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2006年01月17日
鳥取物語 第十章 第二節●ふたりきりだね●
(12)
テーマ:
連載小説を書いてみようv(10277)
カテゴリ:
カテゴリ未分類
夜のうち、外はまるで四つの嵐がいちどきに集まってきたような怖ろしい荒れ模様だった。さらに稲妻がいたるところで砲火のように閃く。夜半にかけて嵐は最高潮に達し、雨が巨大な波打つ幕となって大地に降りそそいだ。しかし、華々しく荒れ狂うはずの嵐は、夜のうちにあっけなく通り過ぎ、明けてみると翌朝は嵐雲が晴れ、雨足も一緒に遠のいていった。
その朝早く、まだ暗いうちに小夜は驚くほどすっきりとして目を覚ました。
せっかくの日曜日にみすみす惰眠を貪ってはいられない。早起き鳥のみくまりを探そうと、小夜は眠っている家族の横を忍び足で通り過ぎた。
外に出ると、夜明けを告げるばら色の光条が闇のなかに生まれていた。光の条はしだいに大きくなり、刻一刻と色を変えてゆく。
明かりが強まってきた。突然太陽が雲間から現われ、まもなく地面から蒸気が霧のように立ちのぼりはじめた。
径(こみち)を歩いていた小夜は、ふと背後に馬をだく足させるかすかな物音を聞いたような気がした。ふり返ってみると朝靄の中、馬上でぴんと背筋をのばした豊の影が、かすかな曙光を背景に浮かび上がった。
──遠乗りに行かんか。
彼は手首に巻きつけていた鬣(たてがみ)を解いて地面にすべり降りてくると、小夜にそう声をかけた。見ると、豊はどういうわけか自分のいつも乗っている「太秦」(うずまさ)という月毛の裸馬の他に、勒と鞍を着けた小柄な黒馬を連れていた。
しかし、小夜はどうしてもそれを敢行できなかった。かみつかれやしないかと、どうしても自分の手をかばって指を曲げてしまうのだ。実際、馬の方も草を与える人間が慣れていない場合は、鼻面をつかまれるような気がして逃げてしまう。
手を突きつけるたびに馬に逃げられるので、しばらく繰り返すと小夜はねをあげてしまい、そばで笑いをかみ殺して見ている豊を恨みがましくふり返った。
──馬が怖がるっちゃ!
──怖がっているは、人間の方だが。
豊は笑って、馬の正面に仁王立ちしている小夜の肩をそっと押しやって、馬の横に立たせた。
そして、人と馬とが同じ方向を見るような位置から、片手で首をさわってあげながら片手を小夜の手にそえると、馬の口に近づけた。
そうすると、馬のよく食べること。黒馬は吟味、といった感じで小夜の手から黙々と草を食んだ。
手のひらからなにもなくなると、ついでにぺろりと舐めてきたので思わず小夜は声をあげた。だが、その行為には、馬の友愛の情が流れていた。子馬と小夜は仲良しになった。
──では、おみ足をこれへ。
豊は片膝を突き出し、両手のひらをその上に重ねておどけてみせた。
小夜がためらいがちに足を乗せると、豊は立ち上がりざまに思いっきり小夜を上に放った。小夜は空中に投げ上げられ、夢中で馬の背にかじりついた。豊は鳥のように身軽に自分の馬に飛び乗ると、先に立って歩き始めた。彼について、黒馬も小夜を乗せて歩を早めた。
そこには夜明けが来たときにもまして荘厳な風景が広がっていた。
相生の村は自然の時計と一致して、またゆっくりと朝の生気をとりもどしていた。そこには朝餉を炊く灯が点々と現われていた。夢のなかで見るような不思議な光景だった。
