華神学園

華神学園

事件の始まり



 八神緋斗の朝は母親の菖蒲への挨拶から始まるのでした。菖蒲は台所で朝の朝食を用意しながら、緋斗に挨拶を返した。

「おはよう緋斗。もう少しで用意できるから待っててね」

「うん…」

 緋斗は食卓のテーブルに着き、テレビを付けた。テレビでは吸血鬼騒動の話題で持ちきりだった。騒動の発端は5日前、下校途中の華神学園の生徒が貧血で倒れ病院に運ばれたのだった。それも華神学園の生徒が男女問わずに。その日は3人運び込まれ、次の日は5人、その次の日には6人と日増しに増え。昨日は10人もの貧血者が病院に運び込まれたのだった。その運び込まれた学生達は未だ目を覚まさずにいた。メディアや新聞はこの事件を吸血鬼事件として騒ぎ立てた。

「いやねぇ~。吸血鬼なんて」

 菖蒲はテレビを見ている緋斗、声をかけた。

「母さん」

「はい、朝ごはん」

 菖蒲は緋斗の前にご飯、味噌汁、魚焼き、目玉焼きのシンプルなセットを並べ。緋斗は手を合わせ朝ごはんを食べ始めた。

「ねぇ、母さん」

 緋斗はご飯を食べながら菖蒲に話をかけた。

「な~に緋斗」

「この吸血鬼騒ぎが始まってからの父さんと母さんの様子が変だなと思って」

「…変だなんていつもと同じよ緋斗」

 菖蒲は笑顔で緋斗に答えた。

「(鋭いわね緋斗…さすが私達の子供)」

 緋斗と菖蒲が会話をしていると、パジャマ姿の梓が食卓に現れた。

「おはようお兄ちゃん、お母さん」

 梓は眠たい顔を目で擦りながら緋斗と菖蒲に挨拶した。

「おはよう梓ちゃん」

 菖蒲はいつものように笑顔で挨拶を返し。緋斗は顔に手を当てながら、挨拶を返した。

「おはよう梓。…頭、凄い寝癖だぞ」

「ふぇっ?……ふぇぇぇぇぇぇッ!?」 

 指摘された梓は自分の手で髪の毛を触り。自分の髪が逆立っているのに気づき、走って洗面所に向かった。

「あらあら」

「はぁ~」

 緋斗は朝ごはんを食べ終えると食器を台所の流しに持って行き、学園のカバンを取りに部屋に戻った。緋斗はカバンと剣道具を持ち、玄関で靴を履いていると、髪の毛を梳かした梓が通りかかった。

「お兄ちゃん、今日も朝練?」

「そうだけど」

「頑張ってね」

「緋斗、いってらっしゃい」

「うわっ!?ビックリした…」

 梓はいつの間にか背後に現れた菖蒲に驚くが、菖蒲は気にせず手を振りながら緋斗を送りだした。

「いってきます」

 緋斗が家を出たのと入れ違いのように黒髪に寝ぼけ眼の男性。緋斗の父親、八神征途が起きてきた。

「お父さん、おはよう」

「おはよう梓」

 梓は征途に挨拶をすると振り返り朝ごはんを食べに食卓のリビングに向かった。菖蒲は梓が向こうに行ったのを確認すると、厳しい表情を変え征途に話しかけた。

「征途さん、この吸血鬼騒ぎ…」

「分かってる」

「また誰かが」

「だが、まだ同じと決まったわけじゃない」

「でも、このままじゃ」

 菖蒲と征途が話をしているとリビングから梓が顔を出し。

「どうしたのお母さん、お父さん、玄関で」

 菖蒲は表情を元に戻し。

「ごめんなさいね梓ちゃん。今、用意するから」

 菖蒲と征途も食卓のリビングに向かった。



 緋斗が自転車を押しながら怜奈の家の玄関に向かうと、既に怜奈と翔希が待ち構えていた。

「おはよう緋斗」

「おはようございます。緋斗さん」

 怜奈と翔希は挨拶を交わし。緋斗も2人に挨拶を返した。

「おはよう怜奈、翔希」

 いつものように怜奈は緋斗の自転車の後ろに座り。座るのを確認すると発進するのでした。翔希はいつものように緋斗の自転車を走りながら追いかけ華神学園に向かうのだった。


第7話に続きます。

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