森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2019.10.26
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​​ティモシー・ギャロウエイの著書に「インナーゲーム」がある。
コーチングのことが書いてある本です。

彼はその中で、「 一人の人間の中には二人の自分がいる 」といっています。
一人は、本能的に知っているプレーをしようとする自分(セルフ2)です。
現状を打開してなんとか上手にプレーできるように努力しようとしている自分のことです。
もう一人の自分は、その自分に命令を出し、よい悪いと評価をし、もっとうまくやらせようと叱咤する自分(セルフ1)です。

何かに無心に取り組む自分(セルフ2)を、もう一人の自分(セルフ1)が冷たい目で眺め、「そんなことじゃダメだ、もっとうまくやれ」と囁きます。
セルフ1の声が聞こえた途端、私たちは緊張し、本来セルフ2が知っているはずの最高のプレイができなくなります。セルフ1はまるで、口うるさい親や上司のようです。


コーチの仕事は、対象者の心をセルフ1に支配させずに、セルフ2に自由にプレーさせることです。
それこそが、人間の潜在的な能力の発揮であり、コーチの役割なのです。
(コーチングの技術 菅原裕子 講談社現代新書 参照)

よりよく生きたい。夢や目標を実現したい。人様の役に立ちたい。
などと思っている自分を、押しとどめているもう一人の自分がいる。
この考え方は驚くべことですが、そういわれればそうだと思う人が多いのではないでしょうか。
そんなに苦しい思いをしなくてもいいじゃないか。
そんな煩わしいことにかかわり合わないで、他人に任せたらどうだ。
もっと快適で楽ができることを存分に味わって生きようよ。

こういう考え方にどっぷりと浸かってしまうとどんなことが起きるでしょうか。
セルフ1の力が強くなって、セルフ2を軽蔑するようになります。

次第に自己嫌悪、自己否定するようになります。
現実や現状は否定するために存在しているようなものです。
自分の存在ややることなすことすべてにおいて、批判的、否定的に眺めているので、精神的には本当に苦しいものです。これが神経症の発症の大きな原因となっています。

セルフ1の力を弱めて、骨抜きにしてしまうことが重要になります。
セルフ1の言うことは、参考程度にとどめて、あくまでも現実、現状、事実にしっかりと根を張って生きていくことです。

森田理論学習では、その方法について幾つも提案しています。
決めつけや先入観を排除して事実の裏をとる。事実を観察する。具体的に赤裸々に話す、価値批判しないで事実を把握する。両面観、純な心、私メッセージ、自分中心の生き方、win winの人間関係の構築などです。
これらを身につけて、少しでも「かくあるべし」を減らして、事実本位の生活態度を身に着けたいものです。そうすれば神経症的な葛藤や苦悩は激減していくはずです。

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Last updated  2019.10.26 06:44:08
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