月浮かぶそら、輝くひかり。 -静かな夜空の小さなトモシビ。

第六章─人集り


翌朝、木曜日。いつものように学校に行った。
「おはよう」
「ん。おはよう」
晴香は僕に挨拶をした。朝の挨拶も、彼女がしてくるわけで、もう慣れてしまった。
「ねぇ、教室に入ったらまたいっぱいくるのかな?」
「さぁ、どうだろうね」
「結構大変なんだよね。あれ」
「だな。抜け出すの苦労するし」
「ずるいよ、司君だけ抜け出すの」
「あんなに囲まれたら抜け出したくなるよ」
僕は笑った。なんだか最近よく笑ってるようなきがする。
彼女と一緒に居るからだろうか。
そして、教室に入ったと同時に。
「あ、晴香ちゃん」
「よぉ、綾羽」
思ったとおり、いっぱい来た。しかし・・・
「なぁ、昨日より増えてないか?」
「男子も居るよ」
「しかも普通に話しかけてきたし・・・」
「司君も抜け出すの大変だね」
周りに聞こえないように小声で話した。
なんなのだろう、いったい。晴香と仲良くなってからというもの、二人とも人気者になった気がする・・・。
「なぁ、何で皆僕達に話しかけるようになったんだ?」
僕は聞いてみた。
「は?だってお前ら前はかなり話し掛けにくいオーラだしてたじゃん。だからかなり話し掛けにくかったんだよ」
どんなオーラだ・・・。
「晴香ちゃんは凄く内気で暗かったしね」
まぁ、確かに。
「ふ~ん」「へぇ~」
僕達は二人同時に言った。

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: