Canon EOS 7
EOS7 + SIGMA AF24-60mm F2.8 EX DG
勝手にインプレッション
それまで、エンゾーのメインの機材はEOS5であった。「それまで」とは、言うまでもなく「7が出るまで」という意味である。視線入力大好きのエンゾーだったが、EOS55が発売されたときはデザインが嫌いでパスし、EOS3が発表されたときは「すわ買い替えか」と思ったが、その図体のデカさとあてにならない視線入力の精度を見て物欲が一気に冷め、結局EOS5がそのまま現役を続ける事になった。
そして、ようやくやってきた待望の新人が、EOS7だった訳である。縦横どちらでも言う事を聞く7点視線入力AF、5よりも一回り以上小さくなったボディ。もはやエンゾーにこれを買わない理由が何もなかったので、後ろ髪を引かれつつも5を下取りに出して、EOS7を購入した。(こう思い返して見ると、EOSのボディは2代目EOS5を除き、すべて新品で買っている。エンゾーにしては珍しいことだ)
EOS7は、EOS5の弱点といわれていた部分をかなり真面目にブラッシュアップしている。縦位置でも視線入力が使えるのは当たり前だが、その的中率が、歴代の視線入力機の中でもかなり高くなっている。すぐに馬鹿になるため5の泣き所であったモードダイヤルは、ロックボタンをダイヤルの中央から外周に移し、ロックが破損しないようにしてある。
AFフレームの切り替えは、背面のダイヤル内にセレクターボタンを配し、直感的に変更できるようになった。サブ電子ダイヤルの電源は、分かりやすい「ON・OFF」表示に変った。キヤノンが変なこだわりを捨ててくれてありがたい。
目に見えない部分では、露出がかなり正確になった。これまでEOSと言えば、露出は適正より半段アンダーがデフォルトであったが、EOS7はシビアな状況でもなかなか正確な露出を返してくれる。カメラ任せ派のエンゾーには、頼もしい限りである。また、動体撮影にはかなり強い。
他にも細かいところではあるが、視度補正機構が内蔵されたことは、今まで視線入力機には、その構造上、視度補正が出来ないと言われていただけに、眼鏡ユーザーにとっては福音である。
特筆に価するシャッターの静かさは、おそらくEOS100を凌いでEOS系随一であると思われる。これは、撮影シチュエーションを選ばないので大きな強みである。
ちなみに、外装はアルミ製になった。某サンダー氏は、EOS5のプラスティック外装をさんざん「チープだ、握るとキシキシ音がする」と罵ったが、これなら文句あるまい。
(2ダイヤル式でシンプルになったセレクター系。ボタン式より直感的で良い。)
さて、ここまで良い事ずくめのように書いてきたが、不満もある。
まず、シャッターの最高速が1/4000にスペックダウンしてしまった点。「1/8000なんて使うのかよ」と皮肉られそうだが、普及機のEOS Kiss7が同じ1/4000まで切れることを考えると、中級機クラスなのだから、ピーカンでも大口径レンズを開放で使えるようにして欲しかった。シンクロ接点がなくなったのも、スタジオライティングには対応できないということで×。また、AF補助光を内蔵ストロボで代用してしまうのもかなり間抜けだ。
だが何よりも残念なのは、測光連動範囲が1EVからになってしまったこと。歴代のEOSフラッグシップ機はもちろん、元祖視線入力機であるEOS5ですら0EVから測光できたが、この差は数値以上に大きい。事実、薄暗い披露宴の会場でAFが利かずに冷や汗をかいた。その点、キャンドルの明かりだけでピントが合うEOS-1Vとは比べるべくもない。
こうやって見ると、どうも7は、5の進化系というよりは55の後継機という性格を持たされて生まれてきたことが分かる。5の正統な後継ぎではなかったのだ。これはエンゾーにとって結構ショックであり、気がついたらEOS5を中古で買い戻していたのであった・・・。
残念な事に、世はデジカメの世紀。その中でもキヤノンは真っ先に軸足をデジカメに移してしまったので、今後、銀塩でEOS7の後継機が出る可能性はなくなった。外装を縮緬塗装にし、ストロボを改良すると同時に液晶に照明を追加したEOS7sは出たが、小手先感は拭えない。
とはいえ、実用上は全く不満のないEOS7、我が家きっての優等生である事に違いはない。
長所
○高速でビシビシ合う7点視線入力AF。使いこなすと癖になる!
○とにかく静かなシャッター音。EOS系最強の静粛性を誇る。
○ダイヤル主体の分かりやすい操作系。デザイン上もポイントになっている。
○視線入力機で初の、視度補正機構内蔵。
短所
●このクラスで最高速が1/4000と言うのはちょっと・・・
●AF補助光がストロボ?・・・勘弁してください。
●シンクロ接点が消えた!仕事カメラにはなりえないという位置付けか。
●アルミ外装はちょっとヤワ。どうせならダイキャストにして欲しかった。
超個人的オススメ度
(10点満点)
☆☆☆☆☆ ☆☆☆☆☆
偏愛度
(10点満点)
☆☆☆☆☆ ☆☆☆
Yahooオークション出現率
(10点満点)
☆☆☆☆☆ ☆☆☆☆☆
*現行機種だけに、相場は高値安定である。