BONDS~絆~

BONDS~絆~

8章

ハート(白)


その後1時間目は始まるまで私たちは時折泣きながらずっと話していた。
佐々君というウェイターが好きなことや、鈴に対する私の気持ちを隠すことなく妙に話した。
妙は私の目を見ながら時折頷いて黙って聴いていてくれた。
話している最中は夢中で気付かなかったけれど、大切な人に自分のことを話すのってこんなにも胸の奥にあった突っ掛かり?がサーって段々消えていく感じがして、凄く気が楽になっていくんだね。
別に意見なんて求めていない。
ただ聞いていてくれるのが、こんなにも嬉しいことだったなんて知らなかった。
妙も同じ気持ちでいてくれていたら・・・なんて想像するだけでも飛び上がりそうなくらい胸がドキドキした。心が通じ合っている!と自己解釈をもしていた。

「妙、話聞いてくれてありがとう」

「ううん」

放課後、妙と久しぶりに帰宅する途中、私はさりげなくお礼を言った。

「今度は妙の番だよ」

「え?」

「妙はその・・・好きな人とか今いないの?」

「うーん、いないなぁ。何か、冴とこうやって改めて和解すると、彼氏なんていらないなーって気になっちゃった」

おんなじ♪

「うん・・・私もそう思う」

「え?佐々君はどうしたのさ~」

ニヤけて言う。
あ~・・・昔っぽい。嬉しいナ。

「佐々君は別」

「何だそれぇ~」

「じゃあ好きな人できたら教えてね」

「うん!勿論だよ」

「此処だよ」

私たちは佐々君のいる喫茶店に到着した。
カララン♪楽しげな音楽。
あっ・・・

「いらっしゃいませ」

席を案内されて私は途端に俯いた。

「ねぇ、冴どの人よ」

「ん?うん・・・あの茶髪で・・・女の人二人いる席に今運んでる人だよ」

「ん?・・・・あぁ!わかった!うんうん、冴の好きそうな顔だね」

「そう?」

「うん!あぁいう系好きだよね。前彼はあぁいうタイプじゃなかったけど」

「あはは」

折角親友に戻れて、妙には悪いけど、この妙との会話はあんまり私の耳には入っていなかった。
だって、またあの二人の女、つまり蜜とその友達(名前忘れちゃった)がいたんだもん。
蜜さんはやっぱり綺麗。
今日は遠い席にいるから、話し声が聞こえないけど・・・。

「今の二人の席の髪ロングの方の女の人綺麗だね」

蜜のことだ。

「ん?うん、そうだね。彼の友達らしいよ」

「え?あ、そうなんだ・・・ゴメン」

「ううん!!」

すると、佐々君がこちらへ来た。

「ご注文は?」

「アイスミルクティー」

「私も同じので」

メニューを見ていなかった妙は私と同じのにした。

「かしこまりました」

そう言い去っていくと、妙が小声で言った。

「声もいいじゃーん!」

「シーッ聞こえちゃうよ!」

そうして運ばれてきたものを飲み、妙との雑談も進んでいって、日が暮れてきた。

「そろそろ帰ろうか」

「そうだね!」

途中、あの二人の女の人の席と幾度か見たけど、いつの間にか彼女達は帰って行っていた。
今日付き合ってくれたお礼にと、私は妙におごってあげた。
カララン♪と楽しげな音を出して、妙は先に外へ出た。
この前のちょび髭親父も今は居なかった。

「2000円になります」

佐々君の声が響く。

「・・・あんたさ」

え?急に佐々君が話し始めた。財布から視線を移動させると確かに私に話し掛けていた。

「昨日、本読んでただろ・・・・えっと【空に手が届くまで】」

「ハイ」

「あれ、何処に売ってんの?」

何処って本屋さんに行けば買えるのにどうしてそんなこと聞くのかしら・・・・。

「私は、図書館で借りてきたんです。」

「そっか・・・」

お金を渡し、彼は釣りの計算をしていた。
私は勇気を出して言った。

「あの・・・良かったら貸しましょうか?」

「・・・え。良いの?」

「私は全然構いませんよ!」

「じゃあ頼むわ」

「ハイ!」

彼に接近できた感じがして凄く嬉しかった。
釣りを貰うと、すぐに妙に報告した。
すると、妙も喜んでくれて、大きな窓からその様子が佐々君にもバレバレだっていうことを忘れてわたし達ははしゃいでいた。
凄くシアワセだったんだもん。

<9章>






© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: