森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2014.08.11
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カテゴリ: 物の性を尽くす
セブンイレブン本社は面白い会社である。直営店舗はほとんど持たない。
惣菜や弁当を作る会社を一切持たない。
倉庫や運搬車両などの物流システムは一切持たない。
店舗で働く人を一切持たない。
つまり土地や建物、人に至るまでセブンイレブンのものではないのである。
最初に事業を立ち上げた時は資金もなかった。
だから早く上場して資金さえも人様のものを活用しようと考えてやってきた。
持っているのは常に自己変革を続ける頭脳のみである。

つまりセブンイレブン本社は所有することよりも、他人の持っている物を活用することのみを考えてきたのである。

本来会社が大きくなると自社ビルを建て、土地を買い集め、M&Aで子会社を増やし、社員を増やしていく傾向にある。
これに対してセブンイレブンは真っ向から反対の経営を貫いてきた。
セブンイレブンは自らの事業目的を達成するために、それらの経営資源を持っている人にお願いして協力してもらっているのである。
自分はアイデアだけを出す。そして粘り強く、それらの経営資源を持っている人を説得してきたのである。
つまり単独では意味のないものを、一つの経営理念の下で効果的、有機的に結びつけてきたのである。
かたくなに所有ではなく、活用という立場に立脚しているのである。

所有は限界があるが、活用は無限に広がる。
これを鈴木敏文氏は次のように説明される。
「なぜみんなは、自分のものを持つことにこだわるのだろうか。
それなら会社が大きくなってきて、社員の出張が増えたからといって、はたして飛行機を持つであろうか。
いや仮に飛行機を持つことだけなら持てるかもしれない。

管制はどうするのか。
こう考えていったら、何でも自分の所有にこだわることがいかにナンセンスかわかってくる。
世の中には専門、専門がある。その専門に生命をかけているものがいる。
その専門機能を活かして用いればよいではないか。
何から何まで自分でやる必要なんかない。」


自分の性をつくす、他人の性を尽くす、物の性を尽くす、お金の性を尽くすなどとても参考になります。

自分のやりたいことや目標をしっかりと持つ。
それを達成するために、自分のできることは最善を尽くす。
しかし、何でもかんでも自分一人でやろうとしないこと。
人に依頼すれば短時間に安価によりよいものが手に入ることが多い。
そういうものは思い切って専門家に協力依頼する。
自分はコーディネーターになったつもりで、うまくまとめて活用していく。
そして大きな目標に近づいていく。このスタンスが一番うまくいく。
すると自分も活かされ、他人も物もともに活かされることになるのである。
(創造的破壊経営 緒方知行 小学館文庫参照)





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