O157 殺菌はペパーミントで
病原性大腸菌0157に対し、ペパーミントが強い殺菌力を持つことが
わかった。昭和薬科大とロッテ中央研究所が二十六日、東京でひらか
れた日本防菌防バイ学会で発表した。ペパーミントは菓子などに使わ
れるほか、香りで心身をリラックスさせるアロマテラピーでも人気の
香料。
天然成分ではほかに類を見ないほど強い殺菌力で、研究グループは
「家庭でのO157対策に応用できそうだ」とみている。
研究グループは、O157の培養液にペパーミント精油をいろいろな濃
度で混ぜ、菌の増え方を測定。1ミリリットルあたり400マイクログラ
ム(マイクログラムは百万分の一)の濃度(O.04%)以上で、完全に殺菌で
きることがわかった。これはガム一枚中のペパーミント濃度の約25分
の1に当たる。
抗菌性が強いと注目されている緑茶ポリフェノールは、1ミリリット
ルあたり 800マイクログラムの濃度で菌の数を大幅に減らしたが、ペ
パーミントのように完全殺菌はできなかった。0157は10個程度でも食
中毒を引き起こすため、少しでも菌が残れば、予防効果は低下する。
ペパーミント精油はアルコールに溶けやすい。 250ミリリットルの
薬用アルコールに O.1ミリリットルのペパーミント精油を溶かすだけ
で、効果がある濃度のO.04%になる。
研究グループの笹津備規（まさのり）助教授(微生物学)は「食品に
使われている物なので安全てず。まな板の消毒など、さまざまな使い
道がある」と話す。
「まな板の消毒にどうぞ」
《朝日新聞1998/5/27より引用》
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