会社の中で、人間関係の悩みを抱えている人が多い。
何かにつけて自分のこと無視される。からかわれる。軽蔑されていると思っている人。
仕事のスピードについていけない。能力的に自分はだめな人間だと思われているのではないか。
いつもノルマは達成できないので、グループのお荷物扱いされている。
ミスや失敗をすると、上司や同僚から激しく叱責される。
こういう予期不安でいつも針のむしろに座らされているような気持ちを持っている。
会社の中での言動はいつもビクビクハラハラしている。
こういう人の特徴は、自分で自分が好きになれない。
専守防衛で、注意や意識が自分にばかり向いている。
まったく自己主張ができない。
心の中では相手と違う気持ちを持っていても、言いたいことを我慢している。
耐えてばかりいるので、ストレスが溜まりっぱなしである。
アルコールやギャンブル、ネットゲームや風俗、買い物やヤケ食いで憂さをはらしている。
そんな自分を見て、会社の仲間たちはますますけむたがっているようだ。
女子社員にさえ、 「本当に大学を出ているんですか」とか「転職をされた方がいいんではないですか」などとあからさまに言われる。
いつも退職のことを考えている。でも生活のことを考えると、やめるにやめられない状況だ。
薬物療法を受けているが、胃がキリキリと痛む。夜中に眠れない。死ぬことを考えることもある。
こういう状態は、注意や意識が会社の人間関係にばかり向いている。
本来は注意や意識の大半は仕事に向いている必要がある。
仕事をする上において良好な人間関係を築くことは大切ではあるが、それが最大の目的ではないはずだ。
最初は仕事について自立することが目的だったのだが、そのうち対人関係を上手にこなすことに目的はすり替わってしまった。
いまや「自分は月給取りという鳥である」という考え方には立てそうにもない。
精神交互作用でアリ地獄の底に落ちたようなものだ。
もがけばもがくほど深めに落ちていってしまう。
このことをまず自覚することが必要だと思う。
次にすることは精神科の医師の療法を受けることである。
さらに臨床心理士によるカウンセリングを受ける。
そして生活の発見からの集談会に参加する。集談会にはこうした悩みを持った人たちがたくさんいる。
これは岡田尊司氏が言われているところの、「心の安全基地づくり」にあたる。
グチや悩みを吐き出したりできるグループを見つけ出すことがとても大事なのである。
それが配偶者であればよいのだが、そのような関係ではないことも多い。
その点集談会はうってつけである。
その他、祖父母、いとこ、同級生、以前勤めていた会社の同僚、昔の仲間などもその候補である。
会社の人間関係だけで凝り固まり、四面楚歌状態で孤立することは避けなければならない。
次に、仕事以外で自分の好きなことや、自分の得意なことに取り組んでみることである。
旅行、観劇、スポーツ観戦などを思い浮かべる人も多いようだが、自分の頭や手足を動かすようなものがよい。花を育てたり、家庭菜園を始めるようなものだ。
そうすることで、仲間づくりにもつながればもっとよい。
趣味や夢や目標を持つことで、会社での人間関係一辺倒を避けることができる。
人間関係にとらわれていると、仕事が上の空になっている。
ますます仕事が停滞し、ミスや失敗を繰り返すという悪循環になっている。
そういう人は、仕事をしている中で、どんな小さなことであっても気づいたことをすぐにメモする習慣を作った方がよい。むしろ小さければ小さいほどよい。
できてもできなくても、ストックを沢山貯めることだ。それを1つずつ片付けて線を引いて消していく。
できれば他人の役に立つことなども積極的にメモするようにするといい。
簡単な物や納期の急ぐものから片付けていく。
注意することは、完全主義に陥ることなく、 6割から7割程度を目指すことだ。
会社での対人関係で悩んでいる人は私生活が乱れていることが多い。
毎日規則正しい生活を続けることが大切である。
森田理論では、外相を整えることを大切にする。形が整っていれば心はおのずから整ってくるのである。
当面、会社の人間関係では朝夕の挨拶はきちんとする。
仕事の上で必要な話だけはきちんとする。それ以上の付き合いはしなくても構わないと思う。
最後にもう一度繰り返すと、会社勤めは生活費を稼ぐことが一番の目的です。
人間関係をよくすることはその手段に過ぎない。そこに振り回されてはならないのだ。
会社の人間関係で破綻していると思っている人は、当面は「月給鳥という鳥」になって安易に辞職しないことをお勧めしたい。
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