とりあえず今は映画製作モード中

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第一稿




佳代(17)






#1 校門前

    陽平(17)が校門から夏服の制服の格好で自転車で友達に謝りながら出てくる。



#2 公園前

    佳代(17)が夏服の制服でベンチに座って待っている
    公園の入り口に陽平が自転車に乗ってくる
陽平 「佳代」    
    佳代が陽平に近づく
佳代 「陽ちゃん遅」
陽平 「ごめん」
    陽平の後ろに乗る佳代
佳代 「出発!」
動き出す二人



#3 坂

    二人乗りで坂を下っている陽平と佳代
陽平 「ごめん、ちょっと部活抜け出すにてまどってさ」
佳代 「また?いい加減やめちゃえばいいのに」
陽平 「てかお前も同じ部活だろうが」
佳代 「まあ、それはいいじゃん」
    二人の後姿、目の前は海



タイトルイン




#4 

   投げ捨ててある自転車と二つの鞄



#5 海・夕方

   海に立ち尽くす二人・水浸し
陽平 「いやー」
佳代 「いい海ですね」




#6 同砂浜・夕方

    二人並んで座っている。
    足を砂に埋めている佳代・あめをなめている
佳代「砂暖かい(あめ舐めながら)」
陽平「え?よく聞こえない」
    佳代足にさらに砂をかけながら
佳代「暖かい・・・」
    陽平また聞き取れない、ポケットからタバコを取り出す
    佳代、陽平が咥えたタバコを取り上げる
    佳代、笑顔
佳代「禁煙」
    舐めているあめを無理やり陽平の口に入れる
陽平「う!」
    元の位置に戻り、足に砂をかける佳代
    黙ってあめを舐める陽平
    海岸では散歩をしている老夫婦と犬
    あめを口から出す陽平
陽平「そういえばさ佳代、いつだっけ・・」
佳代「ぎゃぁーーー」
陽平「え、なに、なにさって、ちょっと!」
佳代「いや!ちょっと!ちょっと!」」
    佳代、陽平を引っ張って、立ち上がらせ壁にする
    陽平の前には先ほどの老夫婦の犬
陽平「って犬かよ・・・・まったく・・・(犬に向かって)よしよし、遊びたかっただなお前
    ほら、飼い主が呼んでるぞ。よしよし、ほら行け」
    頭をなででやり、満足したように走り去っていく犬
    老夫婦謝りにくる
陽平「大丈夫ですよ」
    老夫婦謝って帰っていく
    陽平手を振って見送る
    佳代のほうに振り返る陽平
陽平「(少し笑いながら)なに慌ててんだよ、たかが犬じゃない。
     そんなに怖がることないだろうに」
佳代「(泣きそうな顔)人間誰でもひとつぐらい怖いものはあるよ」(保留)
陽平「だからってあんなに怖がることもなかろうに・・・ってあれ? 
     ・・・飴は・・・」
     辺りを見回す陽平
     砂浜にあめが落ちている
     拾い上げる陽平
陽平「あーあ、砂だらけになっちまった」
     あめを取り上げる佳代
     口に入れ、舐める
陽平「(驚きの顔)」
     口から出し、陽平の口に入れる佳代
陽平「(驚きの顔のあと恥ずかしかる)」
    佳代、陽平の顔を覗き込む
佳代「どうしたの・・・・(いたずらっぽく)どうしたのぉ」
    陽平無言で座り込む
    佳代も笑いながら横に座る
    海辺には二人きり
陽平「(あめを舐めながら)しょうぇばしゃ」
佳代「なに?」
    陽平口からあめを出す
陽平「佳代はさ、いつ死ぬんだっけ、前から言ってたじゃん死ぬって。」
佳代「え、八月21日」
陽平「てか、いつも思うんだけどなんでわかるのそんなこと」
佳代「んーなんて言えばいいのかな、んー(悩む佳代)そうだ
    あれだよ、あれ」
陽平「なに」
佳代「うん、あれだ」
陽平「だからなに」
佳代「女の勘」
陽平「・・・・ふーん」
佳代「あ、信じてないでしょ」
陽平「信じるも何もお前どっか体悪いわけでもないし」
    佳代を見る陽平
陽平「(赤面)」
佳代「なに?」
陽平「・・・頭は悪いか」
佳代「だれが?」
陽平「いや、なんでもない・・・んじゃさ、どうやって死ぬのさ」
佳代「んーそこまではわからないんだなぁ」
陽平「犬にかまれてショック死とか」
佳代「だから」
陽平「ごめんごめん・・・・・・・・・そしたらさ佳代」
佳代「ん」



