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BONDS~絆~
切なる願いよ
君へこの想いが届けばどんなに楽だろうか。
君は今日も売店で割込みしながら必死に珈琲牛乳とチョコロールパンを指で示し、手には500円玉が握られている。俺はいつものようにすかさず君に声をかけるんだ。
「俺が代わりに買おうか」
そう言うと、君はいつも決まって目を輝かせて良い奴だねと言う。
「別に、唐崎が小さいだけだよ」
俺も照れ隠しでそう返す。他愛のない会話が、こんなにも楽しいと思える俺はシアワセ者だな。
「おばちゃん、珈琲牛乳とチョコロールパン。後、ココア」
おばちゃんは手際よくお金と品物を交換していた。
割り込みから既に抜けていた唐崎は、有難うと言いチョコロールパンをまたも輝かしい目で見つめて言った。
「アタシ、コレ好きなの」
知ってるよ。
「そうなんだ」
「うん!パンの微妙なしょっぱさと、チョコの甘さが絶妙なの!」
「語るなよ」
「アタシの中で流行ってるんだから良いの!」
「あ、そ」
「うん、そ」
どうか今の時間が止まりますように・・・何てね。現実は思い通りにはいかないもんさ。
「あ、彼氏が来たぞ」
「唐崎、此処にいたのか。探したんだぞ。また越馬の世話になっていたのか?」
「安久、鎖つけとけ」
「悪い悪い。唐崎も・・・」
唐崎は両頬を膨らませて教室へ戻ろうとしていた。
「怒ったのか?」
「多分な・・・あゆ」
クルリと唐崎がこちらを向いた。
「最初からそう呼べば良いのよ」
「名前で怒ってたのか?てっきり・・・」
「鎖で繋いでくれた方がいちいち越馬に頼まなくて良いからそうしてよ」
「はいはい、お姫様」
そんな口論をしていても、お前達は手を繋いでいつだって愛をはぐくんでいるんだ。唐崎と安久は付き合い始めたばかりだ。
長年唐崎のことを好きだったのは俺も一緒だ。ただ違うのは安久は勇気を出して告白したことだ。
『恋人』と『友達』はこうも違うんだな。俺も告白していてOK貰っていなかったらそんな想いをさせていたのだろうか。いや、まず俺ならOKすら貰えないだろうな。それでも、もしOK貰えたらと考える緒一種の敗北感が急に勇者のように勝ち誇った気分になった。実際の勇者は安久だということを踏まえて。
唐崎は安久に下の名前で呼ぶようにという条件で付き合うことになったらしい。前にも唐崎は彼氏にそうしていたのを見たことがある。何でそんなに名前に拘るのか俺にはわからない。唐崎にそれとなく聞いてみた。勿論、安久がいない時にだ。彼氏、彼女の間にも悩みはあって、それを吐き出す場所がある。唐崎と安久の場合、吐き出す場所は俺ということだ。
聞いてみると、唐崎は短くそんなの当り前でしょという風にいった。
「だって、下の名前で呼んでくれた方が彼女っていう特別な感じがするじゃない」
放課後の西日が入ってくる教室で後ろの方にある机に座り、教卓でもたれかかっている俺にそう言った。俺にとっても『特別な存在』なんだけどな・・・。
でも、それは口には出さない限り唐崎、あゆには伝わらない。無論、安久と付き合っている状態で言うつもりもない。
「越馬は好きな子いないの?」
そんな質問が来るのはこれだけ二人の愚痴を聞いていれば来るのは考えてみれば解るのだろうけど、今の俺にその質問は酷だった。
俺が黙ったままでいると、唐崎は「ん?」という顔で俺の顔を覗き込んでいた。
「いるなら協力するよ」
協力なんていらないよ。もし、俺の恋を叶えてくれるなら、君は今の彼氏と別れてさえくれればいい。でも、実際君たちが別れて、もし俺と唐崎が付き合うようになっても俺は幸せを感じないだろう。好きだという気持ちはあるものの、誰も不幸にしたくない。そんな思いが強い、心の弱い俺だから今のままの関係が結局1番楽なんだ。そのとき、タイミング良く安久が来た。その瞬間、唐崎は安久に飛びついた。
