森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2014.10.21
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歳のあまり離れていない二人の男の子供がいたとします。
お兄ちゃんはこうちゃんという名前です。弟はゆきちゃんといいます。3歳違いです。

こうちゃんが仮面ライダーのテレビ番組を見ています。
ゆきちゃんがお母さんの所へ来て、「お兄ちゃんが僕の好きなDVDを見せてくれない。」と言いました。

さて親のあなたならどう対応しますか。
「こうちゃん、ゆきちゃんにも見せてあげてちょうだい。」と言いますか。
それとも、「今お兄ちゃんが見ているんだから、ゆきちゃんは後でね。今は我慢しなさい」と言いますか。
どちらもパッとしませんね。子供のけんかに親が口出しているようなものです。

森田では、まず弟のゆきちゃんに共感の態度で受け止めてあげるのがよいといいます。

親としての言いたいことは、一旦抑えて、子供の気持ちを聞き、理解していることを、言葉や身振りで伝えることが大切です。

お母さん 「そう、お兄ちゃんがゆきちゃんの見たい番組を見せてくれないんだ。」
ゆきちゃん 「そう。だからお母さんからお兄ちゃんに僕に見せるように言って。」
ここでゆきちゃんの一歩的な味方になってはいけませんね。
お母さん 「うん!でも今お兄ちゃんが見ているからね。」「ゆきちゃんだったらどうしたらよいと思う。」「お母さんにもどうしらよいかよく分からないよ。」
といって、しばらくじっとゆきちゃんの出方を見守ることです。

しばらくして、ゆきちゃんが言いました。
「よし!お兄ちゃんに見せてもらうようにまた頼んでみよう」
これはゆきちゃんにとって、一種の自立心の発露です。

ところがしばらくして、ゆきちゃんがお母さんの所へもどってきました。
「お兄ちゃんやっぱり見せてくれないよ。お母さんからお兄ちゃんに言ってよ」


「うーん」しばらく考えていたが、ゆきちゃんはついにいいことを思いついた。
「夕方ある僕の好きな番組はお兄ちゃんに見せてくれるように頼んでみよう。」
そういって、お兄ちゃんのところへ、次のチャンネル権確保のために交渉に行ったのである。
これは、工夫創意が働いたということです。そして再度の交渉に向かったのです。
これはお母さんがゆきちゃんに共感的に接して、しかも結論を子供にゆだねたということで可能となったことです。


過干渉と過保護の繰り返しです。子供の自立心や創意工夫、交渉力の芽を最初から摘んでしまうことになります。
子供の要求は理不尽なことも多く、親としてもどう対応したらよいか分からないことが多いと思います。
こういう場合は、子供の思いをよく聞いてみる。言い分についてはよく理解してやる。
次にどうしてよいか分からない時は、どうしたらよいか親も分かりかねているという態度をみせるしかない。それしか見せようがない。

ああでもない、こうでもないと考えているうちに、子供の方から折り合いをつけてしまうものだと森田先生も言われています。
最悪な対応は、親の「かくあるべし」を子供に押し付けることである。
これは子どもを自分の分身のように扱うことです。
これは神経症を作るもとになります。
短絡的な対応はぜひとも避けたいものである。





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Last updated  2014.10.21 06:43:44
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