#7  校門前

    校門から学生服の格好で二人でてくる
M陽平「(言いづらそうに)死ぬ前日に、あの、学校抜け出して、さ、旅行って言うのはどう」
M佳代「エー死ぬときは家でゆっくりと死ぬって決めてるの」



#8 海辺の道

    二人乗りで歩道を走っている
M陽平「ま、まあ、あのさ、死ぬ前の記念作りとしてさ」
    後ろから使い捨てカメラでツーショット写真を撮ろうとする佳代
M佳代「何の記念作り?」    
M陽平「え・・」
    バランスを崩す陽平
    バランスを立て直して走る自転車  
M佳代「ま、楽しそうだからしてみます?」
M陽平「お、おっしゃ、んじゃやりますか」



#9 大仏前

    大きな大仏を見上げている二人
陽平「・・・・ふ、でかっ」
佳代「・・うん」



#10 ある土産屋 

    二人並んで立っている、
    目の前には数あるお土産の中で、
    手のひら台の大きさの大仏がある。
佳代「かわいい」



#?

    いろいろなところを観光している二人(未定)



#11 上り坂

    必死にこぐ陽平とそれを後ろから押す佳代



#12 コンビニ

    お菓子売り場であめを買っている佳代
    雑誌コーナーで旅行情報誌を読んでいる陽平
    雑誌の中でラブホテルの情報が開いている
    財布の中身を確認する陽平
佳代「なに見てるの」
陽平「うあ、おい、いや、なななんでもない」
    じゃれあう二人


#13 車のとおりが多い道路

   けんかをしている二人
佳代「だからなんでこうなるのさ」
陽平「だから仕方がないだろ、チェーンが切れたんだから」
   チェーンが切れた自転車
佳代「だからなんで自転車で旅行なのよ!」
陽平「佳代が重いからきれたんだよ!」
佳代「あー普通そういうこというわけ」
陽平「なんだよ」
佳代「なによ」 


#14 道

   自転車を一人で押す陽平
   少し離れて歩く佳代


#15 田舎の寂れた商店街の古い自転車屋(夕方)

   自転車屋の前に立っている陽平
   ででくる自転車屋の主人(40
陽平「どうですか?」
主人「ちょっと時間かかるね、そうだなぁ、明日の朝に取りにきてよ」
陽平「マジですか・・・わかりました。で、いくらですか?」
   主人五本指を陽平の前に出す
陽平「へ?」



#16 同商店街の路地(夕方)

   地べたに座り込んでいる佳代
   陽平が缶ジュースとキャンディーを持ってやってくる
佳代「(近づいてくる陽平に気づいて)・・・・・・」
陽平「(佳代にキャンディーを渡す)はい・・・」
佳代「(受け取りながら)・・・・・ありがと・・・」
   黙って並んで座っている二人
陽平「・・・・あのさ・・・・」
佳代「なに・・・」
陽平「・・・すみませんでした」
佳代「・・・・・もういいよ」
陽平「・・ありがとうね・・・でさ・・・」
佳代「ん?」
陽平「佳代お金もってる?」



#17 住宅街の民家(夜)

   ピンポーン・ピンポーン
   主婦(45)がでてくる
主婦「はーい」
  佳代と陽平が二人して立っている。
陽平&佳代「あのー」
   二人がなにやら主婦と交渉している
   なにやらすごく喜んでいる二人



#18 主婦の家の空き部屋(夜)

