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直前に「成瀬は信じた道をゆく」を読んで爽快感を味わったので、ギャップが激しかった。同じ中学バレー部の8人の人間模様を描いた5篇の連作短編集。5人の語り手が全く違う境遇や性格で、1人はバレー部に入部してすぐに何となく不登校になり3年の2学期後半に何事も無かったように登校する。特に理由もなく不登校になる子は多いのかなまた、それについて教師が介入するわけでもなく、ほったらかしなんだな。義務教育なんだから、積極的に学校が面倒みるのが筋ではないか最後が表題作で、いい子の強迫観念に潰されそうな女子の卒業式の日の話。このタイトルが全てを現している。辛かったんだね作者が高校生の時の作品だが、思春期女子の心情がみごとに書き分けられていて凄い、と思った。どうしようもなく辛かったよ [ 朝霧 咲 ]
2024.11.27
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『成瀬は天下を取りにいく』の続編。成瀬みたいな人をギフテッドと呼ぶのだろうか。スマホも持たず、塾も行かず、夜9時に寝る。東大に行ける学力を持ちながら、滋賀県から近い京大を受験する。大学生になり行動の幅が広がり、大津観光大使の役もしっかり務める。今回は成瀬に関わる父と母の態度の違いが滑稽だった。成瀬は信じた道をいく [ 宮島 未奈 ]
2024.11.15
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最果タヒさんの詩なのでかりてきた。荒井良二さんの絵本は初めてだが、新井さんの自筆の文字と絵がきれいでタヒさんの詩とマッチしていた。色鉛筆なのかクレヨンなのか、たくさんの線が重ねられて形が出来上がって広がっていく感じが素敵。うつくしいってなに? [ 最果 タヒ ]
2024.11.15
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仮放免の外国人の子供の作文をもとにした絵本。中島 京子著「やさしい猫」で仮放免の人たちの過酷な状況を知った。カバーをめくると原稿用紙に丁寧な字で書かれた作文がある。日本で学校教育を受けたことが分かる。日本では高校までは卒業できるが、在留資格が無いので就職もできない。入管は、母国へ帰れ、と言う。日本語しか話せないし、帰ったところで、命の危険がある。労働力不足なのに、日本で暮らしたいという外国人に人道的な措置はできないものか。私は十五歳 (a sailing boat book) [ アズ・ブローマ ]
2024.11.15
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6つの短編集。コロナ禍ならではのトラブルなどもあり、楽しめた。中庭のあるマンションでコロナ禍にリモートで商談していた男性が庭で遊んでる母子たちに「あんたたちみたいに子育ての片手間に仕事をしてるんじゃないんだから」と苦情を言うところが時代錯誤的で印象に残った。仕事に貴賤はないぞ。ユーチューバーが勝手に他人の動画をアップしてフォロワーを増やしているのを知った女性たちが思いもかけない行動を起こす話は生きる勇気をもらった感じ。あいにくあんたのためじゃない [ 柚木 麻子 ]
2024.11.14
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太宰治は学生時代に「人間失格」を読んでがっかりした記憶がある。ところが、2年前に読んだ九段理江さんの「Schoolgirl」を読んで「女生徒」から影響を受けているらしいことを知り、乙女の本棚シリーズに出会い、今井キラさんの素敵なイラストに惹かれて読んでみた。すると、太宰ってこんな繊細な思春期の少女の気持ちが書けるのかと思い調べたら、有明淑 という少女が 、太宰に送った日記が基になっている、というではないか。時代は戦時中だが、主人公の想いは現代の思春期の女子高生とあまり変わらないように思えた。女生徒 (乙女の本棚) [ 太宰治 ]
2024.11.06
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初めての作家さん。大将とは孤独な存在。戦国の世、織田信長に謀叛を起こし有岡城を奪った荒木村重。今の時代にも通じる、上に立つものの孤独をひしひしと感じた。織田の使者として来た黒田官兵衛を殺さず、地下牢に閉じ込めたことは歴史上有名だが、実際には二人がどんな会話をしていたかは分からない。地下牢でのお互いの腹の探り合いが面白かった。黒牢城 [ 米澤 穂信 ]
2024.11.06
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