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2005年12月24日
鳥取物語 番外編 不二一族物語 第14節●角●
(8)
テーマ:
連載小説を書いてみようv(10277)
カテゴリ:
カテゴリ未分類
出立の儀を終えた後、来るべき《御魂鎮》の神事を前に、夕の水垢離(みずごり)を取っていた小角さまは、不意に胸を抉られるような身体の痛みを覚えて、思わずその場に突っ伏した。
身体中の血管が、うねり昂ぶっていた。
神経すらも焼けるような灼熱感に、小角さまは声にならない悲鳴を上げた。
はじめ、彼は耐えようとしていた。
奥歯が擦り切れんばかりにきつく歯を食いしばり、汗をたらしながらひたすら耐えていた。
身の内から突き上げる、熱く鋭い痛み。
血を吐くような息の荒さに、喉も焼き切れるかのようであった。
それでも──蒼ざめた唇で必死の御詞(みことば:神聖語)を刻む。
この二十八年、不二一族の守宿(すく)として小角さまがしてきたのは、朝な夕な決まった時間に禊をし、本堂にこもって御詞を唱えることであった。
一日たりとも、欠かしたことはない。
それは、当主としての当然の義務であるというよりはむしろ、己の血肉を枷として封じ込めた【荒神さま】を呪縛し続けるための修練に近い。
子供の頃から、半ば強制的に覚えさせられた御詞修学の真意が、ここにあった。
誰にも漏れぬ真実のところ、代々の守宿は、そうやって我が身に【荒神さま】を封じてきたのだ。
それが、直系嗣子の宿命──などという言葉では割り切れない、切実な重さでもって。
豊とは違い、出生のはじめから守宿として育てられた小角さま自身、二十八年前には自らに義務付けられた御魂鎮(みたましずめ)の日が近づくにつれ、精神の安定を欠いて不眠・拒食などに悩まされ、ずいぶんと周囲を心配させた。
いよいよその日が七日後に迫ったとき、小角さまの父宮、壁(なまめ)さまは、毎日早朝から息子を拝殿におとない、精神を集中させることを鍛錬させた。
肉体を極限までに酷使して、何も考えられなくなるまで御詞を唱えさせ──五臓六腑に、神聖語を浸透し尽くしたのだ。
小角さまは、連日連夜を通して祈祷に没頭し、次第に自分が無になっていくのを感じるようになっていった。
無意識の領域に小角さまが入りこんだことで、神人との一体化が起こる。
──祈るのに、心などは、どうでもよいのだ・・・・・・。
徹夜も五日目にして、ようやく小角さまは、自らの身体を通じて理解した。
呪師が祈祷に感情を移入させてしまうと、それは芝居になり、祈ることにはならなくなる。特に、呪方(まじないかた)の長たる守宿は、その身に容れた神の側の霊力に、大きくたよる存在でもあるのだ。
七日目の晩、それまでの六日を一睡もせずにいた小角さまは、朦朧として出立の儀に臨み、そのまま抱えられるようにして滝洞に運び込まれたという。
だが、ご神択と呼ぶにはあまりにはっきりとした容姿をもって生を受け、前代守宿と交代するための《御魂鎮》の秘儀では、もうろうとした意識のなかですら必死に抗おうとした行為の末に、荒神に片方の腕を持っていかれてしまった以上、彼に自由の道はなかった。
滝の裏にうがたれた洞(うろ)の奥深く──それは淡い緑の霧の檻。
張り詰めた沈黙のなかで交わされる、誓約の契り。
その内懐では、人の世の常識も良心も、すでに微塵も消えている。
我が身に宿る、忌々しいほどの爛れた血・・・・・・。
その血が御魂鎮(みたましずめ)の宵に呼び出したものは、度外れた人外の《魔》であった。
【荒神】と崇め奉られた《それ》の、情け容赦もない、ただただ、禍々しいだけの──蛮行。
肉を割き、骨を断ち、直系の清童の血をぶちまけて、《それ》は哄笑する。
これが異形の《神》との、正しき誓約の証だった。
ずっと、待っていた。この日を・・・・・・。
《それ》はそう言って嘲笑した。
そこでは愛情の不在も肉体の拒絶も無視されることに、小角さまは恐怖したのだ。
ひとつに繋がったところから、なにか得体の知れないものがあふれ、流れ、喰らいついてくる。
秘儀については、守宿から守宿へも口伝されぬ極秘の中の極秘であるが、流布される方便によって、おおよその見当はついていた。
だが、子胤を抜かれるとの予想をまったく覆されることになるのには、あまりに心構えが足りなかった。そして、それを後悔する時間は、どこにも残されてはいなかったのだ。
荒神に種を捧げるなど、真逆の戯言──真実は、己の血肉の総てをもって、《それ》を受け容れさせられるのだ。
実は、小角さまは自力で山を降りることができた、数少ない守宿であった。足や目など、立ち歩くに必要な部位を持っていかれなかったからだ。
だが、拝殿に帰り着いたと同時に、張り詰めていたものが切れたかのように、彼は気を失っていた。
意識のないまま身体を調べられた彼は、左腕の機能を失くしていることを見い出され、その日のうちに守宿の戴冠は成った。
それから小角さまはまたしばらく精神を病み、床に伏したままの生活が続いた。
彼をふたたび正気に戻したのは、妻となる菜摘子(なつますこ)との出会いであった。
自分のなかに巣食う禍々しい記憶を、なぜか彼女だけが癒してくれた。菜摘子と抱き合っていれば、記憶は不思議にそれ以上凶暴化しなかった。この隠れ里に生まれ育ち、幼馴染みだった彼女も、小角さまが内面にひそませる苦しみをよく理解した。
そうやって、小角さまは妻を得て、自分の心身の束縛を代償に、自由闊達な家庭を築くことに生き甲斐を見い出してきた。
秘儀については、掟によって次代の守宿であるべき豊にも語っていない。
否、たとえ掟がなかったとしても──小角さまには語れる言葉がなかった。
口伝を許されない秘儀ではあるが、父宮の壁(なまめ)さまが、出立に望む小角さまに、すれ違い際にかけた言葉だけは、しかし、今でも耳について離れないのであった。
──わからぬか? すぼし。不二の守宿は、人にはできぬのだ。
【荒神】と呼ばれるそれが、《神》であるのか《魔》であるのか、それは誰にもわからない。
ただ二十八年前、秘儀の後に命を取り留めた後に山を降りてなお、ときおり、禍々しいほどの狂気にかられることがあった。
動物でも、人間でもいい。その肉を手でちぎり裂き、骨を断ち切ってしぶく血を啜りたい──そんな暗い狂気に。
おそらく、祖先の守宿たちは我が血と肉を供物として、その身に【荒ぶる神】を封じたのが、この御魂鎮の儀の由来であろう。
この禍(まが)は、永劫、外に出してはならない──。
そう、この身に受け容れ、受け容れた身を次代に引き継ぎ、二度とふたたび出してはならないのだ。
守宿は万世一系ではあるが、終身冠位ではない。その身分は二十八年を限りとする。
それは、生身の人間では、それ以上もたないということである。
小角さまは十六歳のとき、第二十七代守宿、不二角となった。
守宿としての二十八年間は、【荒神さま】との、目には見えない、いわば己の精神力との戦いであった。
そして、今年。
次期守宿の神託の刻を間近に控えて、このときになって末息子を【荒神】の人身御供に宛てたことに対する思いがけない後悔の念が、父宮の胸の奥深くをかきむしろうとしていた。
──許せ・・・・・・豊。
そのとき初めて、小角さまは自分が泣いているのだと知った。
同時に、今や彼は、己の血肉に喰らいついた【荒神】が、歓喜の声を上げて荒れ狂っているのを感じていた。もはや、御詞による結界でも抑えきれないほどの──狂気。
いつもの、あの発作ではない。
【荒神】を生身の枷で封じるゆえの歪みなのか、身体中の血が一度に沸騰してしまうほどの凶暴な衝動が、時に小角さまを突き上げるのだ。
だが、今のこの苦しみはそれとは違う。
それだけで、父宮は確信する。山の内懐で、今、何かが起こっているのだと。
だが──我が息子の、すべてに慣れぬ初心な肉体を、やすやすとくれてやるわけにはいかない。
このままでは・・・・・・魔が強すぎる。
引きつり歪む唇を噛みしめ、小角さまは「気」をためようとする。少しでも禍(まが)を取り去ろうとして。
だが、こめかみを打ち据える鼓動の荒さがそれを阻む。
肩が、胸が、足が、大きく波打っていた。
吐息はまるで、火を噴くように熱い。
──ゆた・・・・・か・・・・・。
半ば無意識に、彼はその名前にすがっていた。
しかし、たぎり上がった血潮はその身体を焼き焦がすだけで、いっこうに収まる気配はない。
もだえ苦しみながら身をもって知る真実に、だが次の瞬間、小角さまは眦も裂けよとばかりに目を瞠ることになった。
我が身の次代は、守宿多(すくのおおい)──。
それはかつて、五百年も前に在位し、以降は誰もその存在を知らぬまま時代は流れた。
これは、守宿多の霊力も、その身に【荒神】が何を起こすのかも、すべてが誰にも知られていないということに他ならない・・・・・・・。
荒神との契約を更新する証に、自分は片腕を持っていかれた。
父の壁(なまめ)は、足の機能を持っていかれた。
祖母の室(はつゐ)は、目を──。
歴代の守宿がそうであるならば、守宿多は身体の裡でも最も重要な部位・・・・・・。
心の臓を持っていかれるというのか。
豊は渡さぬ。
小角さまはぎりぎりと血をしぶくほどに奥歯を噛み締めた。
──あの子は渡さぬ。
彼は渾身の力で御詞を声明しはじめた。
もしも豊を欲するならば、その時はわたしの屍を踏み越えてゆけ。
わたしはこの命を賭して、かの者を守る──。
不意に小角さまの脳裏を、明朝あるべき豊の姿が通り過ぎた。
神懸かって、美しい、凄みまして、雅やかな守宿装束。
今、その清き少年は、いかに酷く扱われているか。
猛った大神を鎮める饗(うたげ)は、はじまったばかりだった。
クリスマス・イブですね!
本日は午後5時から準備、7時と11時にステージ(←なんのだ)。
その間にパーティですので、皆さまいらして下さいね☆
どうか素敵な一日を!
明日は●狂気●です。
小角さまの元に、妻の菜摘子さまが駆け寄ります。
一族の目の前で、小角さまの身に起きたこととは──。
タイムスリップして、小角さまに力を!
◆お読みいただけたら
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最終更新日 2005年12月24日 07時19分31秒
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おはようございます!
VIENTO
さん
今日はパーティですかぁ。
いいなぁ。ボクは行きつけの飲み屋で潰れてるかも・・・。
小夜子さん、いい1日になりますように。
(2005年12月24日 08時54分08秒)
返事を書く
Re:おはようございます!(12/24)
小夜子姉貴
さん
VIENTOさん
お誕生日だったのですね!
おめでとうございます!!
VIENTOさん、今夜はどこの飲み屋さんですか?
今度一緒に連れてって~。
VIENTOさんに、今夜思いがけない出会いがあったりして!?
どうかよい一日を!
(2005年12月24日 12時54分42秒)
返事を書く
Re:鳥取物語 番外編 不二一族物語 第14節●角●(12/24)
愛、燦々と さん
ものすごーく、惹きこまれて読んでしまいました。
荒神をその身に封じる。。この精神力、並々ならぬものを感じます。。
明日も楽しみにしております。
ステージも、がんばってください!
どうぞ、素敵なイブを!!
(2005年12月24日 13時38分28秒)
返事を書く
Re:鳥取物語
ゆうじろう15
さん
荒ぶる山の神は、何を怒りくるっているのでしょう。
自然を破壊する人々に怒っているのでしょうか。
大自然からの祝福が、豊に宿るように祈っています。
(2005年12月24日 19時35分22秒)
返事を書く
Re[1]:鳥取物語 番外編 不二一族物語 第14節●角●(12/24)
小夜子姉貴
さん
愛、燦々とさん
し~ず~け~き~♪を、
ち~ずけ~き~♪と歌っている人がいました・・・。
ああ、くだらぬ。
(2005年12月25日 00時32分15秒)
返事を書く
Re[1]:鳥取物語 (12/24)
小夜子姉貴
さん
ゆうじろう15さん
本当に、そうですよね。
大自然からの祝福が、豊に宿る──なんて詩的な言葉。
どこかで使わせていただいてもよろしいですか?
しまいまで‘宿らない’ラストだったらどうしよう。
(2005年12月25日 00時35分46秒)
返事を書く
Re:鳥取物語
ゆうじろう15
さん
おはよう
どこかで使わせていただいてもよろしいですか?
>自由に使ってもらえばいいですよ。
私自身も大自然からの祝福がなければ何もできないです。
(2005年12月25日 07時22分21秒)
返事を書く
Re[1]:鳥取物語 (12/24)
小夜子姉貴
さん
ゆうじろう15さん
来年も、ゆうじろうさんに大自然からの祝福が豊かに恵まれますように。
(2005年12月25日 13時20分25秒)
返事を書く
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