ruka126053のブログ

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第3章―壊れた絆


亡霊が、大西洋連邦に出る。
「馬鹿なことを」
けれど二度の大戦を得て、MSの製造が終わったかといえば、簡単にいえばノーだ。火種は各地にあるし、過去は消えるわけではない。
ストライクフリーダムガンダム、アカツキ、イージスガンダム、デュエルガンダム。ゆえに、血のイージスガンダムの角つきの改造型は、ルナマリアの耳にも入った。勝者か、敗者か。
武力の放棄。けれど大国や中立国ならともかく、そうでない国ではネオミネルバという脅威は抑止力よりも、デュランダルを思い出させる。

「・・・・なぜ、戦闘行為をやめない」
青がかった黒髪、冷たい整った顔。隣にいる女性はメイリン・ホークか。
地球連合軍の基地は世界各地に増えている。大西洋連合も。表向き平和だが、その裏ではかえって、コーディネーターへの抵抗、区別、MSを流用した非合法の戦闘組織が盛んだ。
「何でって、お行儀よくが合わないからさ」
ジャングル近くのジャンクやから運ばれたガンダム。捨てる場所だった、ゆえにここには生活感や日常がない。
「無駄な犠牲はよせ」
彼らの組織は敵と認めた機体の足や手を打ち、正規軍に嫌がらせする。それをショーとして金持ちや権力者に見せる。ときにはブルーコスモス、危険分子に元軍人、研究者を売り、その金で新たな機体を買う。
「お互い様だろ、自分はこれまで卑怯なことをせず、嘘も人殺しもしていないとでもいいたいのか」
「子供に武器を教えるなんて」
だが、男は冷えた目でアスランを見る。
「俺が人でなしのクズだと思ってんだろ、気持ち悪くて理解できないっていいたいんだろ」
「今は君たちの犯罪行為の話だ、大人しく罪を認め、裁判に」
「じゃあ、あんたは何で、裁判にかかっていない、アスラン・ザラ。あんたが今の環境で入れるのはお前だけの力か?違うよな、殺人鬼の親友や元婚約者、昔の女があんたをかばったからだ、俺達がしているのはあんたらがした戦争ごっこやショーとなんら変わらない」

「ほら、歩け」
「ふん、触るな、自力で歩ける」
「君達はどうしてそうなったんだ・・・」
だが、男たちは冷たく、アスラン達を見る。
「さあな、男なら大人なら、ナチュラルよりおできのいいあんたならわかるだろ」
「自覚のない馬鹿は救いがないな」

ナイトガンダム、エールガンダム。
「聞いてはいましたが見た目はやはり、フリーダムに似ていますね」
地球統合組織のパイロットは、地球連合、中立の国、コーディネーターとやはり地球生まれの人間が多い。

「シュリル・・・」
案外強情な金髪の少女にオーランドはため息をついた。ザフトの軍事訓練は地球圏で行われた。場所はヨーロッパの東欧付近。これも戦争終結後だからなのだろう。イージスガンダムの改良型。かつてのアスラン・ザらの持ち物。

戦争のある場所で両親も知らずに、アレンは生きてきた。世界の橋で、路地裏で生きてきた。
「ここはだめだ」
「行くぞ」
生きるのに精いっぱいで、ブルーコスモスにただ消耗品として扱われ、ラクスにあこがれて生きてきた。武力をもって、平和を得る。その言葉を信じて。

「生きたいか、小僧」
「あ、ああ」

「本当に婚約者の少尉と喧嘩してばかりね、あなたは」
お目付け役のお抱えの教師、ベンジャミン夫人はティーアに頭を抱えたくなった。
「あいつが悪いのよ」
親友の少女が笑う。彼女とは幼馴染で、幼年学校からの付き合いだ。上官のスミスは指揮官である親友を見ながら、ティーアを困ったように見る。若い時はキレ者だったらしいが、ティーアからみればただの中年だ。
「おーい、お前ら、ガンダムの面倒はそれくらいにしろ」
機体の調整をするスタッフの班長であり、姉ご肌の褐色の女性の名前はシャーロット。あのキラ・ヤマトが所属する部隊のパイロットを恋人に持つ。

「馬鹿な」
ティーアとレンはお互いの顔を見合う。

電撃的な通信での放送。


「君がマサタカ・シャイングか」
アスラン・ザらが、逃亡してきた生徒とともに、ザフトの海軍というべき戦艦に拾われたマサタカの元にやってきた。

「うーん、たぶん、親父見捨てるんじゃないかな」
「おい明るく言うな」
「一応コーディネーターの兵士だぞ」


「そんな、また戦争が始まるのか?」

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