━『MADREDEUS』




○o。リズボンに捧ぐ!第一弾!。o○
ヴィム・ヴェンダース監督作品『リズボン物語(1994)』とリスボンの風マドレデウス



監督 ヴィム・ヴェンダース 脚本 ヴィム・ヴェンダース
音楽 マドレデウス/ユルゲン・クニーパー

出演 リュディガー・フォーグラー/パトリック・ボーショー



音楽・出演[マドレデウス]

テレーザ・サルゲイロ<Teresa Salgueiro>(vo.)
ペドロ・アイレス・マジャルハス<Pedro Ayres Magalhães>(g.)
ロドリゴ・レアオ<Rodrigo Leão>(k.)
ホセ・ピショット<José Peixoto>(g.)
ガブリエル・ゴメス<Gabriel Gomes>(accordion.)
フランシスコ・リベイロ<Francisco Ribeiro>(cello.)



「SOS、サイレントでは続けられなくなった。録音機材をもってリスボンに来てくれ」
親友の映画監督フリッツから届いた絵はがを受け取った録音技師のフィリップ・ウィンター。ベッドから落ちて足をくじき杖をついていたフリッツだったが、足の怪我をおして車でドイツからフランス、スペインを経てポルトガルへと、国境のなくなったEU大陸を車で走り抜ける。ヴェンダースのロード・ムービーの新たなる出発だ!
ようやくの思いでリスボンに辿り着きフリッツを訪ねるが、家にフリッツはおらず失踪?していた。部屋に残された編集機に手つかずの撮影済みフィルムが残されていた。サイレント時代の手回し木製パルヴォ型カメラで撮影された、今世紀初頭のような映像で、リスボンの市電や駅の構内が撮されていた。



どこからか、不思議なほど美しい歌声が響いてくる。テレーザが歌い、ペドロをリーダーとするマドレデウスのグループが同じ家の中でリハーサルをしていたのだった。フリッツの映画のための音楽だったが、長いコンサートツアーに出発しなければならないという.....。



フィリップはフリッツのサイレントのフィルムにつけるべく街に音を探しに出かけるのだった。指向性マイクと録音機材を持って街のざわめきや教会の鐘の音、狭い坂道を走る路面電車の音、川を行く船の音、飛び立つ鳩の羽音....リスボンのさまざまなサウンドスケープを採録してゆく。やがて謎の少年リカルドに導かれるまま、フィリップはフリッツの足跡をたどり始める・・・・・。



映画監督フリッツは、報道カメラマン役のバスター・キートンが手回しの撮影機を抱え、どこでも行き、何でも撮ってしまう『キートンのカメラマン(1982)』にインスパイアされて一人で撮っていたが、音無しでは続かなくなっていたのだった。



ある日、カフェにいたフィリップの耳に突然フリッツの声が聞こえる。背中にビデオ・カメラをつるして撮影しているフリッツがそこにいた。彼は、もはやファインダーさえ覗かずに撮影していた。後を追ってフリッツをつかまえると「映画の撮影はとっくに断念した。返事がないので君は来ないものと思っていた」と言う.....。

「君はイカれてる。脳天気ヤロー。フリッツ、本当にイカれてるぞ。幼稚な映像に迷わされて袋小路の壁に頭をぶつけてるんだ。振り返って自分の目を信じろ。背中に目はないぞ。あの古い手回しカメラを信じろ。あれは今も映画を撮る力を持っている。価値のないゴミ映像を作るのは人生の無駄だ。君のハートで価値ある映像を創れるはずだ。魔法のセルロイドの上にね」
手回しカメラをもったフリッツと録音機をもったフィリップの二人はリスボンの街で大騒ぎをしながらまた二人で映画を作り始める…。

屁理屈のような映画が続いたヴェンダース(笑)の映画100年を記念したお祝いの「映画についての映画」で、陽光きらめくリスボンの明るい陽ざしの中で、肩の力を抜いて初心に帰り、映画を撮ることを楽しむ、その思いが画面にあふれているようなロード・ムービーです。ポルトガルの巨匠監督マノエル・デ・オリヴェイラが本人役で特別出演している。



■ヴィム・ヴェンダース(Wim Wenders)■
1945/08/14 ドイツ/デュッセルドルフ生まれ。
本名はErnst Wilhelm Wenders。ミュンヘン大学在学中に何本か短編映画を作り、卒業製作で「都会の夏」を発表。その後ニコラス・レイ監督のアシスタントを務め、72年ペーター・ハントケの実験的文学作品をテレビ映画化した「ゴールキーパーの不安」でデビュー、75年「まわり道」などを発表。77年の「アメリカの友人」がヒットを収めると、彼を評価したコッポラが「ハメット」の監督に抜擢。だが、ハリウッドのやり方やコッポラと折りがあわず、作品は失敗。84年カンヌ国際映画祭パルムド ール大賞を受賞した「パリ・テキサス」でロードムービーを代表する映像作家として評判となり、87年カンヌで審査員特別賞を受賞した「ベルリン・天使の詩」で独特の映像感覚を発揮した。他に、「夢の涯てまでも」、「時の翼にのって/ファラウェイ・ソー・クロース!」、「エンド・オブ・バイオレンス」などを発表したが、評価がかなりわれる結果におわり停滞したが、「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」で成功を収め新境地を開いた。小津安二郎を師と尊敬していることでも知られており、小津安二郎の見た東京を自分の目で見るために、『東京画』(85)という厚田雄春や笠智衆のインタビューをフィルムに収めたドキュメンタリー・タッチの映画も作っています。

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■歌姫・テレーザ・サルゲイロ/Teresa Salgueiro■



■マドレデウス/Madredeus■

マドレデウス「ポルトガルの民族音楽と室内音楽の融合、そしてポルトガルの風景を音楽にすること」を目指して1986年に結成されたグループ。ファドの精神を引き継ぎつつも、新しいサムシングがある音楽。リズム楽器を持たないユニークな編成。歌姫テレーザのどこまでも透き通った歌声はヨーロッパ中を魅了。彼らは本作「リズボン物語」で世界的な地位を獲得した。初めての来日公演を果たしたのは1993年。この年に加入した2人目のクラシックギター奏者、ジョゼ・ペイショートもこの公演に参加している。ホンダ・アコードのCMに「海と旋律」が流れて注目されたのもこの年である。





DVD「マドレデウス」





「海と旋律」



「陽光と静寂」



LD「ライブ・イン・ジャパン」(’94年10月6日、オーチャードホール)



「ライヴ・イン・リスボン」    「ユーフォリア」

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映画と対話するために...U^ェ^U









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やがて謎の少年リカルドに導かれるまま、フィリップはフリッツの足跡をたどり始める・・・・・。




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