   部屋には布団が一組置いてあり、二人が布団
   に背を向けて寝ている。
佳代「よかったね、部屋借りれて、布団は一組しかなかったけど
・・・気を使ってくれたのかな」
陽平「・・・・・」
佳代「それにしてもついてなかったよね、自転車のチェーンが切れるなんてさ
なんかもうやってられないって感じ?」
陽平「・・・・・」
佳代「あ、て、てゆうか、あれだよ・・・・一日自転車旅行というのは疲れるよね
色々な所いったしね・・・」
陽平「なあ佳代」
佳代「はひ?(驚き)」
陽平「佳代はさ・・・明日死じまうんだよな」
佳代「・・・・・・うん」
陽平「そっか・・・・・・なんとかならないか・・・」
佳代「・・・ごめんもう決まってることだから」
陽平「そうか・・・・わかった・・・・おやすみ」
佳代「・・・・・おやすみ」



#19 主婦の家玄関外(朝)

   お礼を主婦に言っている二人



#20  道路

   二人乗りした自転車が道を走ってる
陽平「・・・・・・・・」
佳代「・・・・・・・・」
   走る自転車
佳代「・・・もう着いちゃうね」
陽平「ああ」
   走る自転車
陽平「・・・・・・佳代」
佳代「・・・・・・」
陽平「死ぬな・・・・・」
   走る自転車
陽平「死ぬなああああああ!!!」
佳代「・・・・・・」
陽平「死ぬなあああああああ!」
佳代「・・・・・・」
陽平「死ぬなああああああ!!!!!!!!!!」
佳代「・・・・・・馬鹿}
陽平「死ぬなあああああ!!!!!!」
   スピードが上がる自転車
陽平「ああああああああああああああ」
佳代「あああああああ(陽平のまねをして)」
   スピードが更に上がる
   海が見えてくる
陽平「海だああああああああ!!!!」
佳代「海だああああああ!!!!!」



#21 海

   自転車が投げ捨ててある
   車輪が回っている



#22 海岸

   海に走ってくる二人
   豪快に砂浜にこける陽平
   そのまま走って海にひざ下まで入る佳代
陽平「佳代!」
   振り向く佳代
陽平「あ、あのさ、・・佳代・・・し・死なないでくれ。おれ、お前のこと
好きだから、好きだから!たのむ!死なないでくれ!!」
   陽平を見つめる佳代
陽平「それにさ、俺たちまだ記念作りもしてないじゃん。
また旅行もしたいし・・・・もっと二人でいたいからさ・・死なないでくれ佳代!」
   海辺には二人
   海のほうを向く佳代
佳代「(大きく息を吸って目をつぶり)私、山本佳代は!今日8月21日死ぬ
はずだったんですが!私の好きな人がどうしても死ぬなというので!
やっぱり死ぬのをやめます!」
   陽平
佳代「やめまーす!」
   おおきく息を吐いて、海を見る佳代・・・・・・すこしうつむいてから
   陽平のほうを向く
佳代「・・・・・・(真顔から笑顔になり)・・・・・・・ごめん」
陽平「え」   
海に倒れる佳代
陽平「おい・・佳代!佳代!」
   佳代の元に走っていく陽平



#23 高校校門

   校門から自転車に乗って出てくる陽平


#24 公園

   公園の前に自転車を止める陽平
   ベンチを見つめる陽平
   自転車が走り出す


#25 海

   自転車と鞄がひとつ置いてある


#26 海岸

   海を見つめて座っている陽平、タバコに火をつける
   犬が寄ってくる
陽平「(犬の頭をなでながら)よしよし・・・・・佳代がいたら落ち着いて
頭もなでられないもな、よしよし・・・お前は佳代に好かれてなかったもな」
   離れて行く犬
陽平「でもよかったな、もうギャ-ギャー騒がれこともないし・・・・タバコ
とめられることもないし・・・・・・なあ・・・・・・」
   うつむく陽平
陽平「なあ・・・・・・佳代・・・・・・・」
   砂浜には陽平一人、ただ波音が響く



スタッフロール(ちょい明るい曲をバックに)



おしまい


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