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2005/06/28
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カテゴリ: カテゴリ未分類
知的生産の技術シリーズ3

今日は東京工科専門学校長の芦田宏直さんの講演をテープおこしした機会に、彼の画期的な授業評価法を紹介しましょう。
芦田さんはもともとハイデッガーを専攻した哲学の先生だった人ですがどういうわけか、東中野にある東京工科学校の中のテラハウスICA事務局長として迎えられ、10年間ほど社会人むけのIT講座を開設し、ピ-ク時は千講座ほど増えて、大変盛況でした。そして3年前にこの社会人講座を閉じて、自動車整備士の養成科以外の情報処理科、建築科、バイオ科などの学科を統括する校長に就任されました。
さて、話は社会人向けのIT講座をやめたところから始めます。社会人が休暇を取ってこの学校にくる場合は、たとえば文系を出た人が仕事上エクセルを使い出して、数字に興味を持ち、統計解析を勉強したいと思ったとき、いまさら大学の統計学科に入るのもなんだしということで、この学校でエクセルコースを取るわけです。しかし、実際はこのコースで役にたつのは20コマのうちせいぜい2,3コマしかない。したがって10万円の授業料と受講時間は無駄なわけです。しかも講師はコマ全体のシラバス(授業計画)ではいろいろ書いているけれども、コマごとの授業計画はなく、聞きたいコマがいつあるかは事前にはわからない。こういうことで社会人受講者の不満が高まりました。それで芦田さんは全コマのスケジュールを公開し、それぞれのコマで何を教えるか、日にちはいつかを前もってきめて案内を出すように改め、5万円払えば何コマでも聞けるようにしました。これで社会人の不満は解消されました。
この社会人講座が成功したので、芦田さんはここで得たシステムを専門学校の正課に導入するために校長に抜擢されました。

専門学校というところは高等教育の中に入れられていますが、文科省の予算措置を得ているわけではなく、いわば埒外にあり、自動車整備士の資格をとりたい人が、学校の教師にいろいろサゼスチョンをもらって免許試験前3ヶ月で猛勉すれば2年間も通わなくてもなんとか免許がとれるような学校です。そこで教師がいろいろ本物の学問的な知識を入れ込んで教えているわけではなく、試験も甘い採点をしてなんとか卒業させてしまおうという学校が普通です。
それに専門学校というところは、実習に傾き勝ちで、理論なんかは二の次、体と手さえ動けばいいみたいなところがあって、そっちばかり教えるので、自動車整備士になって器用に仕事ができても、科学的な原理だとか理屈に弱い人材しか育たない。したがっていつまでたっても理論をきちんと身に着けた学卒社員の部下に甘んじなければならない。芦田さんは、こういうことでは卒業生が一生不幸だとして、専門学校の教育改革に乗り出しました。
それにはまず学校当局と教師が2年間でどういう人材を育てるのかという目標の共有と教え方の改革から始めなければなりません。学校当局と各科担任者と教師がまずこのことに合意し、それができたら、教師が決めたとおりの教え方を実行しているかどうかを直ちにチェックでき、学生がその日の授業を受けたら、それがちゃんと学生の頭の中にインプットされているかどうかを直後テストして確かめ、その結果のデータを学校当局、各科担任、教師が直ちに共有できるよう、授業シートと正解表を教師につくってもらうようにしました。テストの結果、学生の頭の中にインプットされ方が弱い場合は、落伍率が高いわけですから、次のコマでの調整や補修を手がけられるようにし、こういう情報を蓄積して、いわば学生個人個人のカルテを作り、その学生の2年間の教育過程で運用する方式を決めました。

このような一連の改革にともなう作業は、まず年間のシラバスだけではチェックが働きませんから、前期で90分授業が20コマあるとすれば、それぞれのコマごとのシラバスを創り、それと全体シラバスとの関係、コマ主題、コマ主題細目、コマ主題細目深度、次コマとの関係を教師がつくるようにしました。これと授業シート、カルテの3つが3点セットで、こうしてコマごとの授業評価が一目でわかるようになり、教師の任意性に傾かない客観的な授業方法と授業評価法が確立しました。得点分布グラフが正常曲線を描かない場合は教師がやさしい問題を出した結果であることがすぐわかるようなチェック方法も考え、教師の教え方の任意性から脱却する方式を確立しました。

芦田さんの開発した教育方式はどんなレベルの学校でも応用できる画期的な教育法だということが出来ます。





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Last updated  2005/06/28 09:59:48 PM


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