犯人の動機とか理解は出来ないが、
そんなものはどうでもよく、楽しめた。(新宿文化シネマ)

●『吸血鬼』(カール・ドライヤー監督)
大して怖くもないし、驚きもない。しかし杭を打つシーンや、
小麦粉に埋もれるシーンは徹底して撮り切っているなあ。
ドライヤーってそういう残酷シーンで手を抜かない。(ユーロスペース)

●『奇跡』(カール・ドライヤー監督)
凄いんだが、途中寝てしまいそうになる。
生き返りの奇跡を起こす頭の弱い男の存在。(ユーロスペース)

●『裁かるるジャンヌ』(カール・ドライヤー監督)
全編アップが多くてとっても迫力がある。
火炙りになるジャンヌから目を離さず、残酷にカメラは映し続ける。
(ユーロスペース)

●『ほえる犬は噛まない』(ポン・ジュノ監督)
コミカルで面白い。計算され尽くしている感。良く出来ている。
黄色いパーカーを着て、鼻に紙を詰めたぺ・ドゥナが可愛い。
教授に昇進出来ないイ・ソンジェも良い味。
唾吐き婆さん、犬鍋警備員、口汚いデブ女と
脇役の設定が面白く活きている。良い映画だ。(ユーロスペース)
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●『怒りの日』(カール・ドライヤー監督)
魔女狩りの中のノルウェーの話。
牧師アプサロンの後妻アンネが前妻の息子と出来ちゃって、
姑にいびられって話。全編に緊張感がある。(ユーロスペース)

●『ゲアトルーズ』(カール・ドライヤー監督)
弁護士の妻ゲアトルーズが若い芸術家と不倫をし、
しかし愛を得られず、離婚しパリに出て、
しかし愛を得られず、歳を重ねる話。
最後のシークエンスの年月の経る感じが凄いと感じる。
(ユーロスペース)

●『復活』(パオロ&ビットリオ=タヴィアーニ監督)
長いだけの力作ではあるが、駄作。
困ったな、タヴィアーニ兄弟がこれじゃ。。。(新宿武蔵野館)

●『東京ゴッドファーザーズ』(今敏監督)
良く出来た話だし、手慣れている。見応えあり。ウェルメイド。
ゴッドファーザーはジョン・フォードの
『三人の名付け親(3Godfather)』から取っているらしい。
(新宿松竹会館)

●『g@me』(井坂聡監督)
仲間由紀恵のキスが口元が艶かしく見えて、チューしたくなる。。。
藤木直人は下手っぴ。
渡辺一哉氏がウェイター役で出演している。セリフあり。
(新宿コマ東宝劇場)

●『ドッペルゲンガー』(黒沢清監督)
いつもの黒沢作品に比べて分かりやすいような気がする。
が、一筋縄には行かないのは確かで、単純ではない。
先が読めない展開。緊張感のあるショット。
どっかのサイトでレイダースのパクりと書かれていたが、
あれはプリズナーNo.6じゃないか?(新宿武蔵野館)

●『才女気質』(中平康監督)
表具屋の大坂志郎が良い。そのしっかり者の女房轟夕起子が上手い。
吉行和子が新人として出演していた。1959年作品。
イノダコーヒー旧館が出ている。(ユーロスペース)

●『街燈』(中平康監督)
傑作!南田洋子が美しい。美人だ。葉山良二が格好良い。
草薙幸二郎との決闘のシーンはぞくぞくする程の美しさ。
凄いっス!モダニスト中平を見た。
ラスト決闘の翌日、南田洋子との別れ際、
「次に会うときは髭を剃ってきてね」と言われ、
包帯を巻いた右手で顎を撫でると、口紅が着き、口を拭う。
二人は接吻を交わしていました。(ユーロスペース)

●『キル・ビル』(クエンティン・タランティーノ監督)
深作欣二に捧げられたこの映画だが、
同じく死ぬまでずーっと賛辞を惜しまなかったぼくから見ても、
ただの悪乗りに見える。笑ろたことは笑ろたが。。。
B級演出満開で楽しいのだ。
青葉屋でのクレイジー88との対決では血飛沫の嵐。腕が飛び、首が飛ぶ。
庭に出てのルーシー・リューとの決闘では
東映やくざ映画の最後の決闘よろしく雪の舞う中。
それにしてもルーシーの「ハラに一物お有りのようで」
なんていうセリフに苦笑。。。ソニー千葉が沖縄で寿司屋のオヤジ役。
服部半蔵の役名で裏の稼業が刀鍛冶。
エンドクレジットにかぶって梶芽衣子の「怨み節」。
しかし昭和館と違って誰も歌い出さない。。。(新宿ジョイシネマ)

●『黒い賭博師 悪魔の左手』(中平康監督)
66年。小林旭主演。荒唐無稽な博打映画。快作?
ジュディ・オングが少年役で出演。可愛い。。。(ユーロスペース)

●『若くて悪くて凄いこいつら』(中平康監督)
62年。高橋英樹主演。姫田真佐久撮影。
谷川俊太郎作詞の数え歌の主題歌が面白い。
高橋英樹、和田浩治、和泉雅子の生きが良い。(ユーロスペース)

●『危いことなら銭になる』(中平康監督)
62年。姫田真佐久撮影。傑作!
冒頭近く、『若くて悪くて凄いこいつら』の主題歌が歌われる。
宍戸錠、長門裕之、草薙幸二郎、それに加えて朝丘ルリ子の四人組大活躍!
それにしても朝丘ルリ子の可愛いこと!キュートである。
近付く矢印がめっちゃイケテる。(ユーロスペース)

●『おんなの渦と淵と流れ』(中平康監督)
仲谷昇主演、稲野和子。英文学者の妻、稲野和子が美しい。
三部構成で凄い見易い。夫の部屋を叩き、開けなさいよと
詰め寄る稲野が素敵に見える。(ユーロスペース)

●『砂の上の植物群』(中平康監督)
仲谷昇主演、稲野和子、西尾三枝子。
カルト作品らしいが、直前に見た『おんなの~』が凄過ぎて霞む。
しかし実験性が高く、興味深く見る。(ユーロスペース)

●『隣の女』(フランソワ・トリュフォー監督)
先週見た『逃げ去る恋』のようなコミカルさが無く、意外だったが、
これはこれで傑作だと思う。最後の「一緒にいるのはつら過ぎる。
でも離れられない」というセリフにぐっと来る。女は愛される資格を疑う。
合体しながら相手の頭を撃ち抜き、自分も死ぬ女の狂気に打たれる。
(ユーロスペース)

●『青春太郎』(中平康監督)
石坂浩二主演、山本直純音楽。67年製作。スタイリッシュだ。
大文字太郎(大文字酒造のお坊ちゃん)が世界物産という企業で活躍。
上司に伴淳三郎。酒井和歌子が可愛い。(ユーロスペース)

●『栄光への反逆』(中平康監督)
黒沢年男主演。70年製作。
少年院で三橋美智也に見い出された黒沢がファイティング・マシンになり、
ボクシングの世界チャンピオンに。しかしリングの上で二人殺していて、
北海道に百年亡者という砂金取りのお爺さんを探しに行く話。
松原智恵子が作り物の綺麗さ。田中邦衛、寺田農、など出演。
(ユーロスペース)

●『逃げ去る恋』(フランソワ・トリュフォー監督)
78年製作アントワーヌ・ドワネル物。傑作!
トリュフォーはお洒落でコミカルで、アントワーヌの運命は
どうにも手が施せなくて。。。
撮影にネストール・アルメンドロス。(ユーロスペース)

●『蛇イチゴ』(西川美和監督)
こいつは凄い!とてつもない新人監督の登場か?!
教室での生徒との嘘か誠かのエピソードがラストの蛇イチゴに繋がる。
手堅い。(シネアミューズ)

●『猟人』(中平康監督)
トンデモ映画と言えよう。この特集、出来るだけ足を運びたい。
(ユーロスペース)

●『私のように美しい娘』(フランソワ・トリュフォー監督)
とっても面白い。
男を乗り換えながら人生を切り開く悪女に踊らされる、男たち。
ユーモラスで見飽きない。(ユーロスペース)

●『ファム・ファタール』(ブライアン・デ・パルマ監督)
夢落ちだし、話はトンデモないが、そんなデタラメ加減を
忘れさせてくれそうな、デ・パルマ節炸裂。
デ・パルマのファンなら大いに楽しめ。(新宿武蔵野館)

●『座頭市』(北野武監督)
以下ネタバレです。面白い。
懸案のタップシーンは心配していたよりも不自然でなく、すっと入れた。
しかし市の目が見えるとは。。。
「目ぇかっ開いても、見えねえものは見えねえんだよな」のセリフは
武らしい。考えてみれば、案山子の位置を元に戻したり、
賭場でイカサマを見破り大暴れするシーンでは見た目の絵になるが、
盲目の市の見た目と言うのはいかにもおかしい。
つまりは蝋燭の火を切り落とし、真っ暗闇になったのに乗じて、
市は目を開けていたと言うのが正しい読み方だと思う。
黒沢の『用心棒』の焼き直しだが、しかし的屋の構造、
その場が出会いと腕試しの場であったことから西部劇の酒場を連想させる。
つまりは『荒野の用心棒』なのかもしれない。
分からなかったのが岸部一徳の死。(新宿ジョイシネマ)
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●『10日間で男を上手にフル方法』(ドナルド・ペトリ監督)
ケイト・ハドソンとマシュー・マコノヒーはどちらも好みではないが、
ここでははまり役。好感が持てた。ケイトなんて下手だけどね。。。
結構タイトに纏まっていると思う。見易い楽しい映画。
哲学的な映画よりも社会的な映画よりも、
ぼかあこんな楽しいだけの映画の方が好きなのだな。(新宿武蔵野館)

●『マトリックス・リローデッド』
(アンディ&ラリー・ウォシャウスキー監督)
ザイオンを含むリアルワールドと思っていた世界も仮想現実だった。。。
それにしてもマトリックスよりも、そのザイオンがあるところの世界が
イメージ出来ない。ザイオンとセンティネルの攻撃しかイメージ出来ない。
エージェント・スミスが変則要素として、フリーエージェント・スミスと
なってコンピュータ・ウィルス的に活躍。設計者(アーキテクト)の前で
救世主として選択し、新しい世界を再読込みするという意味でリローデッド
であるし、一作目の世界観を壊し、観客に新しい世界観を再読込みさせると
いう意味でもリローデッドだったわけだ。(新宿松竹会館)

●『過去のない男』(アキ・カウリスマキ監督)
カウリスマキなのだから良い映画であるのは当たり前。
主人公の男に生命力を感じる。
対してわしは何と生命力のない男か。反省する。(ユーロスペース)

●『ゲロッパ!』(井筒和幸監督)
面白い。西田敏之は達者なのだと感心する。
分かってはいたが、認めたくなかったのか。
しかし娘役の常盤貴子は下手。。。孫役の少女は上手い。
岸部一徳、山本太郎も良いなあ。
コートを自分で着られないやくざの親分とか、
思ったことをすぐに口にする西田と山本とか笑えた。
とっても面白いし、誰にでも薦められる。
しかし井筒も年老いたな。歯切れが悪い。(シネアミューズ)

●『HIRO(英雄)』(チャン・イーモウ[張藝謀]監督)
チャン・ツィイー[章子怡]=如月が可愛い。
マギー・チャン[張曼玉]=飛雪も良い女だが、チャン・ツィイーが好み。
映画は……芸術映画で見ていて綺麗だなと思ったわ。
特にこの二人の落ち葉が舞う中で闘う姿は滅茶苦茶綺麗。
如月が斬られて倒れると、黄色かった落ち葉が真っ赤に変わって行く。
あと世界自然遺産の九寨溝の矢竹海での水上での決闘も綺麗。それだけか。
(新宿ミラノ座)

●『10話』(アッバス・キアロスタミ監督)
流石にイラン映画の至宝。キアロスタミは上手い。
息子のアミン、恋愛中の若い女性(剃髪する)が素敵に映る。
単純だが良い映画だ。フィルムじゃないが。(ユーロスペース)

●『ベアーズ・キス』(セルゲイ・ホドロフ監督)
テレンス・マリックが脚本協力している。お伽話色が強くないのは好感触。
しかし大した映画でもないな。スローモーション多用し過ぎるし。。。
(シネセゾン渋谷)

●『茄子 アンダルシアの夏』(高坂希太郎監督)
自転車競技好きのぼくには涙が出る作品。黒田硫黄も好きだし。
実は先日のツール・ド・フランスのゴールスプリントを
パオパオビールを飲みながら観戦していたくらいなのだ。
ついでにクラフトワークの
『ツール・ド・フランス・サウンドトラックス』も購入。(新宿東急)

●『H story』(諏訪敦彦監督)
痛いわ。勿体無いわ。
『2/DUO』(97)『M/OTHER』(99)が良かっただけに。。。次に期待。
(テアトル新宿)

●『セクレタリー』(スティーヴン・シャインバーグ監督)
D/Sもの恋愛映画。
『ムーンライト・マイル』のジェイク・ギレンホールの姉、
マギー・ギレンホールが秘書リー・ホロウェイを好演!
弁護士ミスター・グレイ役のジェームズ・スペイダーもハマり役。
アル中の父親の励ましの言葉、「お前は神から授かった命の贈り物だ。
私から生まれたが、私とは違う。その魂と肉体はお前の物だ。
お前の好きにするがいい」に感銘を受ける。
美人とは呼べないリーの容姿と完璧からは程遠い裸が愛おしい。
ラストのリーのカメラ目線は『奇跡の海』?神と視線を合わせた?
(シネマスクエアとうきゅう)
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●『ライフ・オブ・デビッド・ゲイル』(アラン・パーカー監督)
最初に断っておくが、ぼくは死刑廃止論者だ。
が、そんなことはここではどうでもいい。面白かった。
ケヴィン・スペイシーが刑執行の朝リクエストした食事が、
息子にねだられたジャムとチョコレートチップスとホイップの乗った
ホットケーキだというのが泣かせる。
正直言ってワンアイデアで二時間引っ張れるかというと辛いものがある。
でもさすがに名監督。魅せている。
あざといか?いやいや、ケレンよ。
『プロフェシー』で婦人警官を演じたローラ・リネイが綺麗。
(新宿文化シネマ)
The_Life_of_David_G…

