ふらっと日記

ふらっと日記

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Profile

とこみん

とこみん

Favorite Blog

Welcome my site スパイク1961さん
アトリエ5号星地区 シルフちゃんさん
ひめ子の絵日記。 hime_1さん
石冢雄人のナイチン… バガボンド6449さん
エデンの南 SEAL OF CAINさん

Comments

とこみん @ Re:古い映画ですが(04/20) あじたまさん >今村昌平監督の「人間蒸…
あじたま @ 古い映画ですが 今村昌平監督の「人間蒸発」をご覧になる…
とこみん @ Re:幼くして(03/30) あじたまさん >死と向き合うことの是お…
あじたま @ 幼くして 死と向き合うことの是おとさようならをし…
masashi25 @ コメント失礼します☆ ブログ覗かせてもらいましたm(__)m もし…
2009.05.19
XML
カテゴリ: 映画
この映画も楽しみにしていた。
が、

「ノーカントリー」 2007/米

監督:ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン
主演:トミーリー・ジョーンズ、ハビエル・バルデム、ジョシュ・ブローリン

なにー、この終わり方あ~あ~
わからん!
映画観るのが嫌になってしまうではないか!

なんていうことで、引きずることはなはだしく、ネットで検索していたら


アイルランドの詩人W・B・イェイツ(1865-1939)の詩
「ビザンチウムへの船出」の冒頭

That is no country for old men.

に始まる有名な詩らしく、たまたま私の持っていた「世界名詩集」にも載っていて
高松雄一訳で読むことができた。

この詩の訳も解釈も三者三様で難しいのだが
2節が映画にも通ずるものを感じたので、高松訳のものをここに書きおきたい。
(1節は町山さんのブログで読める。訳されたのはご本人だと思われる。)

      2

  老いぼれというのはけちなものだ、
  棒にひっかけたぼろの上衣にそっくりだ、

  その肉体の衣が裂けるたびに、さらに声高くうたうのでなければ。
  それに、魂の壮麗さの記念の碑をまなぶほかに、
  歌の学校などあるはずがない。
  だから、おれは海をわたって、
  聖なる都ビザンチウムへきたのだ。


また同じ「ビザンチウム」「青金石」という詩のなかにも、この映画の感想を語ってくれる行があったので、好き勝手に抜書きしておく。


* 夜歩く者たちの歌が。
 星明りの、または月明りの円屋根(ドーム)は蔑視する、
 人間存在のすべてを、
 ただの錯雑にすぎぬもののすべてを、
 人間の血管の狂暴と汚辱を。
 おれの前にひとつの幻が、人が、あるいは影が、ただよう。
 人というよりはむしろ影、影というよりはむしろ幻。
 ミイラの布をぐるぐる巻きつけたこの冥府(ハーデーム)の糸巻きは、
 曲がりくねりゆく小道をときほぐすかもしれぬ。
 湿りけもなく、息もしないひとつの口が、
 息のとぎれた数多くの口を召喚するかもしれぬ。
 おれはこの超人的なるものに挨拶を送る。
 おれはこれを生のなかの死、死のなかの生と言う。


* 舞踏場の床の大理石が打ちくだく、
 錯雑の苦い狂暴を、
 なおも新しい幻を生みだす
 あの幻どもを、


* 悲劇は極限に達した。
 たとえハムレットがしゃべり、リヤが猛り狂おうと、
 十万もの舞台で、
 すべての幕切れがいちどきにこようと、
 悲劇はもうこれっぽっちも高まりはしない。




随分映画の内容からもそれてしまったが、機会があればもう一度見直したい。
それと原作「血と暴力の国」コーマック・マッカーシー
も読んでみたい。










お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2009.05.19 14:49:46
コメント(4) | コメントを書く


■コメント

お名前
タイトル
メッセージ
画像認証
上の画像で表示されている数字を入力して下さい。


利用規約 に同意してコメントを
※コメントに関するよくある質問は、 こちら をご確認ください。


過剰  
驃騎兵  さん
コーエン兄弟のものは、「バートン・フィンク」からずっと見てます。ただ、賞を総なめにした「ノーカントリー」だけ、見てないのです。内容はだいたい判ってるんですけど。
でも、「ノーカントリー」のことよりも、それに纏わる話で、とこみんさんが引いてくる文章の方が、興味深いですね。
とこみんさんは、まったくもって他の人と生命曲線が違いますね。いまだ過剰、過剰すぎます。
全身の皮膚の薄皮を一枚剥いて、粘膜を露出しているような、感じ。
それでは、「塗り薬」がいくらあっても役にたちません。そういう人には、また「余生」もないのです。否応なしに、「今生」はこのまま血がにじむ手足を動かして、突っ走ってくださいませ。
楽をするのは「来世」ということで。
では。



(2009.05.19 17:13:17)

気になる  
コーエン兄弟の映画は昔から結構、見てるけれど、私もまだこの作品実は見てません。
最近、映画を見ていて落ちに疑問符のつく作品が多いですよね。
うんでも、このW・B・イェイツの詩に何か託されているんなら見てもいいかな(笑) (2009.05.19 22:07:40)

Re:過剰(05/19)  
とこみん  さん
驃騎兵さん
-----
コーエン兄弟は、たまたまテレビで「バートン・フィンク」をみて、?&びっくり。「ファーゴ」で好きになりました。「ミラーズ・クロッシング」はあまり印象に残りませんでした。そのほかは観ていませんが、そのわからなさ、でも気になる兄弟です。

20年近く前に、それまで信じていた幻想ががらがらと崩れ落ちるような経験をして、まだその瓦礫のなかにいるようなのです。しかも幻想というものは、崩れ続くものらしいのです。そんな中にネットという小窓が開いて、息ができるようになりました。
私のちっぽけな幻想が崩れても、そんなもの最初から持ち合わせていない人たちがいっぱいいました。
そして情報は薬にもなってくれました。

自分のどろりとした暗さは、ずっと持てあますものでしたが、それに向き合うにために、また自分に欠けているものを補うために、「過剰なもの」が必要だったのかも知れません。いま気がつきました。
まだじたばたと、生きることを続けたいと思います。
多謝です。
(2009.05.20 16:43:29)

Re:気になる(05/19)  
とこみん  さん
シルフちゃんさん

>うんでも、このW・B・イェイツの詩に何か託されているんなら見てもいいかな(笑)
-----
たぶん、託すのではなくこの1行から、出発してるんじゃないかと思います。
まるでコーエン兄弟と原作とイエィツの三角関係みたいです。笑・原作、注文しました。
海外ドラマを見ていても、会話にゲーテとかシェークスピアの詩や小説からの引用がよく出てきますよね。
その辺りのことも、海外物を鑑賞する手引きになることを、今回知ることができました。
遅すぎ、知らなさ過ぎだけど。w

(2009.05.20 17:00:17)

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: