『始動』 2

ブルン暦4921年 5月26日
第○○○―03akari小隊

ハノブ高台望楼ニテ MOBニ動キアリ
至急向カイテ動向ヲ調査シ 敵ヲ殲滅セヨ
又、今回ノクエストヲモッテ
選考最終Questトス
akariナラビニAndrsenハ
Quesut完遂後、報告書ヲ作成シ
提出スルコト

    ブルネンシュティングギルド連合










『真説RS: 赤石 物語』 第2章 『始動』-2






「はぁ~。」
「ため息なんか吐いてどうしたんですかakariさん?」


akariとAndrsenはアリアンの砂風酒場にいた。
Questを受けた時は必ずここでミーティングを行っていた。


「アンちゃん・・・・・はい、これ」
さらにため息を重ねながら一枚の紙を手渡した。
「・・・・・・・・・これって・・・」
一通り目を通しAndrsenが顔をしかめた。
「そ、まだ一ヶ月経ってないのに最後だって。」
「でも、通例なら半月程長い間PT組んで決めてますよね?」
「そうするつもりで日程組んできたじゃないですか!!」
「もちろん普段ならそうよ。でも・・おそらく・・・・」
「akariさん、続きは僕が・・・」
どこからともなく男性の声が聞こえる。
「その声は・・・・キコさん?!」
「アンちゃん私が呼んだの。今は私とアンちゃんの2人だけだから出てきても大丈夫よ、キコ。」


「では・・・・・」
そう言って、姿を現したのは全身に黒色の装備を纏った小柄の男だった。
akariより一回りほど年を経ているようにも見える。
彼の持つ雰囲気、気配などから戦闘よりも隠密行動に長けている様子が伺えた。


「akariさんやアンさんならお気づきだと思いますがここ最近急にMOBの動きが活発化しています。」
「驚くべきことなのですが中には団体行動をとるMOBもいるそうで・・・」
キコと呼ばれる男は淡々と話を進めた。


「それでMOBの動きに警戒をしたブルネ連合が今回の決断をしたと思われます。」
「警戒って言っても古都の、特にブルネ連合の警備を強くしただけでしょ?結局自分達の事が大事って事じゃないですか!ブルネ連合は一体何を考えてるんですか?!」
いつもは冷静なAndrsenだが珍しく怒った様子だ。


「まぁまぁ、偶然なのかもしれないし手のとりようがないんだよ、きっと。」
「確かにそうかもしれないですけど・・・・」
akariの言葉にAndrsenは少しばつの悪そうな顔をした。
「ぷっ、ははは。いつもと逆ですよ。」
2人のやり取りを見ていたキコが初めて笑顔を見せた。


「ふふふ、MOBの動きも気になるけどまずは目先の悩みから話進めましょ。」
「ですね。」
「了解!」
「まずは・・・・・・」


akariPT最後のQuestミーティングは数時間にもわたったが


「・・・・・じゃあっこの流れで行きましょ。」


何とか纏まり


“あー、あー、今晩は。みんなまだ起きてるかな?”


“今晩は。はい、起きてますよ。”
“お!akariさんからのチャットだ!起きてま~す”
“今晩は、いかがなされました?”
“はい?”


“うん、全員起きてるね。ブルネンシュティングギルド連合からQuest依頼が来たので明日の朝●時にハノブに集合してください”


akariPTの最後にして4人のルーキーの今後を決める1日が


“今までのQuestよりキツイものになると思うので各自しっかりと用意する事、以上!”


““““了解””””


その日を迎える。



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