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沖浦和光(文春文庫) 鳥飼否宇の「異界」がきっかけとなって、サンカの存在を知り、五木寛之「風の王国」柳田国男「遠野物語」などいままでと違うタイプの本に触れて日本民族の影の歴史を知ることができた。 今回の本は大学教授の書いたものなので「サンカ」や民俗史に興味のない人にとっては、面白くないかもしれない。かえって、前記の3冊のほうがオススメです。 でも、学校では教えてくれない被差別民が古くから日本の歴史に存在していたことがよく理解できるし、その末裔である人達を訪ねて聞き取りもしていることは興味深いです。 卑賤視されてきた人達が調査に協力してくれるなんてことは、柳田国男が研究していた明治から昭和初期にはとても考えられなかった。今の時代だからこそ、歴史にきちんと残しておくべきですね。
2007.11.18
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柳田国男(集英社文庫) 「遠野物語」の中に収められている短編です。 明治以前は絹や麻の生地が主流だったのに、綿花が栽培されるようになって木綿の生地のものが多くなってきたという話。高温多湿の日本の風土に合うだろうか?埃が家に積もって大変だ、など。文明開化によって近代化されていく庶民の生活を心配しながら、書き留めて置かなくては、という使命感が感じ取れます。 今は電気掃除機があるけど、当時の人は箒で掃いて、かえって埃をたてていたのかな?ハウスダストの根源はここにあったのか!
2007.11.04
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柳田国男(集英社文庫)514円 だだの「昔、昔あるところに・・・」という物語ではなく、明治時代実際にに聞き取った遠野の話を記録したものです。 どこどこ村の何某が何とか峠でいつどんな経験をしたかが、簡潔な文章で描かれています。 「これを語りて平地人を戦慄せしめよ。」と書き出しにあるのが凄い。さすがに民族学でなく民俗学を確立した人ですね。 他に収められている短編もおもしろいですよ。
2007.11.03
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