第3章『ENCOUNTER』 



「ストさん、それでは手筈通りによろしくお願いします。」
「了解した。ギルド連合に掛け合ってみたものの確証が得られないとの事で動いてくれそうにはありませんでした。」
「やはりそうですか・・。」
「なに、友好ギルドにお願いしてそこのところは心配はいらないと思います。」
Stojikovicとmikusukeがこれから行う行動に際しての最終打合せを行っていた。
「これからの戦いは今まで以上に覚悟を決めていかないと大変な事になりかねません。」
「願わくば争いなく終わらせる事が望ましいのですが・・・・。」
mikusukeの言葉の一つ一つが重くこれから先の苦難を暗示していた。
「人々が笑顔で暮らせる世の中を維持していくために私達がいる。信じましょう、自分のそして皆の力を。」
Stojikovicが力強く答えた。
「はい。私も尽力をつくします。では行きましょう。」


ガチャ


Stojikovicとmikusukeが入った部屋にはファンキー、半魚人、kikoutei、マーブルフラン、ルジェ、ミコトの6人が待っていた。
「お待たせ。先に伝えているがもう一度今回の件についておさらいをしておこう。ではミクさん。」
Stojikovicの言葉を受けmikusukeが口を開く。
「皆さんお集まりいただきありがとうございます。ルジェとの一件はすでに皆さんに伝わっているかと思います。」
「ルジェが正気に戻る事で今まで不確かだった事、わからなかった事の幾つかの真相を把握する事が出来ました。」
「やはり、大方の予想通り最近起きた事件の大半でレッドアイが絡んでいたそうです。」
「そしてレッドアイは必死で何かの宝石の欠片を探しているそうです。その目的などは定かではないのですが・・。」
「そして今回レッドアイの関係者の居場所の一つが判明しました。そのポイントにこのメンバーで向いたいと思います。」


「今回の目的はレッドアイ関連場所の制圧と関係者の身柄拘束って事ですか?」
kikouteiが尋ねる。
「探索には違いないのですが・・・拘束を行う事は多分ないでしょう。何かあればその都度私の方から連絡します。」
「9割近く予想の範囲で事が済むとは思いますが皆さん気をひきしめてとりかかって下さい。」
「「了解。」」

















『真説RS: 赤石 物語』 第1章 『ENCOUNTER』-1







アリアンから南東に進むことおよそ数Kmの場所に四方を断崖絶壁に覆われ他の地域に抜ける通り道がなく、時折起こる砂嵐の影響で普段は人が寄り付く事のない場所があった。


Isolated island


Stojikovic達、PTはその場所を目指し進んでいた。
レッドアイに関する情報を求めるために


ヒュー


「こうも砂嵐に吹かれてはなかなか前に進めないですね。」
マーブルフランが呟く。
一向の足取りを鈍らせる砂嵐はまるでこれから起こる事を暗示し警告を発しているようでもあった。
「皆さん、もう少しで着きます。」
ルジェが目的地が近い事を告げた。
「ふむ、この天気で相手の気を掴むのが困難な状況です。用心していきましょう。」


シャーー!!


mikusukeが言い終わるか終わらないか、まさにそんなタイミングで不意に砂嵐から数体のMOBが一向むけ攻撃をしかけてきた。


ドドドドド・・・・


MOBが攻撃を繰り出そうと各々が武器を振りかぶった瞬間、天より舞い落ちてきた矢によりその全てが未遂で事を終えた。
「ぐぐ・・・何故我々の姿が・・・」
「いくら悪天候と言えどこっちには探知のエキスパートであるシーフがいるんでな。気付かないわけがないだろ。」
Stojikovicが言い放つ。
天より舞い落ちてきた矢はStojikovicが事前に放っていたものだった。
「しかし・・何故、攻撃まで・・・・」
「悪天候とは言えこれ位の風ならば軌道を見切る事は俺にも可能だ。タイミングを合わせてルジェさんとミクさんが話す事で攻め入る隙を作り後はそのタイミング・場所に矢が落ちるようにするだけだ。それに・・・」
「俺もこれ以上何も出来ないまま事の経緯を見過ごす事など出来んのでな。」
「ぐ・・・・」
そう言い残しMOBは絶命した。
「キコ、他に敵影は?」
「周りには・・・ありません。」
「よし、進もう。」
まるで何事もなかったかのように先へと進む一行、そのまましばらくの間砂嵐の中を進むと
「ここです。」
岩場の隙間にまるで隠れるように地下へと続く扉が隠されていた。


ギィ・・・


その扉を静かに開けるとそこには漆黒の闇が永遠に続くかのような錯覚を生むほどの暗闇がPTを待ち構えていた。
「半ちゃんと俺が先頭に、その後ろをルジェさんとキコ、続いてミクさん、パパ、フラン、ミコトの順で降りる。」
「ミコト、後ろにも十分注意しておいてくれ。」
「はい。」
Stojikovicと半魚人を先頭に隊列を作りゆっくりと扉を潜り下層向かい降りていく。
一歩、内に入ると今までの砂嵐の騒がしさは完全にシャットアウトされ不気味なほどの静寂が広がっていた。
そしてどこまでも続く闇がよりいっそう不気味さに拍車をかけていた。


「反応は何もありません。暗闇と罠にだけは注意して下さい。」
kikouteiが探知を終え口を開く。
「了解。ゆっくりと進もう。」
kikouteiの言葉を受けStojikovicがさらに奥へと進む。
「もうすぐで広場に抜けるはずです。本来ならそこに・・・」
Stojikovicと半魚人に続いていたルジェが口を開いた。
ルジェの言った通りしばらく階段を下りると平地に降りついた。


「ここか。しかし・・・」
Stojikovicが顔をしかめる。
と言うのもそこには明かりは一切なくただただ暗闇が続いているだけで人の気配どころかネズミの気配さえ一切しなかった。
「さすがにここを放棄して新しいアジトにでも行ったんですかね。」
「そうかもしれないな、フラン。無駄足だったか・・・。」
「ストさん、そういう時もありますよ。」
一行が誰も居ない事に多少の安心感と焦燥感そして憤りを感じる中
「くっくっく・・・ようこそ、皆さん。」
確かに声がした。
誰もいないはずの暗闇の中から・・・・


















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