全10件 (10件中 1-10件目)
1
雑(ざつ)という名前の定食屋が舞台。夫から離婚を切り出された沙也加が雑でアルバイトを始める。初老の女性店主は「ぞうさん」と呼ばれている。前店主が雑色(ぞうしき)という名字で色が取れていつしか「雑」になった。原田さんの作品は、いつもおいしそうな料理が出てくるが、今回はぞうさんの料理が雑ながら庶民的で、自分でも作れそうなものばかり。女性二人が干渉しすぎず、大事なところは遠慮せずに言い合う、という距離感が良かった。定食屋「雑」 [ 原田ひ香 ]
2024.09.25
コメント(0)
兵庫編、第二弾。広い世界を見るために神戸から海外へ旅立つはずだったマル。ところが、西宮市のケンタの家でゴロゴロしてる姿が目に入ってきて、思わず「マル、どうした?」と叫んでしまった。ピンク色のうさぎの女の子と出会い、マルのほっぺが赤くなる絵が可愛い次はイギリスへ行くのかなかなしきデブ猫ちゃん兵庫編 マルの真夏のプレゼント [ 早見 和真 ]
2024.09.25
コメント(0)
男性の絞殺遺体が発見され、解剖では重視されなかった男性の性被害が判る。被害男性の息子は数年前の集団レイプ事件の加害者だったことから、思いもよらない方向へ展開していく。当時の加害者大学生4人は政治家のコネを使って不起訴に。そして、もう一つの政治案件、地位のある男性ジャーナリストが女性を酔わせてレイプしたのに、逮捕状が執行されなかった。これは実話だ。正しい捜査をした警察官が左遷された。たとえ裁判にならなくてもネットで情報が流されて、個人が特定されてしまう。被害者だけでなく加害者にも一生傷が残る。性犯罪の背景。作者の謝辞に「国全体、社会全体に連綿として受け継がれてきた男女間の差別の存在が文化的背景にある」と書かれている。最近は、ジェンダーやハラスメントという言葉が浸透してきたが、まだまだ日本は遅れていると思う。そして、政治家も堕落していると思う。ジェンダー・クライム [ 天童 荒太 ]
2024.09.25
コメント(0)
愛媛から船で神戸に着いたマル。船で知り合った桜子からネコのコザクラ探しを頼まれて城崎を目指し、兵庫五国を巡る。途中、赤穂ニャン士の仲間に入れられるが、「争いなんてくだらない。人間じゃあるまいし」と、吉良コウズケニャスケを許してあげる。人間は罪深い。最後に「震災編」があって、1.17を忘れてはいけないと思った。かなしきデブ猫ちゃん兵庫編 マルのはじまりの鐘 [ 早見和真 ]
2024.09.25
コメント(0)
コンサートチケットにプレミアがついて転売されることに自分の価値を見出すアーティスト。昔は会場に必ずダフ屋がいた。これが今は転売ヤーになったのかな。転売ヤーに「俺のバンドを転売してください『展売』をやってくれませんか」と頼む主人公。『転売』と『展売』?コロナ以降、無観客公演が一般的になってきたら、無観客なのにネット配信もせずアーティストも舞台に立たない、けれどチケットは販売するからプレミアがつき転売される。尾崎さんでなければ書けない内容だな、と思った。転の声 [ 尾崎 世界観 ]
2024.09.18
コメント(0)
マルがダンス修行でマッチョになった!デブ猫卒業か?そして、もっと大きくなるために、広い世界を見に行くことに。次は兵庫編。かなしきデブ猫ちゃん マルのラストダンス [ 早見和真 ]
2024.09.18
コメント(0)
「蜜蜂と遠雷」のバレエバージョンと言う感じ。萬春(よろずはる)という一人のバレエダンサーの成長物語。構想10年と帯にあるとおり、時間をかけた取材と研究を重ねたことが分かる。中性的で恵まれた身体に音感と知性を兼ね備えた主人公。バレエを目指す人は必ず海外へ留学しなければ一流になれないらしい。春も15歳でドイツへ渡る。そのおかげで、ダンサーは勿論、振り付けや衣装のデザインなども手掛けるようになる。日本の学校教育が子供の個性や才能を奪っているか。海外へ出て正解。YouTubeでバレエ音楽を聴きながら読了。spring (単行本) [ 恩田 陸 ]
2024.09.11
コメント(0)
明治18年、北海道の樺戸集治監に国事犯として収監された巽の物語。明治になったばかりの囚人の仕事は北海道の開拓。ところで、刑法がいつできたのか調べたら、明治40年だった。当時は裁判を受けることもなく北の大地へ働き手として連れてこられたのだろう。同部屋の大二郎が飲み込んで持ってきた石が物語を引っ張っていく。生かさず殺さず重労働をさせる刑務官の姿。脱走した囚人は見せしめに刑務官に首を切られる。大二郎の秘密知りたさに最後は一気に読まされる。愚か者の石 [ 河崎 秋子 ]
2024.09.04
コメント(0)
あしたのための本シリーズ。読んで頭に浮かんだ人は安倍晋三さん。「独裁者はなかまには気前よく、賞を与えたり、土地をプレゼントしたりする。ときには、自分のものではないものまで、あげてしまう」「独裁が終わるのは、独裁者が死んだとき」あとがきに「民主主義の国でも独裁に近いことが行われている」とある。この本のスペインでの初版は1977年で、フランコによる独裁が終わった後だ。日本は民主主義国家だから大丈夫、と安心してはいられない。独裁政治とは? (あしたのための本 2) [ プランテルグループ ]
2024.09.04
コメント(0)
あしたのための本シリーズ。男と女の違いは体のつくりだけ。そういえば、子供のおもちゃにしても、男の子用と女の子用が分かれていた。男らしさ、女らしさは後から押し付けられたもの。だったら、体は男で心は女、またはその逆の人が性別変更する必要もない。同性婚が認められればいいだけではないのかな女と男のちがいって? (あしたのための本 4) [ プランテルグループ ]
2024.09.04
コメント(0)
全10件 (10件中 1-10件目)
1