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1...楽して死にたい

「残念ですが残り3ヶ月の命です・・・」
医者に死を告げられた。
涙が出てこなかったのは、この世に何の未練もないからだ―――

「306号室の患者さんの話聞いた?」
「聞いたわよ~余命を告げられても顔色ひとつ変えなかったんでしょ」
「そうそう、それでね―――・・・!こっこんにちわっ」
ナース達は私の顔を見たとたん、焦ったように世間話をやめ散らばった。
もちろん全部聞こえてました。
ま、どうでもいいけど。
私は病院の屋上へ向かった。
なにをするってわけじゃないけど、病室の空気って嫌いなのよね。
ベンチに腰掛ける。
ここにいれば何も考えなくていい。
死をただ無心に待てる。
趣味は?って聞かれたらきと「空を見上げることです」って
答えちゃうんだろうな。
sky
そう考えていたときだった。
「趣味は?」
声に視線を下げる。
目の前にはひとりの少年がいた。
「・・・」
目を見開いたまま固まっているとその少年はふんわりと微笑んで隣に座ってくる。
「僕は桜庭ゆうた!君は?」
これは一体なんなんだろう。
中学1年くらぃかな?
黙っているとゆうたと名のった少年は私の顔をのぞいてきた。
「もしかして喋れないの!?」
「ちっ違うっ」
びっくりとした拍子に思わず声をあげてしまった。
すると少年はクスクスと笑い再び名を尋ねてきた。
「・・・片瀬ひな・・・」
もしかしてワザと・・・?
私の考えはよそに少年の笑顔は崩れることはない。
「へーひなちゃんか~!かわぃぃね~」
ひなちゃん!?
「あっオレのことはゆうたって呼んでね!」
うわ・・・めちゃ気安いタイプだ。
私の苦手なタイプ。
まぁ、得意苦手関係なしに付き合う気はないけど。
「ねーねーひなちゃんってさぁ~――」
私はゆうたの言葉をさえぎる。
「私、誰とも馴れ合うきないの」
ゆうたは首を傾ける。

ホントノキモチ

「私もうすぐ死ぬの」
私のその言葉に、ゆうたの表情から笑みが消えたのが分かった。
「だから、もう、ばいばい」
私は立ち上がりゆっくりと歩き出した。
死ぬ前に余計なもの入らないわ。

この時、私は知らなかった。
ゆうたがある決意をしたことを。
そしてその決意が私の運命を大きく動かすことを―――

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