EMILIVE(feel relaxed)

EMILIVE(feel relaxed)

12.23




8:30
竹芝桟橋に到着。待合所のベンチにて。
浜松町からのタクシーの運転手さんが親切だった。よい旅になりそう。
本来なら22日発の予定が、悪天候のため船が欠航し一日遅れでの出発になった。
おかげでお墓参りに行く時間ができたので、それはそれでよかったけれど。
おばあちゃんおじいちゃんにようやく結婚の報告をできたし。
ゆうべ、さとしくんは年賀状を夜通し書いていたからほとんど眠っていない。
わたしは5時間眠った。
船は10時に出航の予定。


+++


13:00
船中で2時間ほど眠った。
新婚旅行だから少し贅沢をしようと一等の個室をとった。
簡素なベッドが二つとテーブルと椅子のセット。
列車の寝台車のようにカーテンで仕切れる。
窓がないので時間の感覚がわからなくなる。

さとしくんはいびきをかいて眠り続行中。
おがさわら丸はかなり揺れている。横になっていれば平気だけれど、外は風が強そうだな。

出航の時。
手を振って見送る人たちが遠ざかるのをデッキから眺めながら
日の光の中でさとしくんが言った。
「さあ、これが二人の新婚旅行だよ」
そうか! 新婚旅行。

思えばここから船に乗って御蔵島へ行ったのよね。
同じように手を振る人たちに見送られて。
まだその時は名前も知らなかったのにね。
一年半後に、まさか同じ場所から二人で新婚旅行へ出かけるとはね。

形を変えて繰り返す景色。
不思議な感覚にとらわれる。

日の光の中で答える。
「いっぱい旅したいね」とわたし。


+++


今回の旅は、二人でこれから歩んでゆく道の第一歩として
何かしらヒントやきっかけをくれるんじゃないかとわたしは思っている。
昨日お墓参りにゆく車の中でもそういう話をしたんだ。

「結婚したこと」と「入院したこと」が2005年のわたしの大事件だった。
結婚したのが彼であったからこそ、自然を愛しながら生きていけるって思う。
山海町を旅して生きよう! と思う。
これまでたくさん旅をしてきて、わたしよりも身軽で行動力のある彼だから
尊敬しているしついていこうって思う。
さとしくんは、いつも考え過ぎてしまうわたしの背中をぽんと押してくれる。
頭デッカチになっているわたしに、ぽんと新しい提案を見せてくれる人。
ありがたいです!
わたしたちは似ているところもあるけれど
違っているからこそ一緒にいるとプラス + なんだろうな。百万馬力↑↑


+++


16:00
また少し眠った。寝てばかりだけれど他にすることもない。
船があまりに大揺れでどうなることかと思う。
立っていると、横の壁まで押し飛ばされる。
横たわっていればなんとかなるけれど、本も読めないし退屈。
海の音がごうごうと船室に響き、クジラの体内にいるような気分だ。

それにしても個室はよいわ。人目を気にせずくつろげる。
船内は暖房が効いているので暑いくらいだ。
あたたかいと体が伸び伸びしはじめる。
この室温設定は病院と同じだわ。

大事件のもう一つ、入院について。
病気をしてみて、わたしはもう無理をせずに生きていこう、というか
生きていかざるをえないと思った(再発を避けるためには…他の病気をしないためにも)。

これまでのオフィスワーク&通勤ラッシュは
いくら目を背けてもストレスとして体に現れてきていた。
一か月に一度必ず高熱を出したり、年末になると帯状疱疹で一週間寝込んだりとか
下血したり、婦人科系にきたりとか。
そして今回の入院では、腎臓にきたのであり。

いったんストレスが取り除かれれば治ってしまうのだけれど
再びストレスがかかると何らかの形で体に出てくる。

現代人には、同じような人、たくさんいそうだ。
そうやって生きていくんだって思っていた。
それが「大人」であり「社会人」だって。

これまで体を壊すと、ストレスを取り除く手段として仕事を辞めてきた。
そのたびプーになって、家でごろごろ。
やがてまた世間の目が気になって、外へ働きに出ていく…の繰り返し。

ダメ人間だなぁ、って思っていた。
弱いなぁ、って。

でも入院をして、何かが変わった。
このままじゃ体が壊れちゃう。
これまでの生き方を繰り返していたら自分が壊れちゃう。

それじゃあ どうやって生きていく?




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