たどりつけるまで・・・。

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2011/05/16
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大阪家裁に一緒に行ってきました。



 薬物更生団体として、社会に貢献したい、そういう目的から、



家裁に申し出て、いろいろと話があって、担当の方と面談の時間を設けていただいた。



 このたび、担当の調査官は、17年前、わたしが3度目の逮捕時にわたしの担当調査官だった



先生だった。



 わたしは十代の時、4度逮捕された。その4回とも鑑別所で調査官が付き、面談され、



なにかと調査された。



 調査官というものは、担当少年を少年院に送る、送らないの調査をし、意見をする立場の人で、







下手したら、自分を少年院に入れる敵のようで敵でない。敵でないようで敵になってしまう、そんな職業なのかも



しれない。




 3度目の鑑別所で担当調査官だった、M先生は、わたしが少々読書が好きと知ってか知らずか、本の話など、



結構してくれたように記憶している。



 わたしは太宰 治が好きだったから、太宰がどうのこうのとか言ったと思うのだが、M先生は、



そういう読書の話で心を掴んでくれて、吉本ばなな、いいわよと自分の私本で、名作「キッチン」を



貸してくれた。今まで、私本を持ってきて貸してくれた先生は初めてだった。



わたしはその吉本ばななのキッチンを真剣に読んだ。



キッチン、うたかた、サンクチュアリ、そういった短編もその本に含まれていたように思う。



その時、たいそう感動したが、内容は、今はほぼ覚えていない。(今度時間作って古本屋で買って読んでみたいと思うが)



犯罪を犯して収容されている人間としてでなく、一人の人間として扱ってくれて、その少年の興味を持っているこ







思う。だから、この先生には心を開いたんだなあと。




 残念なことかもしれないが、そのあと、わたしは再犯し、19歳で4度目の鑑別所送りとなった。



しかし、わたしはこういう大人を自分が知れたこと、それは自分の財産だと感じていたように今となって思う。



 少年院の中でもこの先生に手紙を書いたし、先生も返事をくれた。



少年院を出て神戸に移り住んでいた時、この先生が神戸家裁に転勤したと聞いて、







 元・非行少年とその元・担当調査官。会っていろいろとお茶でも飲みながら、昔、鑑別所の中で長い時間面接し



てもらったように、いろんな話をして、聞いてもらいたいと思うが、そうは、いかない。家裁としてはよろしくないこと



なのかもしれない。



あいさつもそこそこに、気を使って私は立ち去った。それが15年前のこと。



 それから、時々、3~4年に一回は、そのM先生の転勤先などを聞いては、職場に近況報告の電話を入れた。



つい、2~3か月前も電話で近況報告をした。



 おそらく、はじめて、17年前、M先生がわたしにしてくれたこと。そのことで自分にどういい影響があったのか。



そういう話を少しさせていただいた。



でも、野田くんは再犯したから、わたしがなんか役に立ったのかな?



そういった質問を先生はされた。



そりゃあ、先生は役に立ちまくってますよ。みたいなことを言った。




 今、自分がしている仕事。その仕事上心がけることで影響されていること、それはM先生から影響されていることがある。



それは人と接するとき、職域を越えて相手と対峙するということ。ある程度のことならだれでもできる。



でも、相手のふところに飛び込み、人の心を打つのは、職域を越えるときにおこるのではないかと、わたしは考えている。



 別に調査官が、自分の私本を持ってきて、少年に貸すのは悪いことではないかもしれないが、場所は鑑別所だけに目は厳しい。わたしを担当し



てくれた4人の調査官の中で、そんなことをしてくれたのはその先生だけだった。



小説・文学は太宰 治だけが面白いのではない。ほかにも面白い本はたくさんある。そのことも教わった。



 思い出話だが、3度目の鑑別所を出て、試験観察在宅処分になったとき、家裁の面接室で、母と親子喧嘩した



とき、先生は、わたしと母の手をグッと掴んで、喧嘩の仲裁をしてくれた。



その時の先生の真剣な、ちょっと悲しそうな目が思い浮かぶ。



 私は神 イエスキリストを信じることを通して、人生の生き方が変えられた。確かにそうだ。



でも、わたしの人生にこういう先生との出会いで、心を温められもし、今のわたしが形成されている。



そのことを、神に感謝している。



・・・・・・・・・・・・



今日は先生と17年ぶりに会ったが、お元気そうで嬉しかった。



こんなに立派になってと堅く握手してくれたが、



久しぶりに素直に自分の成長を認めることができた。



 この先生との出会いは、わたしにとって特筆すべき出会い、わたしにとって、



心の財産であるといつか、伝えることが出来たらうれしいが・・・。














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Last updated  2011/05/16 11:37:03 PM コメントを書く


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