BONDS~絆~

BONDS~絆~

理想と現実

青春


スキというキモチが膨らむと、不安という気持ちも比例していく。片思いの時より、心が重い。
彼の本心が聴きたい。だけど・・・怖い。引かれるのが怖い。
私は彼が好きで、彼も私を好きだと言ってくれた。
だけど、彼がいる位置は東海地方だ。私は北海道だ。
海や山を幾つも越えていかなければ、会えない。
だから、例え彼が本心を語ったとしても信じられない。
好きだから、それ故に不安が膨らむ。確かめたい気持ちの裏には、引かれたくないという逃避がこちらを見ている。
これじゃダメだって解っているんだ。

彼は旅立つ前に私に言った。
「お前がこっちに来るまでの残り1年、待つよ」
当初は、この言葉を信じて頑張って来られたけれど、今では疑問が頭をかすめてばかり。

― 遠距離嫌いって言っていたのに、どうして1年も待てるの?―
― 私の進学は東海ってもう決められているようなもんじゃない、そんなのイヤよ。他のことは譲れても私の夢は、私が唯一決められたことだから絶対に譲らないんだから・・・―
―どうして私がそちらにいかなければいけないの?―

先日、デパートのベンチで友達と3時間くらい語り合った。
最初の議題は「理想」と「好きなタイプ」の違いは何かということだった。
話していくうちに、脱線はするものの、だからこれは理想なんだ!とたまに戻ったりもした。結局、私たちの答えはこうなった。

理想→叶わぬもの。実際にはそうはならないもの。(この時、友達は「だから理想の対義語は現実なんだ!」と喜んでいた)

好きなタイプ→ある程度現実を見る、もしくは、実際にいる人を頭の中で回想してこうこうこういう人が好きで、結局私は今想像した人が好き。といった具合な結果になった。

3時間近く話した後、私は不意に彼の声が聞きたくなった。なぜかは解らない。
だけど・・・・声が聞きたくなったんだ。
突然かけるほど、理性は失っていなかったから、メールで今大丈夫かを確かめ、OKがきたのでかけた。
久しぶりの電話でとても緊張したから、途中で何度も息詰まった。
すると、電話口の向こうから妙にザワザワとした音があった。そこに数人友達がいるのだろうか。その上、私が話す内容もなくかけたため、沈黙の間、彼はその友達と普通に話していた。

今私と電話してるのに!沈黙だけど、そんなことするなんて・・・!
そんな人だったの?ガッカリ・・・。

電話を終えた後、今までなら喜びの意味で心拍数が速くて良い気分だったのに、今日は落胆・軽蔑といった、負のキモチばかりが占めていた。
3時間デパートで話した内容の中で、友達も好きな先輩(以降:L君)がいて、私と同じようにメールをしている。私たちと違うところは、会ったり電話をしたりはしないという点。それに、私たちの話は、彼女達のように日々起きた話はあまりしないということ。
私は日々起きた話を主にしたいけれど、彼女はそれじゃ進展しないからつまらないと言う。
友達はいわば、「短期集中派」で、契機が掴めたらすぐに結果が欲しいらしい。
私の彼もそうだ。
私は反対で、「長期集中派」。だって、短期じゃ相手のことあまり知ること出来ないじゃない。短期集中の気持ちも解らなくは無い、遠距離だと尚更ね。
彼女が好きなL君は道内の大学に通っているけれど、性格が誠実な慎重派で私みたいな性格なのだ。
まとめると、私とL君が長期集中派で、友達と私の彼は短期集中派なのである。

私は今、電話でそういったこともありL君のような性格の人が理想であり、友達はL君と進展しないから早くコトを進めてくれる私の彼が理想らしい。
さっきの繰り返しになるけれど、二人で3時間話し合った結果、理想は実際に好きな人とはならない、真逆の人は自分がもってないものをもっているから自然と吸収しようと引き寄せあう。
今、私と彼女は真逆の立場の人が好きだ。
物足りなさを感じても、好きという気持ちは消えない。メールや電話を繰り返し、優しい言葉をかけられたりしたら、好きという気持ちは肥大していく。
これを悪循環と見るか否かは人によるのではないだろうか。
とにかく、私はL君みたいな誠実さを彼に求めている。
ガッカリすることもあるけれど、やっぱり好き。
好きだからこそ、希望も膨らんでしまう。
1年待つといったあなたの心を聞くのと同時に、あなたの性格にL君の良い部分を付け加えさせて欲しい。
好き故に、私の心をも知って欲しいから。
勿論、私から話さなければわからないことなんだけど・・・。
理想と現実は対応していないから、夢みることも恋だよね。


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