森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2020.11.25
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第52回の形外会で井上さんが次のように発言されている。
みんなの前で森田先生から、井上君は読書恐怖が治ったといわれると、自分は治ったような気がしないが、治ったふりをしていたら、いつの間にか治ってしまった。

次に根岸さんも同じことを言っている。
退院後に治ったと思ったが、そのうちにまた治らない。
しかし森田先生が、治ったというから、仕方なしにその通りにしていたら治ってしまった。

この二つの話から分かることは、第三者から見て神経症が治ったと見立てているのに、主観的には治っているような気がしないのが普通であるということです。
特に強迫神経症の場合、不安にとらわれやすいという気質は変わらない。
実践・行動すればするほど、不安はどんどん発生してくるので、とても治ったと宣言できない。
不安に振り回されないで、目の前のなすべきことに取り組みたいという気持ちが強いので、どうもすっきりと治ったと宣言できないのでしょう。


細かい気持ちの事を、とやかく言うのではない、といわれています。

このことを分かりやすく言うと次のようになると思います。
1、不安を抱えながらも、目の前のなすべき課題に取り組む習慣が身についている。
2、「かくあるべし」で物事を判断する態度が後退して、常に事実に寄り添い、そこを基点にして生活する態度が身についている。

こういう段階に到達すると、不安、恐怖、違和感、不快感などは問題にならなくなるのです。
それ等に関わるよりも、日常茶飯事、仕事、勉強、家事、育児、課題、問題点、趣味、夢、目標などの事を問題にすることが多くなるのです。
生活に即した考え方をするようになるのです。
時々不安に押しつぶされるようなことがあっても、この段階に到達していれば、神経症を克服したと宣言してもよいのです。

森田先生はこの段階は、小学校、中学校卒業程度にあたるといわれています。
それで十分なのですが、神経質性格者は生の欲望が強いので、その上の高校、専門学校、大学、大学院を目指していただきたいといわれています。

これを私なりにまとめてみました。


4、自分のつかみ取った森田理論の内容を、まだ森田理論を知らない神経質性格者に伝承していくこと。

5、人間社会は昔から欲望が暴走して、幾多の惨禍を繰り返してきた。
これは人間の欲望が暴走してきた結果である。
森田理論は生の欲望の追及は必要ではあるが、同時に抑止力も必要であると指摘している。
つまり欲望の暴走は抑止力を働かせて調和・バランスをとる必要があると教えてくれている。


私は、1、2で救われたので。次に3、4、5の方向を目指していきたいと考えています。





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Last updated  2020.11.25 06:20:05
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