●『マイ・ビッグ・ファット・ウェディング』(ジョエル・ズウィック監督)
面白くないな。期待外れ。
主人公のトゥーラが何故、変身しようと決心したのか?
ギリシア人の堅持する文化との違いを描きたかったようだが、
ただの頑固親父が結婚に反対しているだけの話。
結婚の障碍なんて殆ど描かれているとは言えない。(新宿松竹会館)

●『プレイタイム』(ジャック・タチ監督)
ユロ氏ものの70ミリ映画。タチはこの映画の不評で破産になったとか。
空の映像から始まってアメリカからの一泊のパリツアーが到着。
その中のバーバラとユロ氏は近代的なビルの中で擦れ違いはするが、
出逢わない。その後、ロイヤル・ガーデンと言う店で
たまたまドアマンをしている戦友に会い、引きずり込まれ、
そこでバーバラとユロ氏はダンスを踊ることに。
一夜が過ぎ、空港行きのバスに乗る彼女にユロ氏は人づてに
スカーフをプレゼント。スカーフの下には鈴蘭が敷かれてあって、
街灯の形状と似ているのにニコリ。
最後はパリの街がメリーゴーランドを模して描かれる。
ドアの把手のギャグに笑う。上品。(ヴァージンシネマズ六本木ヒルズ)

●『人生は、時々晴れ』(マイク・リー監督)
良い映画だ。主人公フィルのティモシー・スポールが上手い。
彼だけじゃなくて、ペニーのレスリー・マンヴィル、
レイチェルのアリソン・ガーランドも、みんな上手いのだが。
隣の未婚の毋を演じるルース・シーンも特筆すべき。
映画を見ているという気が強く感じられた。
それにしても原題はALL OR NOTHINGなのに、この邦題は何?
センスなさ過ぎ。(日比谷シャンテシネ)

●『あじまぁのウタ 上原知子─天上の歌声』(青山真治監督)
照屋林賢率いるりんけんバンドで88年からボーカルを担当する
上原知子のドキュメンタリー。民族音楽好きのぼくで、
沖縄民謡は好きだが、りんけんバンドが好きとは言えず。
しかし上原知子の魅力は痛いほど分かった。凄みさえ感じた。
撮影はたむらまさき。(テアトルタイムズスクエア)

●『ミニミニ大作戦』(F・ゲイリー・グレイ監督)
シャーリーズ・セロンが魅力的。。。
『猿の惑星』のマーク・ウォルバーグのリーダーは
華が無いと言えなくもないが、盗みをしても汚れないキャラで
良いんじゃないかな。かなり良く出来てる。
タイトに仕上がっていると感心。佳作。(新宿文化シネマ)
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●『ムーンライト・マイル』(ブラッド・シルバーリング監督)
婚約者を亡くした男が、そのまま義理の両親と一緒に暮らし出す中で、
新しい人生に踏み出すまでの物語。良い映画。
冒頭、海を泳ぐ人が左から右に移動して行くと、
主人公のジョーが右から海面を歩いて登場する夢。
危うい場所を歩き出して戸惑っていて、
いつ落ちてもおかしくない状態の隠喩?
ラスト、ローマに新婚旅行に出るはずだったジョーは
家中にイタリア語の付箋を貼っていた。
新しい恋人(エレン・ポンペオ)と二人で乗り込んだ車の天井には
「cielo」と書いてある。二人の指がその付箋に触れる。
二人は天に触れた→楽園の安らぎを得たのだ。
バーティ役のエレン・ポンペオが堂々とした演技で
オスカー俳優陣に負けていない。買い。(新宿武蔵野館)
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●『トーク・トゥ・ハー』(ペドロ・アルモドバル監督)
物語はピナ・バウシュの「カフェ・ミュラー」で始まり、
「炎のマズルカ」で終わる。「カフェ・ミュラー」では
男が女を傷付けまいと、彼女の動く先にある障害物(椅子)を
次々と除けて行く。このバレエの一場面が映画の全てを象徴している。
劇中に登場するカエターノ・ヴェローゾの歌声に痺れる。
物語は交通事故で植物状態のアリシアとその介護をするベニグノ、
女闘牛士のリディアとジャーナリストのマルコの二組の男女の間で
繰り広がる。ベニグノがアリシアに施す愛は倒錯している。
美しく描いてあるが。この美しさはアリシア(レオノル・ワトリング)の
身体の美しさに拠っていると思われる。
劇中に登場するサイレント映画『縮みゆく恋人』は可笑しい。
冴えている。(テアトルタイムズスクエア)

●『ボウリング・フォー・コロンバイン』(マイケル・ムーア監督)
世界最大の武器メーカー、ロッキード社の工場があるミシガン州
リトルトンのコロンバイン高校で、99年4月クリントンがコソボへの
大規模な攻撃を行ったその日、男子生徒2名がライフルを乱射し、
13名の生徒と一名の教師を射殺した。その事件を発端に、監督は
アメリカにおける銃の被害者の異常な多さの謎を解こうと考える。
初期の電波少年を思い出す。小気味良いリズムで映像が繰り出される。
見易い。クリス・ロックの冒頭の「弾が1個5000ドルだったら、
むやみやたらに撃って人が死ぬこともないだろうな」っていう
ジョークは冴えていると思った。(新宿東映会館)

