がちゃ☆がちゃ

誰か助けて 2005.6.19


針の穴ほどだけれど、希望の光が見えてきたことで一気に疲れが出たのかも知れない。
一番下の弟は父から頼まれていた仕事をしなくては・・・と朝から仕事に行った。
すぐ下の弟に母の不調を告げると、なにやら弟の様子もおかしい。
頭痛とめまいがすると言う。

私は母と、弟を連れて病院へいった。
父が倒れてから、みんなにかかる精神的な負担はそうとうなもので、改めて
父の存在が大きかったと思い知らされる。


二人とも過労。
母は、食事が摂れないので点滴をしてもらい、弟は念のためCTを撮ることになった。

お父さん、みんな心配しているんだからそろそろ目を開けてよ・・・

こんな私の言葉、父に届いているのかな?

点滴後母は、父の病室へ。
弟のほうは検査の結果異常がみられず、ゆっくり休むように言われていた。
私は弟を家まで送り、また病院に戻る。

病院へ行こうとするところに母から電話。
力のない声で、「お父さん、また息しなくなっちゃったよ・・・」

昨日あった自発呼吸が今日はなくなっている。
病院へ行くと1階のロビーでうなだれている母を見つけた。
点滴の薬のせいもあり、眠いというので車に連れて行き休ませる。

父の病室へ。
担当の看護師(男性)が話しかけてくる。

「大変でしたね。ご家族の方はお体大丈夫ですか?この病気の方は突然なので
みなさん驚かれたことと思います。」

ほかにもいろいろと言っていたが、あまり頭に残らなかった。

「お父さん、そろそろ起きないと本当に起きられなくなっちゃうよ」
「聞こえているなら返事してよ」
「おとうさん・・・」

いくら話しかけても、返事は返ってこない。
顔を見るとまた涙。

看護師さんに言うと、
「頭の中の水分が下りてきて、目から出てきたんだと思いますよ」
と冷静に淡々と教えてくれた。



まじめに働いて、仕事が趣味。
母と出かける海外旅行を楽しみにしていた父。
私はいつまでも甘えていて、しっかりしていなかったよね。
心配ばかりかけて・・・

お父さんが治ったら、今度は私がいろんなところに連れて行ってあげるから
頑張ってね。


病室をでて、談話室にいき一人で鶴を折る。
隣の机の人たちの会話が耳に入ってくる。

86歳のおじいさん。
クモ膜下出血で倒れて、運ばれたのが2月。
2回の手術をして、生き延びたそうだ。

父もそうやって話せる日が来るだろうか。
一人で待っている時間は、気弱になる。
しっかりするって大変だな。
いろんな葛藤がある。

しばらくすると一番下の弟が彼女とやってきた。
交代してくれるとのこと。

父を弟たちに任せて、私は母を連れて家に帰る。

結局自発呼吸はなくなったままだった。

本当は今日、自宅に戻るつもりだったけどもう一日こっちにいよう。

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