FLOWER GARDEN 2

FLOWER GARDEN 2

2007.05.06
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揺れるコインから目を離そうとするのに……

闇の奥からぬぅっと手が伸びて来るのに驚き、私は飛び起きた。

「きゃーーーーー!!」
「アリシア?!」

伸びて来た手は私を優しく包み込み、「大丈夫です。落ち着いて」とその胸に抱きすくめた。

「エドワード?」

エドは私の肩に両手を掛けると、私の額に掛かる髪をそっと後ろに撫で上げた。

「何か怖い夢にでもうなされていたようですが」

……覚えていない。
夢を見ていたのか、それすらも目を開けた瞬間、私は覚えていなかった。
ただ、ズキズキとまるで頭が割れるような痛みに頭を抱えた。

そして、唯一すぐに思い出せる質問をエドに投げ掛けた。

「先生の容態は?」
「ICUに入ることも無く、無事手術は終わって寝ていますよ。そろそろ麻酔が切れる頃かもしれませんね」
「私、お見舞いに……」
「今日は止めておいた方がいい。それにあなたこそ真っ青だ。これでは病人が病人をお見舞いする破目になる」
「でも、私を庇ったせいで先生は……」

ガウンを羽織り、立ち上がろうとする私の肩をベッドに押し戻しながらエドは首を振った。

「確かに彼が庇ってくれたお陰であなたは無傷でした。ですが、あの事故は明らかに彼だけを狙ったものです。あなたが気に病む必要はない」
「気に病むわ!あんな酷い怪我なんですもの!」
「今は体を休ませるんだ!あなたはもう一人の体ではない!」

今まで聞いたことも無いくらい強いエドの強い言葉に、私の体はビクンと揺れた。

「……すみません。でもあなたはこれ位言わないと平気で無茶をする人ですから」

エド……
この人は本当に私のことを心から心配してくれて、大事にしてくれる……

感謝と申し訳ない気持ちで、涙が出そうになり、きつく結んだ唇が震えた。

「……分かったわ。明日行くわ。だったらいいでしょう?」
「そうして下さい」

エドはほっとした表情で、私のベッドの横にエキストラベッドをポーンと放ると、その上に靴を履いたまま、頭で腕を組み、横になった。

「ここで寝るの?」
「夫ですから」

夫……
その響きに胸が痛む。

優しいエドワード……
そんなエドを裏切り、私はジョージの子を身籠り、先生と夫婦として暮らしてしまった。
その上、私はエドに記憶を取り戻した今、最も残酷なお願いをしようとしている……

「エド、私、あなたにお願いがあるの」

さっきまで仰向けに寝ていたエドはゴロンと寝返りを打ち、私に背を向けた。

「僕は、離婚はしません」
「え?!」
「あなたがどんなにそれを望もうと、離婚はしない」
「エド……」
「僕の書斎に離婚届の切れ端が落ちていました」

エドは知っていた。
だからあの時、あんな風に冷たい態度を取ったのだと、胸に痛みが走った。

だけど、私は彼が想像している以上にひどいお願いをしようとしている……

「エド……。そのことだけど……」

何とか言葉を振り絞ろうとした時、病院中に非常警報が鳴り響いた。

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Last updated  2007.05.06 23:47:01
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小山千鶴 @ Re:ひさしぶり・・・(06/20) koukoさん ご無沙汰しています。 本当に…
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