●『六月の蛇』(塚本晋也監督)
思った以上にHな映画だった。
塚本らしい都市生活者の満たされない孤独が描かれるが、
珍しく真正面から性を扱っている。
この人の作る画面にはいつもながら力が漲っていて、圧倒される思い。
キャスティングが上手い。ただただ面白い。(シネアミューズ)

●『ギャングスター・ナンバー1』(ポール・マクギガン監督)
若きギャングスターを演じたポール・ベタニーの暗く鋭い眼差しが
魅力的だ。彼が若き殺し屋として出演していた『キス★キス★バン★バン』
と同じジョン・ダンクワースの作曲で、お洒落な音楽の使い方だった。
作中、印象的に使われるトニー・ベネットで有名な“The Good Life”だが、
ここではニール・ハノンが翳りと哀愁を帯びた歌声で歌い上げる。
この歌声は、主人公の持つ陰に上手く重なっていると思われる。
(シネマライズ)

●『めぐりあう時間たち』(スティーヴン・ダルドリー監督)
20年代イギリスのリッチモンドで『ダロウェイ夫人』を
執筆し始めるヴァージニア・ウルフ(ニコール・キッドマン)と
50年代日々の生活に不安を抱えるローラ・ブラウン
(ジュリアン・ムーア)、2001年ニューヨークで編集者をする
クラリッサ・ヴォーン(メリル・ストリープ)の三人の女性を
上手く繋いでいる。編集が上手い。
クラリッサと言う女性は『ダロウェイ夫人』の主人公そっくり。
その古い恋人で自殺することになるエイズ患者はローラ・ブラウンの
息子だった。花を花瓶に活ける行為を時間を越える手掛かりにする編集は
目新しくはないが、綺麗に思えた。
ニコール・キッドマンはその姉に、ジュリアン・ムーアは
隣人のトニー・コレットに、メリル・ストリープは同居人の
アリソン・ジャネイに口づけをする。
同性愛で時代を越えて繋がってもいる。
ニコール・キッドマンの鼻はヴァージニア・ウルフに似せるための
付け鼻だという。彼女のファンとしては似ているなんて
貧乏臭いリアリティなんてどうでも良いから美しいニコールと
会いたかった。クレア・デインズを久々に見られたのが救い。
(聖蹟シネサイト)

●『ぼくんち』(阪本順治監督)
映画の観月ありさは初めて観たが、思ったより不細工だった。
しかしとっても魅力的な女だった。阪本順治の描く女にぼくは弱いのだ。
かの子(観月)が水平島に来て早々、二太(田中優貴)に箸の持ち方を
教えようとすると一太(矢本悠馬)は「食えりゃええんじゃ」と
突っ込んで反抗の姿勢を見せた。
また、ピンサロに出勤しようとするかの子を見て
二太が夕飯のしゃぶしゃぶの鉢を投げ捨てたので、
かの子が叱ると二太は泣きじゃぐる。
かの子は泣くなと言い、「泣きたいときは笑え」と教えた。
しかし一太は「泣きたいときは泣けばええんとちゃうんか」と反駁し、
かの子を黙らせてしまった。
ところが、一太が車の誘導を失敗してシンナーの瓶を壊してしまい、
コウイチ(真木蔵人)に厳しく躾けられているとき、
かの子は乗り込んで来て、「そんなもの、あたしのまんこで
いくらでも弁償してやるわ」と威勢良く助っ人に入る。
そんなかの子に初めて一太は「一人で生きていけるようになりたい」と
抱き着いて甘えるのだ。
一太は勤め帰りのまま畳に俯せて寝入る姉のぼろぼろの靴を見て、
「足下ぐらい気にせえよ」と言い、赤い靴を差し入れる。
それほど姉を気にし、慕っていたのだ。
かの子は同僚に少し大きいのを指摘されても
「つま先にティッシュを詰めれば良いんや」と古い靴を捨てる。
そのかの子が二太に贈った赤いリュックも
子供が背負うにはサイズが大きい。
彼女の夢か希望か、託したい何かの大きさが知れる。
孔雀の求愛のダンスを踊る観月ありさの掌の使い方に涙が止まらなかった。
もちろんバイプレイヤー志賀勝は良かった。
観ていて物語のぎこちない運びに鈴木清順を思い出した。
2003年のベストは『SWEEET SIXTEEN』かと思っていたが、
早々にそれを越える傑作を観る事が出来た。(シネスイッチ銀座)
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●『ロスト・イン・ラマンチャ』(キース・フルトン&ルイス・ペペ監督)
テリー・ギリアム監督のドン・キホーテの映画化が
一週間の撮影で頓挫するまでのドキュメンタリー。
映画作りの大変さを伝える。
しかしどんな映画の撮影現場もこれに劣らず大変なんだと思うよ。。。
それに、ぼくはテリー・ギリアムの完成させた映画が見たいだけなのよ。
再び出資者が出てきて軌道に乗ったのなら、それを見れば良いのだわ。
しかしこの映画に引用された
オーソン・ウェルズの『ドン・キホーテ』の映像には圧倒された。
不完全でも見てみたいものだ。(シネアミューズ)