小夜は人間の生活の営みを、今まで感じ得なかった畏怖の念にかられて見つめた。わが家だ、と小夜は思った。ここがわが家なのだ。たとえ向こうに見える灯は、二百人からの先祖代々よりの民の住まう村落であり、彼らは言葉も違い、その信仰といえばおそらく小夜にとってはいつまでも謎であるとしても、今朝のこの風景は小夜に生まれ故郷にいるのと同じ安らぎを約束してくれていた。
十から二十の、萱で覆われた家々が、渓流の流れに沿って立ち並んでいる。それらは朝の陽射しのなかで暖かく平和に見えたが、あたりに漂う霞のせいで、まるではるか古代の建物がいまでに息づいているかのようにも思えた。
ふたりがそんな相生村をあとにして半時ほど進んだころ、ふと小夜の目に道ばたに落ちている百円玉が飛び込んできた。
思わずそう叫んだ小夜は、はたと思いついて前を行く豊にすかさず声をかけた。
──ゆたさん、百円でなにか洒落てみてや。
──百円・・・・・ひゃあ食えん。
小夜は予想を超える豊の機知に、可笑しくてひとりでくつくつ笑った。
それが駄洒落だろうがパロディであろうが、そんなことは構わない。彼の見せる静かなる振舞い、今では子供たちの誰もが知っている彼の振舞いを目のあたりにするたび、小夜はなぜかひそかな誇りを感じるようになっていた。
また、彼の言動は、小夜の顔を思わず知らずほころばせた。ときに豊はひどくおかしかった。おかしいが、しかし愚かではなかった。腹蔵がないゆえに、彼は純粋なユーモアにあふれ、そのうえ機知にとんでいた。
ふたり並んで散歩している最中に浮かんできた、こうした物思いのはてに、小夜は豊は品格のある少年なのだという結論に達した。人には誰でも、それぞれ他の何よりも大切に思う人間の特質というものがあるが、小夜の場合、それは品性であった。
──なぁ、この馬名前なにて?
小夜はまたそれきり黙っている豊に話しかけた。
──泡沫(うたかた)だが。
‘夢見’を連想させる雅な名を持つこの牝馬は、真っ黒であばれ馬のような風体にも似合わず、しじゅう蝶ちょや虻とおしゃべりしながらのんびりと歩いていた。
──まこと寝たような目をしよるな。
小夜が泡沫の顔をのぞき込んでひとり言のように言うと、豊が前方で笑い声をたてた。小夜はふいに、自分の名が豊にたったの一度、相生文字のやりとりの最中に教室で呼ばれたきりであるのに気がついた。
彼女の物思いする心は反対にしぼんでいってしまった。
いくら相手が自分の大切に思う気持ちに適う品性の持ち主だとしても、その者から名前を呼んでもらえないのならばさみしい。女の子にとっては、異性に名前を呼んでもらえるということに勝る価値観はないのだ。そうだろう?
さて、この数日のあいだに空気はひんやりとし、今朝は平原では風が立ちはじめていた。
豊と小夜は平原までの数里を、自ら一陣の風となって軽々と渡っていった。馴染みのある最後の縁が前方に立ち上がり、ふたりは馬の背にぴったりと胸をつけ、最後の半里を全速で駆けるようにうながした。小夜が体重を少し前にうつすと、小柄な黒馬は楽しげに駆け出した。縁を一散に登りきると、一面草におおわれた大平原が何里にもわたって朝露にひたされているのが見渡せた。
二頭の馬は矢のように斜面を下って洋々たる大平原に出ると、銀色に輝く草の上を軽々と疾走していった。
──うまくなった・・・・・。
豊は伏し目から小夜の手綱さばきを観察して、そうひとりごちた。
その視線は前髪に隠されていて、小夜には気づきようがなかった。
しばらくして風が湧きおこり、豊は後方からの物音に、小夜の馬の歩みが遅れていることに気がついた。ふり返ると、小夜はうなだれたように馬にただ揺られていた。
──どうかしたの。
豊の優しさに満ちた言葉の響きに、小夜は頭を落とした。
