森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2022.10.23
XML
9月号の生活の発見誌に次のような記事がありました。

水谷先生の啓心寮を退寮するときのことです。
水谷先生は、「家に帰ったら親兄弟に治ったと言いなさい」と言われていたという。仮に治っていなくてもそういうふうに言いなさいと指導されていたという。

治った気がしなくても、家に帰り治った気になって生活していると、本当に治ってしまうといわれているのだ。退寮を言い渡された入院生は半信半疑で不安だったことでしょう。

この記事を書かれた方は、退院してから、目の前の必要なことに手を出していけば、その後どんどん治っていくということだと説明されています。
完全に治そうと考えていると治らない。むしろ神経症は悪化してくる。
治ったふりをして生活すると、不思議なことに本当に治ってしまう。
症状を治してから何かをやろうとすれば、悪循環にはまるので注意した方がよいと指摘されていました。

今日はこの話を基にして治るとはどういうことかを考えてみたい。

頭の中で考えていることは、神経症を治すことばかりです。
自分の日常生活や仕事のことは無頓着になっています。
家族や他人のことを考えるゆとりは持てません。
つまり考えていることが100%症状がらみということになります。

私は治るということは、その割合が減少してくることだと考えています。
90%になれば、10%だけは治っていると考えるのは如何でしょうか。
20%、30%・・・と下がってきて、50%くらいにまで減少してくれば、本人の主観とは関係なく、もう神経症の克服宣言をしてもよい。
神経症の克服以外のことを考えて、生活や仕事に本腰を入れて取り組むことができれば申し分ありません。

神経症を最初から完全、完璧に治そうという人は、実現不可能な目標に取り組んでいるようなものだと思います。
不安に振り回されやすいという性格傾向は変わらないわけですから、どうしても芯のようなものは残ります。

神経症というのは完全に治るということはありえないと思います。

心配性というのは、感性が強く、高性能のレーダーを標準装備しているようなものです。それをプラスに考える必要があります。
これは神経質性格以外の人がいくらお金を積んでも買えないものなのです。
私たちは親からもらった素晴らしいこの宝物を、有効活用するように心がけていくべきだと思います。

治るということを、このように考えると建設的な生き方ができます。
それはエネルギーの活用方向が変わってくるからです。

その以上のことはしないように心がけた方が、トータルで見ると、より素晴らしい人生を築くことができるのだと考えています。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2022.10.23 07:28:15
コメントを書く
[治るとはどうゆうことか] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Profile

森田生涯

森田生涯

Calendar

Comments

森田生涯 @ Re[3]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ 今の生活は日中のほとんどが…
stst@ Re[2]:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、返信アドバイスをしていただ…
森田生涯 @ Re[1]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ コメントありがとうございま…
stst@ Re:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、こんばんは。 過去に何度かコ…
軸受国富論@ Re:森田の正道を歩むとはどういうことか(06/05) かの有名なドクターDXの理論ですね。ほか…

© Rakuten Group, Inc.

Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: