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『REDSTONE』 5
「なんだか楽しそうな人達ですね。」
ミコトがそっと炬燵蜜柑に耳打ちした。
「だろ?」
炬燵蜜柑も耳打ちで返事した。
「さて、うちのエース君を紹介しようかな。天乃ミコト君です、皆仲良くしてあげてね。」
「天乃ミコトです。よろしくお願いします。」
炬燵蜜柑の紹介を受けミコトが挨拶をする。
「おぉ、ガラから話はよく聞いていたよ。」
「ガラさんからですか?」
「うむ、前はよく対戦していたからね。うちのダミやのかともよく戦っていたな。まぁ、ボロ勝ちだったけどね。な?」
givson_doveの言葉にダミアン君とのかちむ♪が頷く。
「え・・・ガラさんがボロ負けですか・・・?」
「そうそう、蜜柑さんには皆ボロ負けだったけどねぇ。」
givson-doveの言葉にミコトの頭は?マークでいっぱいになった。
「まぁ、麻雀の話なんだけどね。はっはっは。」
「ま、麻雀ですが・・。」
「ちょっとギブ、ミコト君いじめないでよ!」
ミコトの反応を見てのかちむ♪がすかさずgivson-doveに詰め寄る。
「いや・・・・のかもさっき頷いてたし・・・」
givson-doveがばつが悪そうにしているところにのかちむ♪が睨みを効かす。
どうやらG☆Starsの男性は女性に・・・・・・いやのかちむ♪に頭が上がらない様子だった。
「えと、ギブさんそろそろ任務の方を・・・。」
ラディッツの言葉でようやく本題へと話が戻った。
「う、うむ。先日の話だがとある集落がMOBの襲撃を受け壊滅した。」
「目的は定かではないがギルド連合としてこのMOBの集団を放っておく事は出来ない。と言う事でこのMOBを殲滅する事が決定した。」
「しかし、MOBは既に集落から姿を消しているらしい。」
「そこでMOBが羽根を休めたと見られるポイントやその地域周辺の地形等を考慮しMOBが通るであろうルート上にあらかじめPTを配置、待ち伏せしてMOBを叩く事になった。」
「敵の数や強さ等細かい事はわかっていないが無理だと判断した場合無理はしない事。その場合足止めに徹し援軍が来るのを待つ事とする。」
「以上が任務内容だ。あとの細かい事はその都度指示していく。」
「現場に向かう前に一つだけ言わせてもらう。相手は一つの集落を1日とかけずに落した奴らだ。自分そしてPTメンバの身の安全を第一に考えた上で村人達の無念を晴らそう。」
そう言うとgivson-doveが腰の携えていた剣を自身の前にかかげた。
他のメンバーも何も言わずに各々の武器を手に取りgivson-doveの剣に重ね合わせた。
「まず村人達の為に哀悼の意を・・・・。」
givson-doveを始めとしたメンバが目を閉じ黙祷を捧げた。
「よし、心の準備はいいな?行くぞ!」
「おぉ!!」
『真説RS:
赤石
物語』
第1章 『REDSTONE』-5
「ここら辺で待とう。」
ルルリバー河川口地方のほぼ中心に位置する橋よりややブリッジヘッド側に生息している木々に身を潜める形でPTが待機していた。
「来るとすれば橋の東側から来るはずだ。のかは足音探知、ダミはディテクで反応があるかどうか調べてくれ。」
「「了解。」」
「蜜柑さんはいつでもフルで支援をかけられる様に。ラディとミコト君もすぐに行動に移せる様に準備しておいてくれ。」
「「「了解。」」」
「・・・・・!ギブ、反応があったわ。」
待ち始めて1時間が経過した頃のかちむ♪の足音探査に反応する影が現れた。
「うむ、わしのディテクでも反応あったぞ。数は・・・・・10~15位かのぉ。」
「ふむ。」
givson-doveがのかちむ♪とダミアン君の報告を受け考える。
「よし。のか、少し先行して相手の情報を頼む。気配を殺して相手が通り過ぎてから連絡してくれ。万が一の時の為にラディはのかと一緒に行動してくれ。」
「「了解。」」
「ダミは変わらずディテクで相手の反応を追ってくれ。蜜柑さんはのかとラディに支援を。」
「「了解。」」
にわかにPTの動きが慌しくなっていく。
のかちむ♪とラディッツが偵察に出てから約10分が経過した頃givson-doveのチャットに連絡が入った。
“さっきMOBの団体がそっち向かって通り過ぎて行ったわ。数は12体。脱落魔法師が一体とそれを囲うように複数のサティロスとエルフ巡視がいたわ。”
“了解。橋まで大体何分位かかりそうだ?”
