BONDS~絆~

BONDS~絆~

3章

ハート(白)


妙が私から離れて行くのが日に日に目に見えてわかるようになった。

「私、鈴は良い子だと思うよ」

最初、あぁ言われた時からそうだったのかもしれないけれど、
あの時は認めるのが怖かったんだ。
確かに鈴は可愛い。よく笑うし、たまに泣く。
『仲間』には優しいし、意地悪もしない。
私は鈴の仲間じゃないから意地悪されたのかな。
仲間じゃないから・・・どうしてこんなに鼓動が早いんだろう。
教室の一角に鈴たち『仲間』の『部屋』がある。
私はそのドアをノックすることすら許されない。
私自身もこんな状態、弱者みたいなまま、そのドアを開けて満円の笑みを見せようとは思わないし、やれといわれても出来ない。
例え、出来たとしても自分を嫌いになるだろう。
もう、自分を嫌いにはなりたくない。
単なる自己中だとか思われても仕方が無い。
自分を好かないと、誰も好いてくれないことを知っているからだ。
知っているけれど、今の私には何も考えられない。

天涯孤独

傷つかないで済むならそんな世界に行ってもいいかな。
孤独から来る淋しさを知ってはいるけれど、いつか慣れるだろう。
そんなことを考えていると、途端に引き篭もりがしたくなった。

誰も私を必要としないのなら、私も誰も必要としない。
その方が楽だもの。
妙はきっともう私の1番になることは無いだろう。

そう哀しくなったとき、私は必ずある場所にいく。
近所にある喫茶店。
そこにいるウェイターが格好良いのだ。
小顔なのに目が大きくて女の子よりまつげが長くて水を入れる時の綺麗な指先。
背丈はきっと170cm後半。体重もきっと60くらい。
まさしく私の理想。
彼がいる時間をチェックして彼が側にきたらオーダーする。
彼は声も綺麗。

「ご注文は」

「ミルクティー」

「ホットとアイスがありますが」

「・・・ホットで」

「かしこまりました」

マニュアル通りの彼との会話。
それだけのことなのに、凄く居心地が良くて癒される。


<4章>

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