森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2013.05.25
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本来人間の行動は、そのきっかけとなる外部の出来事があり、それに対して感情が湧いてきて、積極的な行動へとつながります。

たとえば、「火事になった」「身の危険を感じた」「急いで逃げる」という流れになります。
また、「腹が減った」という出来ごとに対して、「ご飯をたべたい」という欲求が湧いてきます。それから「食事を作るか食べに行く」という行動がでてきます。
つまり「食べる」という行動には「腹が減った」という動機が関わっています。でも動機が直接的に行動へと結びついているわけではありません。あくまでも「ご飯を食べたい」という「感情や意志の力」が介在しているのです。だから、人間が生きていく上において、「動機の発生」と「感情の高まり」はとても大切なのです。

ところが「かくあるべし」でこうしなさい、ああしなさいと他人からの指示を受けて行動するということは、「動機」もない、「感情や意志の力もない状態」でいきなり「行動を要請される」ということになります。本来は感情を介在させることで自主性や積極性が生みだされるのです。それが抜け落ちてしまうのです。

最近の子どもたちは指示待ち人間が多いといわれます。それは親の「かくあるべし」教育が影響しています。「勉強しなさい」「早く風呂へ入りなさい」「部屋をかたづけなさい」などと親や先生が指示を出してそれに従がわせる教育がおこなわれています。
一見素直でよい子が育つように思いますが、とんでもない間違いです。とても危険な兆候です。感情を介在させないために自主性や積極性が育ってこないのです。

指示に慣れた子供は、指示がなくなった途端に何をしていいのか分からなくなってしまいます。これは人間の見世物として動物に曲芸を教えるようなものです。そうして子供を育てていると、子供自身自分の中の欲求や感情、判断力に信頼がおけなくなってくるのです。人の指示、命令に頼りおどおどした無気力、無関心、無感動な人間になってしまいます。

指示、命令、批判で人を動かすことは、神経症の子どもを作り出すようなものだと思います。森田理論では「かくあるべし」の発生と苦悩の始まり、事実本位、物事本位の学習でそのことを深めて学習してゆきます。





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Last updated  2013.05.25 07:11:12
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森田生涯 @ Re[3]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ 今の生活は日中のほとんどが…
stst@ Re[2]:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、返信アドバイスをしていただ…
森田生涯 @ Re[1]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ コメントありがとうございま…
stst@ Re:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、こんばんは。 過去に何度かコ…
軸受国富論@ Re:森田の正道を歩むとはどういうことか(06/05) かの有名なドクターDXの理論ですね。ほか…

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