「待たせたな。越馬相手してやってくれて悪いな」
「いや、いいよ」
生徒副会長の安久は、近々始まる学祭の準備で忙しい。
「バイバイ、越馬。また今度話の続きしようね」
「・・・あぁ」
「じゃあな」
ドアを閉めて安久が何の話だよ?というのと、唐崎が教えなーいという声が聞こえた。そのことは小さくて、唐崎にとっては会話の一つにしか過ぎないことだけれど、俺にとっては二人だけの秘密が出来たみたいで嬉しかった。
その話の続きは1週間後にやってきた。安久は5時までかかるらしい。俺はあの日の夜からいつ聞かれても良いように、好きな子を準備しておいた。だが、これは後に無意味なことになった。その日の放課後も西日が綺麗なオレンジだった。まずは唐崎の愚痴を聞いてからその話になった。
「そういえば、好きな子聞いてなかった。教えて!」
どうして女子ってこうも話題を覚えているのだろうか。そんなに大事なことなのだろうか。俺がもし、今ここで唐崎が好きだと言った時の場合を彼女は考えているのだろうか。きっと、女子のその好奇心は絶対自分じゃないという確信があるからなのだろう。甘いな。
「唐崎は恋の話が好きだな」
「っていうか、いつも越馬に安久の話聞いて貰ってるから、アタシも越馬の役に立ちたいの」
小さな親切、大きなお世話。好きだと言えばこの質問もなくなる。だが、今のこの『友達』という関係すら絶たれる。それだけは絶対に嫌だった。
「当ててみ」
「うーん、じゃぁね・・・衿子?」
何人もの女子の名前が挙げられ、俺の知らない名前まで挙げられたが俺はそのたびに何度も首を横に振った。
「じゃあ・・・絶対ないだろうけど、あゆ?」
「・・・」
首を横に振ることが出来なかった俺は何て弱い生き物なんだろう。
戸惑った口調で彼女は焦っていた。たまらなく、首を横に振った。出来た。
唐崎は安堵の声でよかった、焦ったと言った。
『焦った』それはつまり俺と付き合う気はさらさらないって訳だ。失恋って奴。
その後小さな雑談をしてから、また話が戻った。
もう女子いないよという唐崎に俺は好きな子なんていないと答えた。
すると、彼女は自分じゃないとわかって安心したのか安久に聞くといった。
安久は俺が唐崎を好きってこと知らないはずだ。だから、好きにしなといった。
夕方5時ちょうどに教室のドアが開いた。安久が来た。
今日の安久は何故か機嫌が悪い。唐崎も黙って安久の隣に行った。教室を出て行く寸前で、唐崎は俺の方を向いたから笑顔で手を振ってやった。唐崎も笑顔で教室から出て行った。彼らの足音が次第に遠くなるのを確認してから、俺は窓辺でガクンとうなだれた。安久の機嫌が悪い原因はおそらく俺だと思う。このごろ一緒にいることが多いから嫉妬してるのだろう。暫く、唐崎とは離れたほうがいいな。
好きな子との会話は面白いが、側面で苦しんでる奴がいるなら俺はそっちを優先する。昔からそうしてきた。
翌日の安久は昨日に増して機嫌が悪かった。俺と目を合わせようともしなかった。
やっぱり原因は俺か。自意識過剰なんて思うことなく、素直に安久に悪いなと思った。俺が唐崎に話し掛けなくても、唐崎もそのことに気付いているのか、昨日の帰りに怒りをぶつけられたのか俺と話すことは1回もなかった。
そんな状態が約1ヶ月続いた。
学祭準備中、他人にはわからないピリピリ感が俺たち3人の間にはあった。
これが三角関係の恋愛の形なのだろうかと真剣に思ったほど、ピリピリ感は増すばかりだった。段々俺も嫌気が刺してきたが、二人が俺に話し掛けてくるまで俺はこのピリピリ感を耐えようと思った。本当に辛いのはあの二人だと思うから。
学祭当日、俺はバザー実行委員となっていて、書道教室でパフェを作っていた。
すると、安久と唐崎がお揃いのブロックTシャツを着て書道教室へ入ってきた。
二人は笑顔だった。俺はすかさず何食うかを聞いた。唐崎はチョコパフェを食べ、安久は何もいらないといい、近くの席に座った。この距離だと二人の会話は丸聞こえだ。ザワザワとしている教室でも二人の声ははっきりと聞こえた。
