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BONDS~絆~
4章
彼の苗字は「佐々」と言うらしい。
エプロンに付いている名札にそう書いてあった。
誰かに借りたりしていない限りそうだし、彼が注文を聞きに来るとき・注文したものを運んでくれるときもこの名札をつけてるのをチェックしてるから。
1度も『佐々』以外の名札つけてるの見たことないから、きっと彼の苗字なんだと思う。
喫茶店のBGMはどこかで聴いたことあるような音を奏でていた。
思い出せないけど、居心地の良い音だった。
カタンと音がしてテーブルに入れたてで、湯気のたっているホットミルクティーを置いた。
「ごゆっくり」
とだけ言いそのまま行ってしまった。
当り前のことなんだけれどどこか寂しかった。
いつもかよっているのに気付いて貰えていないのかなと思ったから。
ミルクティーを飲みながら大きな窓の外を眺めていた。
スーツ姿で携帯電話使って歩いているサラリーマン。
今時の格好をした可愛い女子中生。
ランドセルを背負った小学生団体。
買物帰りにバス停で隣のおばさんと喋っているおばさん。
銅像の前で誰かを待っているオシャレした女の子。あっ男の子が来た。
きっと彼氏。いつか私も佐々君と・・・・なんてね。
銅像の前にいる女の子を自分に、男の子を佐々君に置き換えて妄想していた。
『遅れてごめん!』
『ううん!私も今来たところよ』
『そっか!映画始まるから行こうか』
そんな会話が聞こえてきそうな二人。妬みとかなく、フツウに羨ましかった。
知らない人に妬むほど心汚れてないしね。
カララン♪喫茶店のドアが開いた音がして、窓からドアへと目を移した。
その時、佐々君と目が合ったような気がした。
彼はすぐに目をそらし、いらっしゃいませと言い、客を案内した。
私の席の近くまで来た。
「礼じゃん!元気?」
客の一人の女が佐々君に言った。
「元気だよ。蜜も元気そうだね」
「うん!紹介するね。大学で知り合った莢(さや)」
「こんにちは!佐々君のことはいつも蜜から聞いてるよ」
「ヨロシク。蜜、余計なこと言うなよ」
「余計なことなんてひとっつも言ってないよね?」
蜜という子は隣にいた女に同意を求めていた。
彼女も笑顔で首を縦にして頷いていた。
「さて、注文聞いて!」
「ハイハイ。何にするんだ?」
「私はホットミルクティー」
「メロンソーダで」
彼は注文表に書いてそのまま行った。
凝視していたからか、近くの席にいた私に気付いたか目が合った。
彼女は私に微笑んで、すぐ目をそらした。きっと高校時代の友達。
じゃなきゃ、元気?なんて聴かないもんね。
珍しくポジティブに考えた。
そのあとも彼女達と佐々君は私の席の近くで昔話をしていて、何だか居づらさを感じたので店を出ることにした。
<5章>
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