金魚の涙

金魚の涙

二次小説 『迷宮』




昔は良かった・・・・。
人は過去を美談にしたがる。
私もその1人だと苦笑した。

昔と言っても私にとってその昔はまだ半年も経っていない。
それなのに可笑しな話だ。でも今はもうずっと昔のような気がしてならない。


あの人に逢わなければこんなに苦しい想いをせずにすんだのに・・・・・。


初対面のあの人は好きじゃなかった、ずっと私が隣にいると思ってた人の隣に当然の様にいたから・・・・。
だから沢山イヤミを言った。ちょっとした意地悪もした、それに対していつもあの人は困った様な顔をして曖昧に笑うのだ。
私にはそれが凄く癇に障ってイライラしてた。

あの人のそばであの人自身を観察するのがいつの間にか日課になってしまっていた。
そして私は気がついてしまったのだ・・・・。

・・・・・あの人の事が嫌いではない事に・・・・・

気がついたらいつもの様に接する事が難しくなった。
だから私は『良い後輩』の役を演じるしかなくなっていたんだ。

でもその役をやらなくても良くなった。
私は自分の将来を自分で決める事が出来なくなってしまったから・・・・もう全てにおいてどうでも良くなってしまった。
私の世界が全て崩壊してしまった様な感覚だった。
好きな人達に囲まれる事も・・・・世間の目も・・・・
あの人の『たった一人』になる事も・・・。

あの人が私を『1人』として見てくれた時も本当はすごく嬉しかったくせに反発してしまった。

今の自分は世界で一番大嫌い・・・・。

素直にあの人の胸に飛び込めればどれだけ心が救われるか知ってるのに、意地を張ってそれを拒絶した。
あの人に話したらきっと真剣に聞いてくれたずなのに・・・・。
あの人に泣き言を言う事は私の中で許されない事だった。
そして私は迷路にはまってしまった

私があの人を泣かせた・・・・酷い言葉の刃で傷つけた・・・・・。
これが素直になれなかった報いなの?

こんな私の事なんて早く忘れて・・・・・
(ずっと側にいたい・・・・・)
あなたを傷つけるしかできない私といてもメリットないわ・・・・
(それでも許されるならあなたの側にいたい・・・・)
私にはあなたは必要ないんだもの
(・・・・・・ウソツキ・・・・・)

私の目にはもう色彩が無くなってしまった。
このモノトーンの景色はどこまで続くんだろう・・・・。


私はあの人と出会ってはいけなかったんだ・・・・。

息をするのも億劫になるほど私は迷宮に取り残されてしまった・・・・。














あとがき
何かね~。痛すぎです・・・・。
何かそんなつもりないんだけどどんどんオタク色が強いブログになりつつあるな~とか思いながらここに載せようか迷った作品です。
金魚の好きな『マリア様がみてる』の新刊小説に感化されて書いた代物なんですが、色々思うところがありまして・・・・。
ってかねあの子はどうしてそんなに自分を否定する事をするんだろうな~とかわいそうになっちゃって。
もっと素直に甘えちゃっても良いんじゃないの~?って思うのですよ。
素直になれない時期ってやっぱり誰にでもあるんだけど、学生時代ってそうゆうの凄く敏感だと思うんですよ。
本当は甘えたいけど反発しちゃったり、素直に『うん』っていえないのって自分も見てる人もちょっと辛い。
でもそーゆうのも『青春』なのかな~?とか青い事を言ってみたりして・・・・。

2006/07/08更新

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: