森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2015.04.04
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カテゴリ: 物の性を尽くす
今日は「物の性を尽くす」ことについて考えてみたい。
「なんでも鑑定団」というテレビ番組がある。
家に眠っているお宝を鑑定の専門家に鑑定してもらう番組である。
鑑定後に必ず鑑定額が示される。あまり大切にしていなかったものに高値がつくことがある。
一般的に有名な陶芸家、画家、書家、技工士等の作品には思わぬ高値がつく。
反対に本物と信じて疑わなかったのに、真っ赤な偽物と分かりがっかりするケースも多い。
出演者の口にすることが面白い。
「もし高かったらこれを売って家族で海外旅行に行くための資金にしたい」
ここで言うものの価値はなんで決まるのか。

一言でいえば、高い鑑定額がつくかどうかということである。
その経済的価値一辺倒で一喜一憂しているのである。
拝金主義の現代の価値観をそのまま反映しているのである。
ここにはものそのものに対する存在価値を認めるという考えは希薄である。

次に2006年滋賀県知事に当選した嘉田さんの「もったいない」という言葉がある。
少し不便さを我慢すれば無駄遣いが防げる。
欲望のままに無駄遣い、浪費、使い捨てすることはいけません。
そんな生活を続けていくと早晩石油資源、森林資源、海洋資源、鉱物資源等が枯渇してきます。
さらにゴミ処理問題、地球の温暖化などの環境汚染を招き人類の生存に悪影響を及ぼします。
だからまだ利用価値があるのに使い捨てするのはやめましょう。
欲望を抑えて浪費や資源の無駄遣いはなくしてゆきましょう。

なくても生活できるのなら多少の不便は我慢して生活してゆきましょうという考え方です。
つまり欲望の暴走を抑えて永続性のある社会を作りましょうという事です。

これに対して森田理論の言う「物の性を尽くす」という考え方は何をいっているのか。
物にはそれぞれに存在価値があります。自分には自分の存在価値があります。
他人には他人の存在価値があります。

存在価値を忘れて、経済的価値、利用価値、評価価値で優劣の判断を付けているのです。
存在価値よりもそちらの方の価値に意味があると考えているのです。
でもそれは違いますよと教えてくれているのです。

その考えによると、「かくあるべし」で考えた理想、完全、完璧な状態のものだけを評価していくということになります。
比較して見劣りするもの、価値のないものは簡単に見捨てられてしまいます。
安易に新しいもの、すぐれたものと取り換えようとします。

森田では生きとし生けるものすべてに存在価値があります。
その独自の潜在価値や潜在能力を発掘しましょう。
それを土台にして出発して、めいっぱい活用する。
さらに磨きをかけて伸ばしてゆきましょう。
新しいものに買え変えたりする前に、そのものの利用方法を考えてみましょう。
人間についても、ないものねだりをして自己改造を目指すのではなく、元々自分や他人にそなわっている特徴、性格、能力を活かしていくことに力を入れてゆきましょうと言っているのです。
これは事実をそのまま認めていく生き方につながります。





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Last updated  2024.04.06 23:36:57
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森田生涯 @ Re[3]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ 今の生活は日中のほとんどが…
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