川柳で人生を二倍に生きる

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2007年12月12日
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テーマ: 楽天川柳(375)
カテゴリ: 川柳

御局ハそつとそつとの十三日   『誹風柳多留』初篇18丁

 古川柳で十三日といえば〈ある事〉をさす。特に12月なら あのこと だ。

十三日朝めし迄ハつねのかほ 明和三年信3

 朝飯までは、普通の顔でいるという。いったい、13日に何が行われるのだろう。
 じつは、12月13日は、「 煤掃
 江戸のコトバでは「じゅうさにち」といったようだが、風俗として多くの古川柳が残されている。

 最初の句「御局は…」は、大奥の煤掃き風景。前句は「うちばなりけりうちばなりけり」であり「うちば(内端)」とは江戸語で「控え目」ということ。
 この日は、作業のさいごに胴上げをするのが習わし。

奥家老髷をなくなす十三日  女鉄扇 『誹風柳多留』七四篇2丁

煤払い 千代田.jpg

 今まさに、家老らしき男性が胴上げをされている図だが、乱暴に胴上げされると「つけ髷(いわゆるウイッグ)」が落ちてしまう。この句は、実に面白いところを描き出した。

おれだハとちんをなだめる十三日 明和四年信1

 煤払いが佳境にはいると、顔も真っ黒。誰が誰だか判らなくなる。ペットの 狆 さえ、吠え立てる始末。だから、声をかけて「俺だわ」となだめることになる。当時、狆を飼っていた家柄は、長屋住まいの庶民ではなかったろう。

十三日白ひ野郎ハしかられる 安永五年義3

 これはもう当り前。ろくに煤払いに手を出さず、顔が白い野郎は叱られるのは当然。句の裏には、色白で非力で調子だけがいい優男の姿が見え隠れする。前句が「なかのよひ事なかのよひ事」であるから、下女などといちゃついていて汚れていない奴なのだろう。

 いずれにせよ、汚れないでは済まされないのが、この煤掃きの十二月十三日。

煤払い 手の裏へ.jpg

手の甲へもちをうけ取ルすゝ拂

 合間の一服に配られた餅。手のひらは汚れているので、甲の方で受け取ったということ。「そんな事かなそんな事かな」が前句。煤払いの様子と気分が良く出ている。

 このように、万句合という射幸的遊びの中で、当時の世態・風俗を面白い角度から切り取ったのが古川柳。前句を外しても十分観賞に耐えるものが、後に文芸として確立していく。

 川柳は、単なる作品のみではなく、その背景に広い文化を背負っている。
 句会、大会だけでは、こういったものが知らされぬまま、句を作り、入選することのみが 目的 となってしまう。
 川柳は、もっと幅広く、もっと楽しめる分野だ。
 作る川柳から、識る川柳、交誼の川柳、染筆などの書く川柳、日記としての川柳、ストレス解放の川柳など、効用はいっぱい。

 幅広く、川柳を識り、川柳を社会で役立てていきたい。












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最終更新日  2007年12月12日 10時24分16秒 コメントを書く
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