絵画の旅・シャガール1


シャガールの展覧会に出かけ、脳みその中でシャガールを見つめる旅をしてみました。

行って来ました。高速をバンバン飛ばして!
京都です。
シャガール展を7月14日まで開催しています。
tetywestさんのHPを見て、行きたい気持ちがぐぐぐ~~~と沸いてきて
とうとう行っちゃいました。
昨日夜にシャガール大好きなママ友に連絡し、
明日行こうと思うのだけど、一緒する?
と声をかけたら、
「つれてけ~~~!!」と即返事。
9時に幼稚園に子供を送っていき、その足で名神高速に乗り、京都まで。
予定では10過ぎころには着き、帰りは京都を1時半ごろ出れば、4時のお迎えには間に合う!ちょっとのんびりとは行かない予定だが
子連れで見るほうがもっとゆっくりできないので
強硬手段をとった。
予定どうり、9時過ぎ大阪を出る。
「いやあ~~こういうのって主婦になってから全く無いんだよね~~」
「うんうん」
「ゆっくり絵も見に行ったりしたいんだけど、ダンナが興味なくって、、、。」
「ふ~~んそうかいな。」
「家族で来ても結局子供の世話をダンナにさせちゃって、かわいそうやろ~」
「なるほど、そうやね」
全く、私もそうだった。
結婚を期に、絵画を見に行ったりすることが全くできなくなっていた。
たまにはこういう強硬手段もいいものだわ~
2人ニコニコ!
おしゃべりをしすぎて、降りるはずの京都東を通り過ぎ、2キロ先の大津まで行ってしまった。
5分ほどのロスタイム。ついでに琵琶湖も見えたりして、、。
結局美術館到着は10時半過ぎとなった。
相棒のお迎えはおばあちゃんに電話をし、お願いしてゆっくり見ることに。
こういうときは本当に助かります。

シャガールは何年か前に兵庫で見に行った記憶がありました。
今回のものはそのときとちょっと志向が違っていました。
(だと思います、、昔の記憶なんで、、ええかげんです。)
また、はじめてシャガールについて知ったことがあります。
シャガールって長生き!
98歳までがんばっていたんですね。
グリッと見てて思ったのですが、シャガールの生涯って
いろいろ大変なこともあったでしょうが、
好きな絵を描いて大好きな人と子供に恵まれて、
幸せな人だったのかもしれない、、、
そう思いました。
以前見たときはそうは思わなかったのですが、、、。
長生きの秘訣ってもしかしたら、宙に浮くような幸せな人生を歩むことなのかな。
な~~んてことも思ったりして。

実は1990年兵庫でもシャガール展があり、それにも行っていてので
昨夜そのときの図録を取り出し、今回のものとにらめっこ。
いろいろ試行錯誤しながら、頭の中でシャガール追跡の旅に出ました。
以前見たもののほとんどはキリスト教の聖書に元づく物語のものや
戦争をテーマにしたものが多かったんです。
もちろん愛妻ベラを描いたものもあったのですが
どちらかと言うと、奇抜な色とやわらかい表現のわりには
重たく感じた記憶がありました。
が、今回はしょっぱなから、おばあちゃん、おじさんなど家族を描いたものも多く展示されており、あったかい気持ちになれました。
もちろん宗教的なものもあったのですが。

やはり、まず目に入ってきたのが「私のおばあちゃん」
tetywestさんの日記に画像があったので、これだわ~と、犬の顔をまじまじと見ました。
なるほど変な顔の犬だと思い、おばあちゃんの優しい笑顔の横顔にふと目をやると、鼻の形がいっしょ!
やはりこの犬のモデルはシャガール自身のようです。
大好きなおばあちゃんに寄り添いそっと顔を見る姿などは
おばあちゃんに対するシャガールの気持ちが込められているように思えました。
(画像は tetywestさん のところでご覧くださ~ィ。tety様。勝手にリンクすみません、、)
この絵を描いた翌年、愛妻ベラと結婚、そしてその翌年、愛娘イダが生まれるのです。
で、その歳に描かれていた絵が「すずらん」こちらも tety様 のところに画像があります。横着をお許しください。
すずらんの花束をやさしいピンクのりぼんで飾ってある絵です。
このピンクがなんともいえないくらい穏やかで幸せそうに感じました。
イメージしていたシャガールの絵とは全く違う感じのものですが、
私はその絵の前で、なんだか微笑んでしまいそうになりました。

