<< 夢の中で >>
どこまでも、しつこく申しますが・・・
これは絶対に！！！ フィクションですから・・・！！！ ^^；
＜＜ 夢の中で ＞＞
彼とは・・・同じプロジェクトで知りあった。
一般的にいう「いい人」で、ちょっと真面目過ぎるかな・・・という印象。
『 たまたま・・・』 と 『 偶然 』から始まって、気がつくと、『 いつも私のそばにいてくれる 』
・・・そんな人になっていた。
いつの間にか彼の優しさに惹かれていた。
そして極めつけは、彼の声。
学生の頃はバンド活動もしたことがあるらしく、ギターと歌が上手かった。
『 好きだよ。ずっと僕のそばにいて・・・』と、ささやかれた夜、小さなカラオケのあるバーで
私のために歌を歌ってくれた。
甘いバラードだった。
胸が震えた。
それで堕ちたと言ってもいい。
彼の愛が嬉しかった。
音楽の道へどうして進まなかったのかと聞いたことがあった。
「 現実は厳しいんだよ。」
と、あっさり答えた。未練はなかったらしい。
『 創り出すこと 』が好きなだけあって彼の企画は評判がよく、やはりこの仕事の方が天職だったのかもしれない。
歌っている彼もすてきだったけど、仕事に熱中している彼も魅力的だった。
私の誕生日。
照れ屋の彼がプレゼントと一緒に薔薇の花束を抱えて現れた。
彼に初めて貰った花束に感激して、思わず私の方から抱きついてしまった。初めて･･･。
その夜、彼の甘いラブソングを聴きながら眠りについた。
そのせいなのか・・・夢を見た。
彼がステージでギターをつまびきながら、歌を歌っている。
たくさんの観客に声援を送られていた。
いつもの甘い声で歌うバラード。
私もその観客の中のひとりだった。
舞台が終わった後で、彼は観客一人ひとりと握手をしていた。
私も・・・彼に手渡す花束を抱えて、少女のように胸をときめかせながら彼との握手を待っていた。
順番がきて、私が彼の前に立つと・・・
初めて会うはずなのに、彼が私の名前を呼びながら抱きしめてくれた。
『どうして私の名前を？』
・・・そう思ったとき、目が覚めた。
「夢をみていたの？」
と、彼が私の顔を覗き込んでいる。
「どうして・・・夢を見ていたのがわかったの？」
現実に戻りながら、私はさっきの夢を思い出していた。
彼は少し不機嫌な顔をしている。
「男の名前を呼んでた。」
「え？」
夢には、他に男の人なんて誰もいなかったはずなのに・・・。
「嘘よ・・・！ そんなはずはないわ。」
否定するしかない。 実際、覚えがない。
「嘘じゃないよ。 どんな夢みてたの？」
私を抱きしめながら彼が聞いてきた。
彼がスネている顔は初めて見た。
じらすのもちょっと楽しいかも・・・。
夢のことを話すのが惜しくなってくる。
「ここにいる僕以外のそいつと・・・何してたのさ・・・？」
「ねえ・・・ヤキモチをやいてるの？」
それには答えず、彼が私の髪をなでる。
でも、いったい私は誰の名前を呼んだのかしら・・・
「私、なんて言ったの？」
彼は急に優しい顔になって、クスッと笑う。
「僕の名前だった。 『ヨンハ♪』って言ってた！」
そう言うと、彼は顔を近づけて私の言葉を封じてしまった。
おわり♪
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