森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2022.03.06
XML
カテゴリ: 神経症の成り立ち
ネガティブでマイナス感情には次のようなものがあります。

不安、恐怖、不快、怒り、退屈、批判、否定、悲観、欲求不満、当惑、嫉妬、ストレス、孤独、弱気、疲労困憊などがあります。
その時、脳の中はどんなことになっているのか。

扁桃核で不快と判定されたマイナス感情は、ノルアドレナリンによって青斑核に運ばれます。青斑核は防衛系神経回路を司る司令塔です。
そこから大脳全体に自分の心身を守るために緊張感を持って準備するように指示しています。消極的な情報が拡散されて、積極的で前向きな行動はできなくなります。

真っ暗な夜道を一人で歩くような気持になります。
ススキがザワザワと音を出すだけで気が動転して生きた心地がしなくなります。
消極的で悲観的な気持ちが悪循環し始めるのです。
そのまま放置しておくと、心身に計り知れない悪影響が起こります。


人間にはホメオスタシスという恒常性維持装置が標準装備されています。
この場合、急いでドパミンを出して、報酬系神経回路を作動させるのです。
快の感情を作りだして、不快の感情を和らげるための仕組みがあるのです。
不安に押しつぶされないようにバランスを取ろうとするのです。

どんなことをするのか。
おいしいものを食べる、酒を飲む、ギャンブル、ネットゲーム、薬物依存、趣味三昧、観劇や観戦、ネットサーフィン、ネットでの買い物、風俗、旅行や温泉に入るなどです。
その他快の感情をもたらすものは星の数ほどあります。
これらに取り組むことで、ドパミン主導の快楽神経系が作動します。
最悪の精神状態を回避できるのです。

しかしこれらは一時的なカンフル剤のようなものです。
しばらくすると、また不快の感情で苦しくなってきます。

しかし、以前と同じ程度のことをしてもドパミンの出が悪くなります。
そこでより多くの快の感情をもたらすために、使用頻度がどんどん増えてきます。それが習慣化すると依存症になるのです。

依存症は脳の仕組みを変えることですから、基本的には、一人では解消できません。その時、なんとか依存症から抜け出したいと思っても、今度は離脱症状で苦しむことになります。
離脱症状というのは、イライラしていてもたってもいられなくなる症状です。
依存症にはまると、どんどん蟻地獄の底に落ちていくのです。


神経症に陥る人は、苦しさに耐えかねて、アルコール、ギャンブル、摂食障害、ネットゲーム、ネットサーフィン、トレードなどへ依存しやすい傾向があります。
神経症からの回復を目指よりも、一瞬の心の渇きを癒そうとするのです。

私たちは神経症からの回復を目指すとともに、日頃から依存症に陥らないように注意して生活することが大切になります。
普段の日常生活や仕事の中でささやかな成功体験を積み重ねることが大切です。
小さな快感情を作りだしていく習慣を作ることです。
凡事徹底の生活の中で、たくさんの気づきや発見を見つけ出すことです。
行動することで、成功体験の数が増えて、快感情が生まれてくるようにしたいものです。そのためには集談会の学習仲間で励まし合って、依存症を防止することが大切になります。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2022.03.06 06:38:50
コメントを書く
[神経症の成り立ち] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Profile

森田生涯

森田生涯

Calendar

Comments

森田生涯 @ Re[3]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ 今の生活は日中のほとんどが…
stst@ Re[2]:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、返信アドバイスをしていただ…
森田生涯 @ Re[1]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ コメントありがとうございま…
stst@ Re:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、こんばんは。 過去に何度かコ…
軸受国富論@ Re:森田の正道を歩むとはどういうことか(06/05) かの有名なドクターDXの理論ですね。ほか…

© Rakuten Group, Inc.

Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: