森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2023.07.01
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森田先生のお話です。

もし単に自分が治ったというだけで、犠牲心が発動せず、自分の打明け話が恥ずかしいとか、人に知られては損害になるとかいう風では、まだその人は小我に偏執し、自己中心的であって、本当に神経質が全治しているのではない。
本当の法悦の味を知らないのであります。
どうか皆様も同病相憐れむほかの患者のために、自分の病症やその治るに至った成行きを詳しく打ち明けて、後進の人のために犠牲心を発揮してもらいたいのであります。
(森田全集第5巻 47ページ)

森田先生は神経症を克服した後は、今現在神経症で苦しんでいる人たちのために、自分の神経症体験を赤裸々に開示することが大事であると言われています。
それを自分の恥部と考えて隠してしまうことは大きな問題です。
実はその時脳では大変なことが起きています。

脳に扁桃体がありますが、ここでは湧き起こってきた感情を、「好き」「嫌い」「快」「不快」に振り分けています。

この回路をドーパミン神経系A群10番目の神経群なのでA10神経群と呼ばれています。
扁桃体によって、この回路に振り分けられると、意識しなくても、積極的、生産的、建設的、創造的な行動へ駆り立てられることになります。

一方、「嫌い」「不快」に区分けされてしまった感情は、ノルアドレナリンという神経伝達物質により、青斑核(A6神経系に属しています)に送られます。
ここは防衛系神経回路が作動する出発点となっています。
青斑核は数10億という防衛系神経組織に影響を与えています。
青斑核は、積極的な行動を抑制し、脳全体に防御態勢、戦闘態勢を敷くように指示しているのです。
不安や恐怖などの情動反応を起こして、コルチゾールの血中濃度を高めます。
この作用により脳全体が専守防衛に傾くことになります。
いくら鼓舞しても、消極的、回避的、無気力的な行動をとるしかなくなります。

自分の神経症体験を絶対に人に知られてはまずいと考えていると、扁桃体では「嫌い」「不快」な感情とみなして、防衛系神経回路を作動させることになります。
せっかく神経症を克服したにもかかわらず、生きづらさは依然として解消できなくなってしまうのです。


まず扁桃体が「好き」「快」に振り分けてくれることです。
そうなれば意欲的、挑戦的になれます。しだいに元気になれます。
そして貴重な教材を提供することによって人の為に尽くすことができます。
感謝される人間になれることは、人間として最高の生き方になります。





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Last updated  2023.07.01 06:35:49
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森田生涯 @ Re[3]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ 今の生活は日中のほとんどが…
stst@ Re[2]:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、返信アドバイスをしていただ…
森田生涯 @ Re[1]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ コメントありがとうございま…
stst@ Re:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、こんばんは。 過去に何度かコ…
軸受国富論@ Re:森田の正道を歩むとはどういうことか(06/05) かの有名なドクターDXの理論ですね。ほか…

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