そしてまた見上げたとき、小夜はその雄弁な瞳に呑み込まれるのを感じた。彼にまつわる自分の見ているものすべて、思うものすべてを、小夜は心から切なく感じた。彼女の脳裏には、たったひとつのことだけがあった。これほど、ほかの誰とも似ていない者はみたことがない。
──ゆたさん。
はるか創生のとき、羊水にぷかぷかと浮いているかのようなその名の響き。ゆったりとたゆたう水──なんという安心。そう、彼とともにあるとき、小夜はいつでも安心していたのだ。
呼びながら、小夜は我が意を強くした。この先いくら呼び慣らわそうと、この名を呼びあきることはあるまい。
だが、このことに思い至ることのできた朝は、彼女にとってひどくつらい現実に裏打ちされているものだった。
過ぎていく一分一秒のすべてが、なすすべなくふたりを隔てていくのを、彼女は全身で感じ取ることができた。だが、次にこのことを打ち明ける機会を待つことは、小夜にとってもっとつらかった。
彼女は草のじゅうたんの上に先に腰を下ろしていた豊の傍らに坐ると、くつがえることのない自分の運命を伝えようと口を開いた。
──春になったらな。
──・・・・・・・。
豊は何か言おうとして、彼女を見つめ返した。
そんな豊をさえぎって、小夜は続けた。視線に応えるとき、彼女はなにげない声音をよそおって、なんとか自分の感情をかくそうとし、失敗した。
──うち、横浜に帰らねばならんて。
草の上に寝転がろうとしていた豊の動きが止まった。
◆実はパソコンのキーボードのみの調子が悪く、替えが着く木曜までうまく打ち込みができなくなりました。コメントやメールのお返事がきちんとできずに心苦しいです。どうかいましばらくおまちください。
更新はマウスの作業だけでがんばります・・・涙。
昨日の日記に引き続き、男女の名前に秘められた大和言葉の意味をひもといてみましょう。
【ひこ・ひめ】彦・姫
なぜ人間のことを「ひと」というのでしょう。
人という漢字は象形文字で、立っている人を横からみた形です。
では、日本語の「ひと」の語源はどこに由来するのでしょうか。
これを考える前に、男子・女子を示すことば、「ひこ・ひめ」について考えてみます。
ヒは日・太陽。ムスヒ(産霊)・ヒモロキ(神籬:神の依代)のヒと同じです。
コは男子の意であるので、すなわち、ヒコとは太陽の子、あるいは太陽の神秘的な力をうけた子の意となります。ヒコは尊称として男神の名に冠せられ、また現代でも男子の名前の下につけて使われます。
私たちがよく知っている神話上の海幸彦(うみさちひこ)、山幸彦(やまさちひこ)の兄弟の名前は、実のところこの「ヒ・コ」の言葉の意味をもって命名されています。『古事記』によると、この兄弟の曾祖母は太陽に象徴される天照大御神と書かれており、「日子」を太陽の子と考えてなんら不思議ではないことがわかります。太陽の女がすなわち「姫」ということになります。
では、人についてはどうでしょうか。
人とは、霊(ひ)の止まるところの意を云います。
つまり、「ヒは日・霊、トは所」という語源を持つ語が「人」であるということができます。
直訳的にいえば、人は太陽の力を受けた所のものという意になるのです。象形文字である漢字の「人」と、大和言葉の「ひと」とのあいだには、人間をどのような存在にとらえるかで根本的に異なっていることがわかります。
神々の名に「ひ」(日・霊)を含むことが多いのは、太陽のもつ神秘的な力を根源として、「ひ」が霊的はたらきそのものを意味することになったからであるのです。
明日は●ぼくのそばにいて●です。
小夜の突然の打ち明け話に、豊が答えた言葉とは?