●『星に願いを。』(冨樫森監督)
メジャー第一作。『ごめん』で感心したが、今回はやや甘過ぎるか???
竹内結子は上手い女優だが、近付き過ぎた感がある。
彼女を使うという意味では、
『黄泉がえり』の塩田明彦の方が勝っていただろう。
笙吾(吉沢悠)が交通事故で視力を失い死んだ方が良かったと言ったとき、
奏(カナ・竹内結子)が体罰と共に笙吾を叱咤する。
二度目に交通事故で命を失ったとき、
笙吾を好きになっていた奏はショックでどうすることも出来ない。
一度目には彼を助けるために、獅子奮迅の活躍をしたのに。
この対比が上手い。
吉沢悠は下手。(新宿文化シネマ)

●『アカルイミライ』(黒沢清監督)
分からない。が、面白い。
そんなんで良いのかと思いながらも、それがぼくの現実。
わけは分からなくても、隅田川に大量発生するアカクラゲは痛快だし、
エンドクレジットで表参道を始めブラブラだらしなく歩く高校生たちが、
次第にしっかりと、足取りを確かにして行く姿は気持ち良い。
しかしオダギリジョーを藤竜也が抱き締めて「わたしは君を許す」と
言う姿には鼻白む。
黒い部分が真っ黒で、彩度が低い色調。面白い絵だった。
おしぼり工場の社長を演じる笹野高史が上手いなあ。
『許されざる者』でも良い演技をしていた藤竜也はここでも良いです。
「言い過ぎちゃったよ」とうろたえてオダギリジョーを追いかける彼が
可愛いらしい。衣装の北村道子がオダギリジョーに着せる
ぼろぼろの服が格好良い。(シネアミューズ)
アカルイミライ.jpg

●『ネメシス/S.T.X』(スチュアート・ベアード監督)
ぼくの無敵のデータが死んでしまった。
弔いのウィスキーを飲む追悼式の後、
艦長はB-4にデータが犠牲になったことを告げる。
するとB-4はライカーとトロイの披露宴でデータが披露した
アーヴィン・ヴァーリンの歌を歌う。
失敗だったと思われたデータの記憶の移植は成功していたのか。
作品としては、SFらしいアイデアとか
ヴィジュアル的な魅力に欠乏していて新鮮味は無い。
ピカード艦長のクローンであるシンゾンは強敵。
"Nemesis"の語源はギリシャ神話に登場する『応報天罰の女神』。
転じて「かなわない相手、強敵、天罰、罰を加える人」等の意味の
一般名詞として使われているらしい。
シンゾンの乗り込むウォーバード「シミター」の偽装シールドが完璧で
手も足も出ない。で、われらがデータが犠牲になった。
戦闘シーンがメインになっているようで、
人間ドラマ的なストーリー展開は望むべくもない。(新宿オデオン座)

●『blue』(安藤尋監督)
魚喃キリコの原作が大好きなぼくだが、
ここは原作とは別の映画として見て、良い出来だと思う。
市川実日子と小西真奈美、今宿麻美のキャスティングが良い。
それだけで、もう勝ちって感じ。
桐島(市川実日子)は遠藤(小西真奈美)に近付きたかったからと、
合コンで初めて会った男とホテルに行き、
セザンヌの画集を穴が空くくらいに眺める。
お互いに相手を大切に思っているが、擦れ違う若い思い。
海岸沿いのバス道路を二人朝まで歩き続けるシーンが良い。
中野(今宿麻美)が綺麗。
ラストの遠藤が東京の桐島に送ったビデオレターで
沖にズームアップして終わるのは、今も波間を彷徨う遠藤の叫びか。
桐島は助けに来るだろう。そしてそっと透明なキスをするだろう。
(シネアミューズ)
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●『シカゴ』(ロブ・マーシャル監督)
最近のミュージカルはダンスシーンの編集で
音楽に合わせて細かくカットを繋ぎ、盛り上げる。
編集技術に騙されてしまっている気もするが、
40年代のミュージカルとは比較しても仕方ないのだろう。
キャサリン・ゼタ=ジョーンズがとにかく迫力の歌と踊りで魅せる。
対してレニー・ゼルウィガーはキュートな表情で魅了する。
特にリチャード・ギアが腹話術師に扮してロキシー(レニー)を
操るナンバーでの表情はサイコー!
ぼくはどうあってもミュージカルが好きなのだ。点数も甘くなってしまう。
ロキシーが新聞で自分の事件を大きく報道され、
一躍有名人になって舞い上がって踊る「ROXIE」という曲では
『ムーラン・ルージュ!』でも引用されたマリリン・モンローの
『紳士は金髪がお好き』のスタイルが踏襲された。
撮影監督は『リベリオン』と同じくディオン・ビーブ。(新宿松竹会館)
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●『小さな中国のお針子』(ダイ・シージェ監督)
小さなお針子は孕まされているのだ。
ルオはどこまで責任を負えたのか?ぼくは無責任に過ぎると思う。
それなりに成功した後のルオとマーが
懐旧の思いに耽る姿が脳天気過ぎると思う。(ル・シネマ)

●『人斬り銀次』(宮坂武志監督)
夏八木勲が相変わらずのカッコ良さ!
カッコ良くない夏八木勲なんて見たこと無いけど。。。
つぐみは眼差しが良いんだなあ。ぼくは大好きなのでっす。
他にも石橋蓮司、鶴見辰吾、古尾谷雅人、麿赤兒など
良い役者が脇を固めています。古尾谷は遺作で首相役だ。
しかし冗長な感があるのは否めない。(新宿東映会館)

●『青の炎』(蜷川幸雄監督)
思ったよりもしっかりしているなあ。
もっとコテコテの演出かと思って心配したが、
上手く仕上げていると言える。が、それまで。。。
中村梅雀が良い味を出している。
帰り道、♪ちょ~っと、き~んさん、名調子ぃ~♪と歌ってしまう。
(新宿武蔵野館)

●『リベリオン』(カート・ウィマー監督脚本)
何処かで見たようなディストピアSF。
『メトロポリス』『1984』『華氏451』『未来世紀ブラジル』
『ブレードランナー』『ソイレント・グリーン』『マトリックス』
『マイノリティ・リポート』思い付くだけでも、
こんな映画たちと通底する気がする。と考えると、
この映画は祝福されているのか。
しかし笑ってしまうな。。。B級映画として楽しむことは出来るが。。。
『奇跡の海』で見えないものを見ていたエミリー・ワトソンが、
ここでも目に見えない自由とか愛とかを見つめている。(シネマミラノ)

●『許されざる者』(三池崇史監督、武知鎮典脚本)
藤竜也が良い。格好良いだけで下手だった彼だが、上手くなったなあ。
三池監督らしいパワー溢れる逸品だが、らしくないのが二時間半って尺ね。
あとフィルムで撮った方が見易いだろうなあと思う。
石橋蓮司の二役は良い掛け合いだったなあ。
びっこを引く殺し屋に平田満、組織に情報を垂れ流す公安警察に
松方弘樹という配役も良い。(シアター・イメージフォーラム)
許されざる者.jpg

●『歓楽通り』(パトリス・ルコント監督)
映画らしい映画でした。
プティ・ルイが身代金を娼婦たちから集めて
ルーマニア人との取り引きに行くと、橋の上に車が待っていて、
下を蒸気機関車が通ったのか蒸気が右から左に流れる。
この絵が素敵だった。揺れるカメラ。(シネマライズ)

●『カンパニー・マン』(ヴィンチェンゾ・ナタリ監督)
先が読めなくて、映像センスも楽しめるのだが、見終わっての感想は、
こじんまりしているなあって。。。(渋谷シネパレス)

●『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』
(スチーブン・スピルバーグ監督)
オープニング・タイトルのアニメーションが格好良い。
それだけでワクワクしてしまう。
レオナルド・ディカプリオは『ギャング・オブ・ニューヨーク』より、
トム・ハンクスは『ロード・トゥ・パーディション』より
役柄に嵌まっている。前作がミスキャストだっただけだが。
そしてクリストファー・ウォーケンの父親も魅力的。
スピルバーグは肩の力が抜けて、軽やかな作品に仕上がっている。
物語の節目にクリスマス・イヴを持って来て、上手いなあと感心。
(立川シネマシティ)
キャッチ・ミー.jpg

●『グレースと公爵』(エリック・ロメール監督)
絵画が動くって感じで不思議な体験でした。
革命時の貴族の生活と言うのは想像し難かったので、勉強になりました。
ぼくはロメール好きですが、現代ものの方が好きなようです。
『レネットとミラベル四つの冒険』がまたスクリーンで見られるそうです。
それが嬉しい。(シアター・イメージフォーラム)

●『女はバス停で服を着替えた』(小沼勝監督)
戸田菜穂の初主演作。彼女は綺麗だが、ただのふるさと映画。。。残念。
(ユーロスペース)

