emmitt22のハマリ人生

< 新しい記事

新着記事一覧(全253件)

過去の記事 >

2007年01月21日

奥田英朗の小説群～どれも面白い

テーマ：お勧めの本(7415)

カテゴリ：読書

奥田英朗（おくだひでお）の小説はどれも面白いです。

テンポが良く軽快で楽しくすらっと読め、はずれがありません。
エッセイもありますが、ここでは小説（単独本）だけを紹介します。
彼の小説では、いろんな境遇の人が描かれていて興味が尽きません。
全部で１２作、いろんなタイプの作品がありますが、どれも登場人物の心理描写が巧みです。

＜伊良部先生シリーズ＞
１．イン・ザ・プール
２．空中ブランコ
３．町長選挙

・ウランバーナの森
　　：後半から結末にかけては、ジョン・レノンのファンにはたまらないのだと思います。
・最悪
　　：３人の別々の不幸な展開が絡み合って最悪の事態に陥る過程は秀逸。読後感がよい。
・邪魔（上）邪魔（下）
　　：刑事と彼を恨む刑事、不良少年、ヤクザ、企業、社員と妻、一つの事件に絡みあう。
・真夜中のマーチ
　　：詐欺師、ヤクザ、中国マフィアが奪い合う１０億円を横取りしようと目論む若者たち。
・サウスバウンド
　　：元過激派の父に振りまわされる家族たち。後半のお父さんはとてもすてき。
・東京物語

・マドンナ
　　：若い女性に憧れる中年男の心情を描いた短編集。
・ガール
　　：様々な働く女性を主人公とした短編集。女性心理をうまく描いている？
・ララピポ

伊良部先生シリーズは、伊良部先生の異常で子供っぽい性格が強烈で楽しく、お気に入りです。
だれにでも勧めたいシリーズです。
様々な悩みを持つ患者が神経科の伊良部のもとに来るはめになります。
伊良部先生の指摘は的確ですが、勧める行為は非常識きわまりない。

患者「それって犯罪じゃないですか」
伊良部「見つからなきゃ平気平気。僕も手伝うから」
てな具合。

ほんとうは伊良部がやりたいだけなんじゃないか、
という彼の非常識な行動に振り回されているうちに、
なぜか患者は快方に向かってしまう。
読後感はさわやかです。
１話完結の短編構成ですが、やはり１冊目から順番に読むのがベストでしょう。

奥田英朗の小説で私が最も好きな作品は「最悪」です。
全く接点のない３人の別々の不幸な展開が絡み合って、最悪の事態に陥る過程は秀逸。
それなのに読後感が悪くないのがとてもいいです。

＜私の好きな奥田作品ランキング＞
１．最悪
２．イン・ザ・プール（伊良部先生シリーズ１）
３．サウスバウンド
４．邪魔　　　　　　（第四回大藪春彦賞受賞作）
５．空中ブランコ　　（伊良部先生シリーズ２：直木賞受賞作）
６．東京物語
７．マドンナ
８．真夜中のマーチ
９．ガール
10．町長選挙　　　　（伊良部先生シリーズ３）
11．ララピポ
12．ウランバーナの森

読んだことない人は、是非一度読んでみてください。

お気に入りの記事を「いいね！」で応援しよう