森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2021.10.05
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生活の発見誌の10月号に神経症が治るということについて、明確に説明されていました。

これは自分の神経症がなくなることではなく、神経症は相変わらず存在する。
以前と違うのは神経症の占める割合が変わってくるのである。
今までは神経症が自分の意識の全てだった人が、今は自分の神経症を治すことよりもっと大事なことに気づき、そして、その方向に意識が向き、努力して人間的に大きく成長しているのである。その結果、神経症が次第に気にならなくなり、人間が本来持っている自然治癒力が働き、消滅するのではないかと思っている。

私はこの考えに全面的に賛同します。
神経症は自分が気になることに注意や意識を集中することによって起こります。
自分の気になることを、跡形もなく無くするということはできません。
仮に無くしても、不安にとらわれやすいという神経質性格を持っているわけですから、別のことが気になり、今度は別なことにとらわれるようになるでしょう。
イタチごっこが続くということです。


30%も下がった人は、周りから見るとほぼ克服したように見えます。
本人はとらわれが強くて苦しいと思っていても、注意や意識の30%は症状以外のことを考えているわけです。その瞬間は全面的に症状とかかわってはいません。
不十分ながらも、仕事、衣食住、子育てや教育、趣味、友達、親戚、近所付き合いの問題や課題に取り組んでいるのです。方向性とすれば、さらに比重を下げるべく努力すればよいのです。
凡事徹底のことです。ある程度軌道に乗ってくれば、ものそのものになって取り組むようにすれば、鬼に金棒です。

この時点で森田から離れても構わないのですが、一度立ち止まり、神経症の成り立ちを学習しておくと再発防止に役立つと思います。森田理論の学習をしておくとよいのです。

とらわれることによる生きづらさを抱えている人は、さらに森田理論を深耕することが有効です。生きづらさを抱えて苦しんでいる人は、頭でっかちの人です。
分析力に優れて、論理的、建設的、創造的に考えることができる人です。
つまり頭の良い人なのです。それを過信して、観念優先で物事を理解して、理想や完全の立場から現実問題を解決しようとしている人です。それが可能であると信じて疑わない人です。
そうなると、現実を非難・否定するようになります。現実を正しく把握しようともしなくなるのです。変化に臨機応変に対応できなくなります。現実と理想のギャップに押しつぶされて、身動きできなくなってしまうのです。

こういう傾向が強い人は、森田理論の学習をして観念優先の態度を事実優先の態度に変更する必要があります。「かくあるべし」を自分や他人や自然に押し付けることを止めて、問題のある理不尽な事実、現実、現状にいつも優しく寄り添う態度を養成すればよいのです。
森田では「事実唯真」「事実本位」の生活態度を身につけると言います。
グチ、非難、否定 の言動はぐっと少なくなります。
それにとって代わって、 肯定、感謝、承認 の言動がどんどん増えてきます。
ここまでくれば、神経症とは無縁になります。人間に生まれてきて本当によかった。
その喜びを胸に持って、益々人生を謳歌できるようになります。





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Last updated  2021.10.05 06:28:35
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