“MOBの移動速度考えたら・・・・15分ってとこね。”
“了解。再度指示が入るまで一定の距離を保ちながら後をつけてくれ。絶対に気付かれるなよ。”
“了解。”
「ふむ・・・あの人の言う通りか。」
のかちむ♪とのチャット交信を終えたgivson-doveは訝しげな表情を浮かべ小さく一言漏らした。
そしてその表情のままチャットを手に取り
“ストさん、やはり現れたよ。そっちの様子はどう?”
別行動をしていたStojikovicにチャット交信を送った。
“やはりそうですか・・・・こちらのPTも第2PTも敵は現れましたが両方とも退治済みです。”
“ふむ、何か見つかりました?”
“いや何も見つからなかったね。”
“じゃあやはり・・・”
“だと思う。今から駆けつけるけど無理はしないで下さい。”
“了解。これからメンバーに詳細説明してから任務に取り掛かります。”
Stojikovicとのやり取りを終えたgivson-doveはそのままチャットの周波数を変えPTメンバーにチャットを送った。
“少し行動したまま俺の話を聞いて欲しい。”
givson-doveが静かに話し出した。
“実は今回協会から下りた任務は2ヶ所で待機待ち伏せをしてMOBを退治する事だった。つまりこの3PT目はクエスト依頼には含まれていない。”
givson-doveの言葉にメンバーからは少なからず動揺を隠せずにいた。
それには構わずgivson-doveが続ける。
“実際に俺とストさんもMAPを見て依頼内容を確認した時は2ヶ所しか逃げ道がないと思っていた。しかし、ストさんと繋がりのある人物が言うにはさらにもう1ルートあるそうだ。”
“それを聞いた俺とストさんは協会には報告せずに3PT目を作りその人物が示すポイントにも待ち伏せをする事にした。そのPTが俺たちの事だ。”
“このPTの目的は?”
ラディッツが問う。
“うむ、最終目的はもちろんMOBの殲滅だ。しかしもう一つ重要な任務がある。MOBが今回の様に人の目を欺いた行動をとる事は考えにくい。つまり裏でMOBを操作している者がいるはずだ。そいつとの繋がりを得たいところだがそう簡単に尻尾は掴ませてはくれないだろう。”
“そこで何故こんな行動を取ったのかそもそも何を目的に集落を壊滅させたのか・・・ある人物が言うには元々、集落には独自の文化がありその中にMOBに対して不利益または有益な物がありそれを狙った可能性が高いとの事だ。”
“今このルートでMOBを発見した事で自分の中でそれは確信的な物になった。”
“つまりその何かを取り戻すって事ね。そしてその役が私ってわけか。”
今度はのかちむ♪が話した。
“うむ、その通りだ。おそらく堕落魔法師が持っているだろう。MOBが橋の上を通る時が最大のチャンスだ。”
“のか、一番危険な役をさせて申し訳ない。”
“何か心配されると気持ち悪いんですけど・・・まぁ私に任しといてよ。それで作戦は?”
“うむ、これから作戦を発表する。”
今まで吹き抜けていた風はいつの間にか心地よいものからピリピリをした肌を刺すようなものへと変わっており敵を向かえるメンバー達の周りの空気を張り詰めさせていた。
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