二重偽装家族
父はボディーガード勤務
母は同じ会社のパートナー
兄はフリーターで肉体系ばっかりやってる、しかも危ない系
俺も幼い頃からオヤジから教えられた最低限の護身術を身に付けている。
最低限と言ってもこんな家族なのでそれなりに強いのだが、
それはさておき、俺は学生。
夏休みでここぞとばかりにだらけてばかり
最近新作ゲームを買ったので、深夜までやって昼まで寝てる。
だが、俺も一日休んでいるだけではない。
ある時期から突然と来た客を追い払っている
そいつらは一日中家を狙っていて、
俺の担当は1人になる昼から真夜中にかけて守っている。
去年の11月、両親の共通の友人が死と代わりに送り届けてきた遺跡の宝
しかも今まで世間で見つからなかったとされてた幻の宝
それを家で預かった翌日から家の周辺で強盗（無数）と一家（4人）の争奪戦
が切って落とされた。
今日はいつもと違った客（強盗）がやってきた。
なんでも宝を盗って来たオヤジの親友の娘だと言う。
だがこういう手は何回もあったので、信用できねぇ・・・。
しかし、そいつは証拠に父からの手紙を預かってきたという。
早速見てみるが、俺はオヤジの親友の文字質がわからず、
しかもこの国とは違う文字だ。
どうやらオヤジの親友は外国人らしい・・・。
何にも判らないので、次の日に来てもらう事にした。
娘候補が帰って、あとに疑問に思う事が一つある。
なぜ親友は直接その娘にこの宝を送らなかったのか？
その夜真夜中に帰ったオヤジにこの手紙を渡し調べてもらったその結果は―
―――――
次の日ある程度客（二度目だが、強盗）やバカなコスプレ軍団（変装して盗もうとした奴）をぶっ倒した所に
また娘がやってきた。
そこでも疑問に思う、
オヤジの親友は外人なのはずなのに、こいつはどうみても日本人
この事を聞いてみたところ養子と一番定番な理由を出してきた。
まぁそいつはかなり（ここ重要）動揺してたけど。
でも昨日オヤジに言われた通りに宝を渡す。
宝を見た瞬間アイツに気付かれずに顔を見たら、やっぱりあいつはあの顔
で、
受けとった娘は涙を流しながらお礼を言ってそそくさと帰っていった
証拠品の手紙は「オヤジに宛てられた物だから」と言って置いて行った。
あぁ、これでやっとめんどくさい日から開放だ・・・。
オヤジも母さんも兄貴も家族（俺）のために金を稼いでくれるよ。
オレも安心してゲームできるし、寝れるし
今まで出て行く直前に起こされるんだもん、徹夜寝には辛いよ。
しかし、あぁ・・・終わったぁ・・・・・
「任務完了したわ」
「よくやった！でかしたぞ！これで億万長者だ！遊んで暮らせるぞ！！！」
「それにしてもバカよね、あんな手紙だけで信用しちゃうなんて」
「あぁ、無名の採掘者だったのが辛かったが、調べたら出てくる出てくる
おかげで楽だったぜ、手紙も遺跡の崩落と同時に見つからなかったって話だ
けどな！」
「しかし、これ程のお宝守ってるくせに身体だけ鍛えて頭は駄目駄目だったのね」
今はオレはこいつらの会話を聞いている、俗に言う盗聴って奴だ。
そしてオレの手には本物の宝と本物の手紙が握られている。
この夏、俺たち家族は日に日に増大になっていく客（何度も言うが強盗など）の数に参っていた。
ただでさえ両親の仕事はハードスケジュールなのに
本当はこんなやつらにかまっていちゃいけないんだが、
オレと兄貴だけじゃ心配だからって毎晩遅くに帰ってくる。
そこで今回の提案が出た。
調度いいから押し付けちゃおうという理由で、
オヤジが裏に手を廻し、この業界では大手のレプリカ作りのエキスパートに
速攻で
この宝のレプリカを作ってもらった。
ソレをあの偽娘に渡して我が家は一件落着。そしてあいつらはＧＯ ＴＯ ＨＥＬＬ
しかしいくら本物そっくりのレプリカだって分かる奴には判っちまうソレが本物の宝って奴だ。
娘がいるって情報バレてきたな・・・・まぁ絶対に嘘だけどね。
なぜかって？オレ、いや私が本当の教授の娘だから。
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