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仕事に関係する本は読まないと決めていたけれど織物や蚕の起源を調べていたら、徐福に行きついたので、図書館で検索し、借りてきました。眉つば的な徐福の書籍が多い中、この作者は自ら日本や中国の伝説が残っている土地を歩いて取材しています。秦の始皇帝の時代に不老不死の薬を求めて蓬莱の国(日本)へやってきて中国の技術を伝え、そのまま日本に住み着いた、と言われている人、ですが・・・・・その頃の日本は弥生時代であり神話のレベルの話でしかないと思ってましたが、各地に伝説が伝承されていて、これは昔話の域ではないな、と思いました。中国の歴史書『史記』(司馬遷)の記録が最古とされているけれど、紀元前1世紀頃のことなんですね。まさに日本からみれば、有史以前のこと。末尾の徐福文献一覧には、『史記』から始まって、中国・韓国・日本の文献が520もあり、三か国で共通の研究対象になっていることが分かります。永遠に結論が出ないロマン的なものを感じます「BOOK」データベースよりなぜ今、徐福か/第1部 徐福伝説の現在(徐福を祭る-福岡県八女市山内/徐福を語る-三重県熊野市波田須)/第2部 徐福伝説の歴史的変容(徐福の船出/徐福の日本渡来/揺らぐ徐福の評価/徐福は終わらない)
2012.01.23
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一番目「妻の超然」は夫の浮気に全く動じない超然とした妻に笑ってしまった。超然自覚タイプ。二番目「下戸の超然」は酒が飲めない体質の男性とそこそこ飲める女性の出会いから別れまでの話。二人の気持ちのすれ違いにいらいらするが、彼女の「あなたはそういう風に超然としてればいいんだわ」と、彼女に言われて超然を自覚するタイプ。三番目は作者の絲山秋子自身のことみたいです今までの作家人生と決別するような内容が面白かったです【内容情報】(「BOOK」データベースより)妻たるものが超然としていなければ、世の中に超然という言葉など要らないのだーー。「妻の超然」「下戸の超然」「作家の超然」を収録、痛快のち深遠な三部作。 文学がなんであったとしても、化け物だったとしても、おまえは超然とするほかないではないか。「妻の超然」「下戸の超然」「作家の超然」を収録した異色の三部作。
2012.01.16
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年越しで読みました。子どもを産み育てたものとしては、感慨極まる場面もありました。高校中退して19歳で結婚し、作家になって出産したユカは、なんだか作者と重なるような気もします。密室育児の末、わが子を虐待してしまう母親なんてたくさんいると思うけど、涼子のように試行錯誤して悩みぬく人がどのくらいいるのか三人の母親に共通するのは夫の不在でしょうか母性なんて父親不在の家庭で生まれるはずもないのに、子どもを愛せない自分を責めてしまうんですよね男性が読んでも理解できないかも【内容情報】(「BOOK」データベースより)同じ保育園に子どもを預ける三人の若い母親たちー。家を出た夫と週末婚をつづけ、クスリに手を出しながらあやういバランスを保っている"作家のユカ"。密室育児に疲れ果て、乳児を虐待するようになる"主婦の涼子"。夫に心を残しながら、恋人の子を妊娠する"モデルの五月"。現代の母親が抱える孤独と焦燥、母であることの幸福を、作家がそのすべてを注いで描きだす、最高傑作長篇。
2012.01.06
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