●『天国の口、終わりの楽園。』(アルフォンソ・キュアロン監督)
17歳のテノッチとフリオが人妻のルイサを誘い出し、
「天国の口」というビーチを目指すロードムービー。
セックスのことしか考えていない二人のガキが、
癌を患うルイサを巡って成長を果たす。
しかし人間と言う生き物は何故にこうも恋人を所有したがるのかな?
パートナーの裏切りを知って泣く姿を見てはいつも馬鹿馬鹿しくなるが、
可愛い生き物だとも思う。
「人生は海の波のようなもの。逆らっては駄目だ」というセリフは
その後、難病に負けて死を迎える彼女の人生を思うと切ない。
それにしても男というものは、どうしても女には勝てないのだなあ。。。
女という性の受容する姿に神々しさを感じる。
ほぼ全編馬鹿騒ぎをしているが、観賞後は寂しさを感じる。
ナレーションが効果的。(目黒シネマ)
天国の口、終わりの楽園。.jpg

●『トランスポーター』(コーリー・ユン監督)
お気楽な映画だ。馬鹿馬鹿しい映画だ。
だから物語の最初で主人公ジェイソン・ステイサムが
自分のルールに極めて厳格であることが説明されているにも拘わらず、
何故にスー・チーの閉じ込められたバッグを開けたかなんて
突っ込んでも意味がないし、ハデなカーアクションの後、
解放されたコンテナの中の400人の人達がけろりとしているなんて
突っ込んでも意味がない。
突っ込むべきは、後半十人並みのアクションに堕してしまったということ。
運び屋という特殊な職業を物語に活かし切れなかったと言うこと。
制限時間内に幾多の妨害を乗り越えて、
何かを何処かへ運び切るというクライマックスこそ
相応しかったはずだと思うわけです。
(聖蹟シネサイト)貸し切りだった!

●『ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔』(ピーター・ジャクソン監督)
前作と同じく長い。異常に長い。
滅びの山を目指すフロドとサム。
ウルク=ハイに攫われたピピンとメリー。
それを追うアラゴルン、レゴラス、ギムリ。
と、三パートに分けて物語を進めてまとまりがあるし、
見せ場も盛り沢山なのに、この長さが全てを台無しにしている。
(立川シネマシティ)

●『ロベルト・スッコ』(セドリック・カーン監督)
カートやアンドレという名を名乗るこの主人公の無差別殺人の動機を
理解することは出来ない。映画の最後の方で、イタリアで身柄を
拘束されたロベルトが、過去に両親殺しの罪で逮捕されたが
精神異常の診断を受け医療刑務所に入っていたことが明らかになり、
動機なんて理解出来っこなかったんだと納得した気になる。
ロベルトの狂気を向こう側に追いやって安心する。
自分の中に同じような狂気なんて無いことにして。
映画の中で主人公が人を殺めるシーンはごくごく少ない。
次々と強奪した車を乱暴に乗り回す姿ばかり描かれていたような気もする。
検問を突破して逃げるこの車の疾走が彼の生の証明だ。
見ていて瀬々敬久監督の『HYSTERIC』を思い出した。
そう言えばこちらも実話を基に構成されていた。
千原浩史も良かったが、こちらのステファノ・カセッティも良い。
(シアターイメージフォーラム)

●『戦場のピアニスト』(ロマン・ポランスキー監督)
ユダヤ人の抵抗やワルシャワ蜂起を美化し、英雄化することなく、
客観的にエピソードを重ねている。シュピルマンは同胞を裏切る
ユダヤ人警察に命を救われるし、彼を助けるドイツ軍将校も登場する。
善悪を問うているわけではないように感じた。
どんなに醜い姿になっても「生き延びた」ということをこそ
重い価値で描いている。逃亡を続けるシュピルマンは
ずっと閉塞感のある画面で捉えられていたので、
ドイツ軍撤退後の見渡す限りの廃虚を彼が彷徨う映像に唖然とする。
エンドクレジットの鍵盤の上を躍動する主人公の手に生きる力が漲って
いた。
しかし面白いとは感じなかった。双子のおじさんにダマされちゃいけない。
(聖蹟シネサイト)

●『ケス』(ケン・ローチ監督)
69年製作。ハヤブサのケスに対する少年ビリーの愛情が切ない。
幕切れが鮮やか。傑作です。(新宿武蔵野館)
ケス.jpg

●『ボーン・アイデンティティ』(ダグ・リーマン監督)
マット・デイモンのアイデンティティ喪失の葛藤が描き切れていなかったので、
ハッピーエンドも中途半端に感じる。(新宿スカラ)

●『SWEET SIXTEEN』(ケン・ローチ監督)
ケン・ローチ最高傑作。
ラストの「バッテリーが切れそうなんだ」というセリフにグッと来る。
(新宿武蔵野館)
SWEET SIXTEEN.jpg

●『猟奇的な彼女』(クァク・チェヨン監督)
チョン・ジヒョンが滅茶苦茶可愛い。
良い映画だと言える。
(シネマスクエアとうきゅう)
チョン・ジヒョン.jpg

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