つづく・・・・・

この場をお借りして、京都市美術館に一言物申してよろしいかしら、、、
あれはいただけませんね~~~、、、
何かって?
柵ですよ柵!
どこから見たって水道管の塩ビパイプ。
簡易の柵といえども、途中をビニールテープで接続して、
近くに寄れないのなら、いつもの鎖とバリカーの方が存在感が無くて良いのに、、、
展覧会の展示には特別なデザイナーが居ると聞いたことがあるのですが、
どう見てもあれはおかしい!
縦約3m横幅約8mはありそうな「ユダヤ劇場への誘い」は全体が見れる位置に立つと、水道管がばっさり足元と切っていたぞ!
あれでは壁画ではない!
何か意味があるのかしら、、、
はっきり言ってぶっさいく~~!
はっきり言ってゴメンナサイ、、、

シャガールは、今まであまり見たことの無い、白黒のグアッシュやインクやエッチングの小さな絵の世界に入りました。
ここでも家族や親類、友人、結婚、恋人たち、誕生の姿など、を描いているものが多かったのですが、
ひとつ私の目に止まったのは、「お母さんの墓の前で」と「お父さんの墓」だったんです。
なんてことは無い、さらっと書かれていたものなんですが
お母さんの墓の前では、穏やかに笑って、ここに来るのを楽しみにしているようにさえ見える表情のシャガール(多分シャガールだと思うのですが)が描かれており、
お父さんの墓の横では、神妙は顔つきで横たわる姿が描かれていました。
息子にとって、お母さんはいつになってもお母さん。
お父さんはいつぞやライバルとなる、といいますが
そんな感じでしょうか。
お母さんの墓の前での表情がとても子供っぽくて良いなあ~
と思って、後で図録を見たらば、載ってない、、、、
残念でした、、、、
この白黒の世界がしばらく続くのですが、
もうひとつ気になったことがありました。
それは塀です。
それはとっても高くて長い長い黒い塀が街の周りに描かれているのですが、
このあと、何度もそのモチーフが出てきます。
窓からの景色にも、思いをはせる故郷の町にも、、、、
いったいなんなんでしょうね~。
結界のように囲う塀は外の世界と遮断するかのようです。

白黒の世界を抜けると、また、シャガールらしい色使いのブースに変わります。
「村の通り(赤い家並)」という絵に差し掛かったとき
ふと、その強烈な赤に目を奪われました。
そういえばシャガールはびっくりするような青や赤をドカンと印象的に使っています。
とても自然の中には見つけられそうにない人工的な色です。
「ヴェテプスクの街の上」の宙に浮く兵隊さんの足元、ちょうど絵の真ん中あたりの家も赤。
「街の上で」で描かれているふるさとの街の真ん中の家も赤。
「結婚式」でシャガールとべラの頭上に舞い降りる天使も赤に染められています。
他にもいっぱいあるのですが、シャガールにとって赤で表現されるものは
ほとんどがシャガールにとって大切なもののように思えました。
真相はわかりませんが、、、、、

シャガールは、舞台装飾や衣装のデザインも手がけていたそうです。
それがきっかけになったのでしょうか、モスクワ国立ユダヤ劇場の壁画を描いています。
主要人数わずか90人と言う小さな劇場なんだそうですが、そこには文化や芸能、文学、音楽など、をテーマとした絵が描かれていました。
1948年この、壁画はスターリン時代、反ユダヤ運動のため、劇場は閉鎖され、舞台の裏に隠されていたのだそうです。
1973年やっとこの絵が再び開封されるのです。
その年やっとシャガールは50年ぶりに自分の手で壁画にサインを入れたのだそうです。
こんなに楽しそうで素敵な絵も、いろいろ背景があるようです。
今でも宗教戦争、差別などが続いています。
シャガールが生きていたら、
「おいおいまだそんなことやってるのか、、」と、きっと落胆するでしょうね。

「7つの大罪」という版画集が有るそうです。
「高慢」「嫉妬」「貧困」「怠惰」などなどの表現は
とってもストレートでくすっと笑ってしまうこともありました。
また、版画で聖書の挿絵なども描いていたそうです。
キリスト教のことは分かりませんが、
白黒のエッチングの後に現れた「アダムとイブ」と言う絵に目が止まりました。
アダムとイブ

地味~な色使いなんですが、ナントナクほっとさせる感じがして立ち止まりました。

さて、次のブースに行くと、絵葉書、ポスター、図録などを売っているコーナーに出たんですが、
ママ友と私は「え!終わり??」「あの絵は無いの?」と、ちょっと戸惑いました。
ここまででも充分知らないシャガールを得ることができたのですが
なぜか物足りなさを感じていました。
絵葉書や図録にはあるのに、あの絵は京都には来ていないのかしら?
あの絵と言うのは、チラシやチケットに印刷されていた、
シャガールとべラが街の上を浮遊しているもの。
ちょっとがっかりしましたが、
絵葉書や図録を買い、ま~満足して、気持ちは、お茶でもして帰ろうという気分になっていました。

つづく

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