「ねぇ、安久。私ね・・・」
「それよりさ、俺が生徒会の仕事で忙しかったとき、越馬と何話してたんだ?」
「え、普通の話よ」
「例えば?」
「うーん、越馬に好きな子聞いたり。教えてくれなかったけどね」
「は?お前そんなこと聞いたの?」
「うん?ダメだった?」
「・・・いや、うん・・・、まぁ越馬が良いなら良いんだけどよ」
安久はちらりとこっちを向いた。二人の話が聞こえているだけに、二人の方を向かないのは辛かった。
「んで、誰だっていってた?」
「だから、教えてくれなかったの」
「そりゃあな」
・・・安久は俺が唐崎を好きなことに気付いているらしい。
「安久は知ってるの?越馬の好きな人」
「知ってるったら知ってるけど、お前の知らない奴だよ」
「ふーん・・・ちょっとトイレ行ってくるね」
「あぁ」
唐崎がトイレへ行った後、安久は俺の方へ近寄ってきた。
「お前・・・絶対言うなよ」
「言わないよ。言うわけないだろ」
「だよな・・・・悪い」
「いや、良いよ」
溜息混じりに安久はうなだれていた。俺・・・どうしたらいいんだという顔で俺を見つめてきた。俺こそどうすればいいんだよ。お前は今のままの関係でいればいいんだろう。お前が1番良い役なんだよ。そう思うと急に安久に対して怒りが湧いてきた。
「越馬、後でちょっといいか」
「あぁ。後30分くらいで交代だ」
「そうか、じゃあここにいるよ」
「あぁ」
正直、そんなところにいてほしくなかった。今にも手にもっているアイスを能天気野朗に投げつけてやりたかった。俺だって涙が出るほど、あゆが好きなんだ!
交代時間がやってきて、安久は唐崎を体育館に連れて行きトイレにいくといってこっちに来た。
「俺さ、お前が唐崎のこと好きだって知ってて告白したんだ」
誰もいない空き教室でぽつりと安久が言った。
「そうか」
「お前は俺より優れてるから。俺より人のこと考えてやれる人間だから、唐崎くらい俺が貰ってもこいつは怒らないだろうって思って告白したんだ。勿論、OK貰うつもりなんて無かった。なのに、アイツは下の名前でよびさえすればいいよなんていうから・・・そっかしか言えなかったんだ」
「そうか」
「悪い・・・」
『悪い』という言葉に俺は切れた。
「悪いと思ってるなら別れてくれよ。俺が唐崎に告白してもいいなら、付き合うことになってもいいなら別れてくれよ・・・出来ないだろ?出来ないくせに悪いとかいうなよ。むかつくんだよ、俺なんか全然完璧じゃないのに・・・例え俺が完璧だとしても、それは俺が単に客観的に物事を見ることが出来るからだけだ。逆にそのことがあるから自分自身の心もわかってしまう。安久や唐崎がどういう風に何を感じてるかもわかる。だから・・・俺は全然完璧なんかじゃないんだ。わかったか?」
俺の口調が段々きつくなるのがわかった。だけど、止められなかった。今は唐崎がいない。本音をぶつけるなら今しかないと思ったんだ。
「・・・そうだよな。うん。悪いなんて言わない。俺も、もう告白してOK貰った以上は責任ってやつあるしな。だけど、これだけは忘れないでくれ。俺にとってお前は最高の友達だよ。例えお前がそうは思っていなくてもな。」
「俺もそう思うよ」
本当はそんなこと思っていなかった。頭の中は唐崎に対する想いと、安久に対する怒りで一杯だったからだ。
「じゃあ、そろそろ戻るわ」
「あぁ。俺も一緒に行くよ」
「・・・あぁ」
唐崎が好きだからっていうキモチだけじゃない。お前達をきちんと認めたいんだ。
手を繋いでいても、唐崎の笑顔の方向が俺に向いていなくてもきちんと、二人の愛を見守っていられるようになっていたいんだ。そうしたら初めて失恋したって認められるだろう?
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