2014/02/15
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テーマ: 社交ダンス(8724)
カテゴリ: 旅行記
<アクア・アルタ>

ベネチア本島にもどってから水上バスを乗り継ぎサンタ・マリア・グロリオーザ・デイ・フラーリ聖堂に向かいました。


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ここにはベネチアを代表する画家ティツィアーノの名作があります。


『聖母被昇天』(1516年 - 1517年)
Tizian.jpg



冬の教会の中は暖房のない競技会場みたいに寒いです。

風雨がしのげるだけ外よりはましという程度。

靴の中が水浸しで足が凍っておりましたが、それすら忘れるほどの素晴らしい絵でした。

『ボクはこんな絵を見ながら死にたいな。』

大将がつぶやいておりましたが、このセリフが飛び出したのはアニメ『フランダースの犬』の最終回が話題に上がっていたからなんです。







アントワープ大聖堂にあるルーベンスの名画『キリスト降架』と『聖母被昇天』、ネロが最後に見た絵です。

ルーベンスはイタリアに留学してティツィアーノの作品に多大な影響を受けるんですね。

私はまだネロ少年が見たルーベンスの『聖母被昇天』を見たことはありませんが、その下絵は2回見るチャンスがありました。

最初はオランダの マウリッツハイス美術館 で、2回目は東京の マウリッツハイス美術館展 で。





プラド美術館 の入り口すぐのところにティツィアーノの『アダムとイブ』をルーベンスが模写した作品が並んで飾ってありましたが、この『聖母被昇天』も二人の作品を頭の中で並べてみると、ティツィアーノの100年後に同じテーマを描いたルーベンスがどんなに憧れを持ってこの教会のティツィアーノの作品を眺めたか、そしてそれに追いつき越えたいと熱望したかが伺い知れます。

きっとルーベンスは自分が今立っている場所と似たような所に立ち、何度もこの絵を眺めたに違いありません。

この教会にはティツィアーノ・ヴェチェッリオのお墓がありました。

ここに埋葬して欲しいというのは生前からの希望だったようで、巨大なモニュメントに守られて今も自分の作品と共にあります。





ベネチアにはまだまだ見所がたくさんあるんですがすでに日も暮れてしまいました。



IMG_1823.jpg

ここにもティツィアーノとティントレットの作品があるんです。

夕方の帰宅ラッシュでバスは混んでました。


IMG_1865.jpg


あともう1本乗り継げば行き着ける所まで来て閉館時間まで30分を切っていました。

バス停を探してキョロキョロしていると、大将が大声を上げます。

『わっ! なんだこれ!!』



停泊しているゴンドラなんか今にも陸に乗り上げそうな勢い。

振り向くと地元の方々が手分けして『水が上がって来たとき用』の台を並べてます。


IMG_1864.jpg


潮が満ちて来てベネチアが水没する!

こんな時に島に渡って絵なんか見てる場合じゃありません。

私たちはあわてて駅に向かう水上バスに飛び乗りました。

そういえば昨日もこの時間みんな焦って駅に向かってました。

昨日は水上バス使わずにひたすら徒歩だったんですけど、駅に向かうイタリア人たちがみんな急ぎ足だったんですよ。

『イタリア人て、歩くの速いね。』

なんて言ってたんですけど、それはイタリア人だからじゃなくて水が攻めてくるからだったんですね。





絵は見られなかったけど、いい経験させてもらいました。

翌日、ベネチア・マルコ・ポーロ空港から帰国の途に尽きます。

東方見聞録のマルコ・ポーロってベネチア人だったんですね。


IMG_1867.jpg


私の西方見聞録も本日これにて幕とさせていただきます。

長々とおつき合いいただきまして、どうもありがとうございました。

(おわり)







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Last updated  2014/02/21 12:07:54 PM
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