森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2019.07.14
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次のように言う人がいる。
「理想の自分ばかり見て、現実の自分を裁いていました」
「頭では理解できるのですが、かくあるべしがとれません」
「どうすれば自己肯定感がもてるのですか」

この方は、森田理論学習によって「かくあるべし」の弊害について理解されたのだと思います。
現実や事実を把握する前に、是非善悪の価値判断をして自分を裁いていた。
観念や理想通りの人間にならなければならないと叱咤激励していたのです。
上から下目線で現実の自分を否定するのが常態化していたことに気がついた。
それが葛藤や苦しみを生みだして、神経症へと陥っていった。


そして現実や事実に寄り添って、事実本位の生活態度を身につけていきたい。
そうすれば、ありのままの自分を受け入れることができる。
自己肯定感が生まれてくれば、自分の中で思想の矛盾が解消されるので、楽に生きていけるようになる。

でも「かくあるべし」を減らすために具体的にどう行動すればよいのか皆目見当がつかないという悩みを抱えておられるのだと思います。私は次のようなことをお勧めします。

・森田理論学習によって「かくあるべし」の弊害は常に意識していく。
・「かくあるべし」を少なくするよりは、事実本位の生活態度の養成に力を入れる。
そのために以下のことに注力していく。

・事実を先入観や決めつけによって軽々しく扱うことを止める。
過去の経験で事実の予想ができることでも、改めて事実確認を行う。観察に徹することである。

・事実を口にするときは、具体的、赤裸々に話すようにする。抽象的、隠しごとをしてはならない。

・事実を見て是非善悪の価値判断をしない。事実を認めて、そのまま受け入れるように心がける。



・他人から温かい言葉をかけもらったときや何かをしてもらったときは、「ありがとう」と感謝の言葉を口にする。これを習慣づける。

・「あなたメッセージ」から「私メッセージ」の発信に切り替えていく。
「私」を主語にして話すことだ。「私はこう思う」「私はこうしてくれたらうれしい」など。

・森田理論の「純な心」を自分の生活の中に取り入れる。
初二念の感情が湧き起こったときに、「ちょっと待て」と自分に声掛けをして初一念に立ち戻ることだ。


その溝を少しでも埋めるために、歩み寄ったり、妥協していくのが対人関係のコツだ。

これ以外にも、それぞれ心がけておられることがいろいろとあると思う。
森田理論の学習会の場などで話し合ってみてもらいたい。
そして、これはと思うものをぜひとも実行してほしい。

これらを実行することで、非難、否定、説教、命令、指示、禁止、叱責することが少なくなり、自己受容、評価、感謝の態度が増えてくれば、事実本位の生活に着実に近づいているのです。





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Last updated  2019.07.14 06:38:09
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