タイムスリップして、たまには誰のことも考えず、大平原を渡る風に吹かれにきなんせ。
◆お読みいただけたら
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最終更新日 2006年01月17日 13時43分02秒
コメント(12)
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泡沫。。。
solya
さん
ちと切ない名の馬だぁね。
しかし、泡沫の夢に乗って去ってしまった少女と
過ごした一時季は、豊の人生に、ほんのりとした色合いを残して、彼のひととなりのひとつ、魅力のひとつとなっているようです。
品格にちょいと艶っぽさをあしらいましたかな?! (2006年01月17日 09時28分59秒)
返事を書く
Re:泡沫。。。(01/17)
小夜子姉貴
さん
solyaさん
そうなのか。
うたかたの切ない思い出が、男の人に色気というものを添えるのだね・・・。
となると、思われるおなごも、いい女でなくてはのぅ。
しかしかの人の色気は・・・人外の者にしかわからないようです・・・。
(2006年01月17日 13時03分41秒)
返事を書く
Re[1]:泡沫。。。(01/17)
solya
さん
小夜子姉貴さん
小娘ながら、小夜子はえーおんなだでぇ。
豊さんの人外の色気の礎だわいな。
(2006年01月17日 19時22分42秒)
返事を書く
Re:鳥取物語
ゆうじろう15
さん
馬の話が多いですが、馬に乗られるのですか。
私もモンゴルで騎馬戦をするのに馬の乗る訓練を
使用と思っています。
ジンギス汗の後を継いで世界を征服したいです。
油田開発で荒れた土地を神聖な牧場に戻したいです。
(2006年01月17日 21時11分26秒)
返事を書く
Re:鳥取物語 第十章 第二節●ふたりきりだね●
愛、燦々と さん
みなさんの掛け合いに また心ひかれて 読んでます(^-^) (2006年01月17日 21時18分45秒)
返事を書く
Re[2]:泡沫。。。(01/17)
小夜子姉貴
さん
solyaさん
かーっ。
大人の男性の余裕だのぅ。
いつかそのはな、あかしてやりたい・・・。
(2006年01月17日 21時28分12秒)
返事を書く
Re[1]:鳥取物語 (01/17)
小夜子姉貴
さん
ゆうじろう15さん
私、馬に乗りますよ。
スペインでも、驚かれました☆
敦煌でも汗血馬に乗っていました。
西域の高昌古城はロバで行きました。
ちなみに、これは本当の話です。
ゆうじろうさんが砂漠の覇者になるとき、私が先駆けしんがりをつとめますよ!
(2006年01月17日 21時38分35秒)
返事を書く
Re[1]:鳥取物語 第十章 第二節●ふたりきりだね●(01/17)
小夜子姉貴
さん
愛、燦々とさん
今、マウスを使って一字ずつゆっくり入れています。
心をこめて・・・。
私もこの方たちの年齢になったとき、これほどの大きな人間であることができるのかと自問しながら。
(2006年01月17日 21時45分39秒)
返事を書く
Re[3]:泡沫。。。(01/17)
solya
さん
小夜子姉貴さん
へっへへへ。
slyaの鼻はライティンググラス(漢字で書くと老眼鏡)が乗るくらい高いけど、赤くはないなぁ・・・。
(2006年01月17日 23時44分28秒)
返事を書く
Re[4]:泡沫。。。(01/17)
小夜子姉貴
さん
solyaさん
天狗には大天狗、烏天狗などがいて、いずれも強い霊力がありおそろしい存在ですが、眼鏡天狗ならば負けん!
うちも超度級遠視だけぇよ(笑)。
け (2006年01月18日 04時32分54秒)
返事を書く
Re[5]:泡沫。。。(01/17)
solya
さん
小夜子姉貴さん
小夜姐の遠視は千里の先を見通すので、
きょーてぇーわい!!
(2006年01月18日 10時17分41秒)
返事を書く
Re[6]:泡沫。。。(01/17)
小夜子姉貴
さん
solyaさん
おほー。
そういや、前にはるかトウキョウから兄さんの動静を読み取れたことがあったの。
悪いコトはできんのぅ、兄さん(笑)。
(2006年01月18日 13時08分05秒)
返事を書く
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