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かとう あきら

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2018/09/26
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カテゴリ: 日記


午前、実家。
おれは部活関連の作業。
家内はチクルス関連の作業。

午後、芸術館リサイタルホール。
玉置先生のリサイタルを拝聴。

幻想曲で始めて幻想曲で締める素敵な構成。

モーツァルト:幻想曲KV397
ベートーヴェン:ソナタOp.27-2「月光」
ベートーヴェン:ソナタOp.53「ワルトシュタイン」
シューマン:幻想曲Op.17

おれは映画の先行上映に行く予定にしてたので、
前半だけ聴かせていただきました。
申し訳ないです。
後半を聴かないと、
この考え抜かれたプログラミングの意図を
100%味わったとは言えないので
ホントに無念。

玉置先生のお弟子さんの演奏はたくさん聴いてる。
でも、先生の演奏は初めて聴かせて頂きました。
大勢のお弟子さんたちのルーツがよくわかって、
非常に興味深かったです。

そーゆー点も確かに興味深かったのですが、
おれはそんなことよりも先生の音楽やビアノ奏法の
「クリアネス」と「誠実さ」「迷いのなさ」
に感銘を受けました。

先生の演奏には「これ見よがし」なところは一切なし。派手なパフォーマンスもなし。特徴的な(恣意的な)「解釈」も感じられない。
しかし、その圧倒的な「クリアネス」と「迷いのなさ」で奏でられていく音楽にはとても興奮させられました。
特にベートーヴェンの音楽の構造(緻密な動機操作、激しい転調など)のもの凄さが徹底的に明らかにされ、解き明かされていく様は圧巻でした。
ワルトシュタインはそこそこの長さのソナタだけれど、ものすごく短く感じらた。
このソナタは3楽章構成だけれども、1楽章構成のようにも聴こえたりする。実際、このソナタは2楽章が後年に短いものに書き換えられ、フィナーレへのブリッジのようにも捉えられるようなベートーヴェンの晩年の作品でよくあるような作りを先取りした格好になってる。こーゆー作り方はシューマンも追求したし、シェーンベルクやベルク、スクリャービンといった作曲家たちの作品に繋がってゆく。こうした流れを予見するような実験的かつ前衛的なベートーヴェンの過激な書法が、非常に明快に提示されてゆく。そーゆー演奏でした。
それはもちろん「先生の音楽」でもあるだろうけれど、
それ以前に、ただひたすら「ベートーヴェン」だった。
「ただひたすらベートーヴェンであること」が先生の音楽とゆーことなんでしょうね。
刺激的なひと時でした。
「お人柄が表れた誠実な音楽」なんて
確かにそうなんだろうけど、
そんなよくある常套句では片付けたくない感じ。

これが「ベートーヴェンとものすごく関係の深いシューマンの幻想曲」に繋がるのだなあと思うと、本当に後ろ髪ひかれる気持ちでしたが、ここで失礼させて頂きました。
うう、無念。







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Last updated  2018/11/12 09:20:59 PM


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